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第百六十一話 本気

はい、続きをどうぞ!

あと、『何でも屋は女神に頼まれました』も連載中なので、良かったら見に来て下さいね。

 


 テミア達が『破獄』を発動する少しの前ーーーー



 テミアにやる事を教えて貰った、啓二達は輪廻が閉じ込められている大樹へ向かい、助け出そうと攻撃を加えていた。だがーーーー


「クソッ、破れねぇ!!」

「これは予想外だわぁ」

「ケイたんでも無理とか、どんだけだよ」


 攻撃をすれば、表面は破壊できるがそれまで。しかも、削った表面は凄さまじいスピードで再生していく。


「はぁはぁ……」

「再生スピードが半端ねぇ……」


 絢達も頑張っていたが、全力の攻撃を魔力が続くだけ放っていても、大樹はすぐ再生されて無傷へ元通りになってしまう。

 これでは、輪廻を大樹の中から脱出出来ない。輪廻なら本気でやれば、大樹程度は吹き飛ばして出てこれるかもしれないが、その後にメガロモスとの戦闘がある。だから、力は温存をしなければならない。

 それを理解しているから、啓二や絢達が頑張っているのだが…………


 この中で1番強い啓二であっても、再生のスピードに阻まれている。


 それでも、攻撃を続けていたら、後ろの戦場からメガロモスの叫びが聞こえた。何があったと思い、振り返るとーーーー




「メガロモスに穴が!?」

「あいつら、やったのか!?」


 メガロモスの腹には巨大な空洞があり、誰から見ても致命傷だとわかる。啓二達もそれを見て、喝采を上げそうになったが、次の瞬間から驚愕の表情になっていった。


「き、傷が……」

「治っていく!? これじゃ、キリがないんじゃないの!!」


 メガロモスの周りが死に、メガロモスの傷が癒えていく。称号による高い防御力に、メガロモスの能力による高い回復力。その力が人間、魔族を追い詰めていく。


「な、アレはヤバイんじゃねぇか!?」

「反撃の気配がしない。もう魔力が尽きているみたいわ」


 先程より長い溜めがあり、確実に全てを葬り去るような攻撃を仕掛けようとしているのはわかる。だが、それに対して、啓二達は何も出来ない。輪廻もまだ大樹の中に閉じ込められ、啓二達はそれを助けることが出来ない。絶望が心の中に広がっていく中、頭の中に声が響いた。ら


『離れろ。今いる場所からすぐに離れろ!』


 何処からかわからないが、念話を通じてこの場から離れろと言ってきた。啓二は嫌な予感がしてーーーー




「すぐに大樹から離れろぉぉぉぉぉ!!」


 その声に、皆は全力で大樹から離れた。その早い行動が幸したようで、巻き込まれることはなかった。




 何せ、アレだけの大樹が真ん中から真っ二つに分かれるように、黒い光が中から現れて、斬り裂いたのだから。

 その中心から人影が見え、啓二は一瞬だけ警戒したが、中にいたのは輪廻だけだったのを思い出した。

 だが、その人影は角や翼があったことから困惑してしまう。啓二だけではなく、皆も同じだ。


「輪廻君……?」

「安心しろ。アレは俺がやってやる。だから、巻き込まれない場所まで離れてろ」


 その人影はそう言うと、空を走るように駆けていく。その姿が明らかになった時は、確かに輪廻だったが、黒い翼に山羊の角が生えていて、左眼と左腕は黒く染まっていた。


「なんだよ、輪廻は何をしたんだ……?」

「輪廻君……」


 輪廻がどうなったのか理解は出来なかったが、大樹の方を見ると真っ二つにされた大樹が再生出来ず、少しずつ枯れていくのがわかる。


「信じるしかねぇ! さっさと離れるぞ!!」


 啓二はパンッと自分で頬を叩き、次は何をすべきか考えていた。出来れば、テミア達を連れて戦場から離れさせたかったが、啓二達の実力では近付けないと理解していた。それに、あの女達が輪廻の側を離れるとは思えない。


「詳しいことは、戦争が終わった後に聞けばいい! 今はやれることをやるぞ!!」

「そうね。今は離れるしか出来ないけどね」

「うん……、詳しいことはあとででいいんだよね。今は勝つのを信じていればいいのね」





 ーーーーーーーーーーーーーーーー






 メガロモスは溜めも終わり、極太の黒い光線がテミア達を飲み込もうとしていた。

 だが、それは一つの黒い球によって、グンと上空へ向かって曲がって行った。


「やらせるかよ」


 アレは引力で引っ張り、光線を曲げていたのだ。その技は『第二・重球』だが、『天冥覇王』で強化されているから、威力が高いメガロモスの攻撃をも曲げられたのだ。


「あ、御主人様!」

「ようやく来たか。遅いぞ」

「はわぁー、助かった……」

「あら? その翼に角は……成る程ね。珍しい魔法もあったんだね。今は意識を保っているから、少しは扱えているのね~」


 クレアは翼や角は魔法で生み出されたのを見破っていた。さらに、その概要も少しは理解していた。その言葉に少し驚く輪廻達だったが、今はそんなことよりメガロモスのことだ。


「まず、その羽を斬り裂いてやるよ」


 輪廻はカオディスアを持ち、『天冥覇王』の象徴である黒い魔力がカオディスアに纏っていく。その力は破壊の効果があり、全てを破壊する剣になった。

 そのカオディスアをメガロモスに向け、蟲の王を滅ぼすと表明するのだったーーーー









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