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第百七十九話 龍の山

久しぶりです。

続きをどうぞ!




 輪廻達は龍の谷を降り、登ることで越えていた。上空を飛んでいる青龍王の配下、龍達は龍の谷を越えた輪廻達を襲うことはなかった。自分の縄張りへ踏みこまなければ、襲うことはなかったのだろう。

 龍の谷を越えた先は、すぐ青龍王が住まう龍の山になる。輪廻達の目的はもうすぐ先にあるので、今までより警戒を高めていた。


「青龍王は山の頂上にいる。山の頂上が平らになっているのが見えるだろう? そこが、巣になっていると聞いている」

「巣か、運が悪ければ、複数の青龍王と戦う事になる可能性はあるのか?」

「いや、それはないだろう。青龍王は世界で一体だけだ。赤龍王も同じだのぅ。ただ、住む為の巣だろう」

「そうか。なら、そこにいるのは、一体だけの青龍王だけだな?」

「護衛に、他の龍も何体かいるかもしれないが、輪廻なら、邪魔をするしか出来ない程度の強さだろう」

「なら、他にいたら、それらの相手は頼むぞ」


 青龍王は輪廻が相手をする予定で、もし、他に竜がいたら、ルフェア達に頼むつもりだ。


「そうして貰おう。もし、ステータスの数値が10万を越えていたら、我らでは攻撃が通らないからのぅ」


 青龍王のステータスはどのくらいかわからないが、聖獣を超えた神に近い存在なら、10万を超えていてもおかしくないの判断だ。輪廻もそこを承知しており、最初から邪神モードの本気で行くつもりだ。邪神モードになれば、平均15万以上になるので、それを越えるような相手は、この世界では手の指で数えるくらいの数しかいないだろう。玲子が封印を解いた、メガロモスのような存在もいるので、油断は出来ないが。ちなみに、メガロモスは平均13万ぐらいの強さを誇っていた。


「飛んでいけたら、楽なんだけど……」

「それじゃ、空にいる龍と戦うことになるぞ。私はそれでもいいが」

「いや、青龍王の強さは未知数だ。無駄な力を使いたくは無い」


 ここは、大人しく山を歩いて登ることに決まった。山の中にも大量の魔物が生息しているが、飛べる龍と戦うよりはマシだ。


「行くぞ」












 山を登っている途中、猿の魔物に襲われたが問題なく片付けて進んでいく。そして、また猿の魔物に襲われた。頭を潰して、先に進む。今度はゴリラの魔物だ現れた。ルフェアが氷漬けにして、破壊した。その間に、猿とゴリラの魔物が同時に挟み撃ちをしてきた。それも、シエルとウルのコンビで叩き潰した。少しの時間を置く間もなく、次は猿人の――――




「だあああぁぁぁっ!! ここは猿の山か!? 龍の山だろ!?」

「え、ええと、我もそう聞いた筈だけど……」


 ここが龍の山だと話していたルフェアも、これだけ猿の魔物が次々と現れては、自信を無くしてしまう。ここは本当に龍の山なのかと。話している間も、猿人の魔物を倒しても次々と猿の魔物が現れてくる。


「本当に、うざったいな!?」

「しかし、おかしいですよ。御主人様、力の差がこれだけあるのに、怯える事もなく襲ってくるのは。龍の谷で戦った猿に何かされたのでは?」

「……フェロモンか? 燐粉を使っていたぐらいだから、その可能性もあるな」


 こっちの居場所がわかっているような猿の襲撃、似た魔物である鼻が長い猿から何かをされた可能性が高い。引き寄せるような動きから、虫が良く使うフェロモン類で呼び寄せていると推測する。鼻が長い猿は蝶や蛾が使う燐粉を使ってきたことから、フェロモンも使ってきてもおかしくはない。


「フェロモンなら、匂いか? 何か、匂いを誤魔化す物はあったか?」

「いえ、持っていません」

「匂いを誤魔化した程度で、フェロモンが完全に無くなるとは思えません。フェロモンが消えるまで、我慢するしかないと」

「面倒な……」


 沢山の魔物が襲ってくれるなら、レベル上げにはいいが、今は青龍王を最優先にしたので、無駄な戦闘は避けたかった。しかし、避けられないなら、戦うしかない。


「この辺りを全て、凍らせるか?」

「いや――――」


 輪廻は決めた。この襲撃は長く続きそうに見えたので、邪神モードで片付けると。




「――――よし、全て飲み込まれろ。“終之重”!!」




 輪廻は襲ってくる猿だけではなく、この山ごと消すつもりで、大技を使う。その魔力に気付き、ルフェア達は慌てて、輪廻の背後に隠れた。

 輪廻の手には小さな黒い玉が現れた。見ただけでは、他の魔法より弱そうに見えるが――――その性質は見た目を裏切り、放たれた瞬間に、ブラックホールのように猿達を吸い込み始めた。そして、その黒い玉はどんどんと肥大化していく。そのまま、猿達だけではなく、山さえも飲み込もうとしていた。


「このままじゃ、青龍王も巻き込まれるぞ!?」

「大丈夫だ。神に近い魔物だろ? あっさりとやられるとは思えん」


 どんどんと山を飲み込み、山だけで終わらず世界をも飲み込む勢いで吸い込むかと思えば――――






『何者だ。姿を現せよ』






 山を越える大きさまで肥大化した“終之重”を真っ二つにして、その姿を現した。あっさりと輪廻の攻撃を真っ二つにして無力化したことに驚くルフェア達だったが、輪廻だけは笑っていた。


「ようやく、会えたか。青龍王」


 現れたのは、赤龍王とは違う輝きを放つ、龍と言う頂点に相応しい魔力の威圧を放っていた。その魔物こそが、輪廻達が求めた青龍王その者だった――――










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