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第百五十九話 役目

はい、続きをどうぞ!!

 


 英二が戦場から逃げ出した後でも、絢達は戦い続けていた。自分達の攻撃が通らずとも、主力であるテミア達の支援になるように動いている。




「目眩ましや気を逸らせるだけでもいい! 私達だって、この世界を守りたいと思うもの!!」

「それは同意だぜ。全てが終わったら、旅に出るんだ。蟲ごときに世界を壊されてたまるかよ!!」

「全く、こっちへ見向きもしないわねぇ。アレは私達のことを虫けら程度しか思ってないんじゃない? アレも蟲だけど」


 絢達は一生懸命にメガロモスの邪魔をしようとしているが、全ての攻撃は『超越者』の効果に阻まれている。超越者へ攻撃は、試せるだけ試したが、絢達…………いや、啓二達も全く成果は出せないでいた。




「駄目ねぇ。合成魔法なら効くと思ったけど、間違っていたわね。アレは確かな強さがないと駄目だわ」

「……私達じゃ、駄目なの?」


 テミア、シエル、ルフェアによる三人の合成魔法で攻撃をした時は僅かであったが、羽に傷を付けることを成功させていた。だから、合成魔法なら効くではないかと、絢達も試したがーーーー効果は無かった。ルフェアが説明していた通りに、確実な強さを持った攻撃をしなければならないようだ。




「くっ、俺達は何も役に立たねぇのか!! チクショウが!!」

「あちゃぁ~、ケイたんでも駄目なら…………」

「私達も無理だね」


 啓二達も攻撃が通らないことに歯痒い気持ちになっていた。他に何か出来ないかと考えている時、テミアがこっちへ眼を向けているのが見えていた。




「何が……?」


 その視線の意味がわからず、眼を細める啓二だったが、次に向けられた視線で、テミアが何が言いたいのか理解した。


 その時、テミアが眼を向けていた場所にはーーーーーー輪廻を閉じ込めた大樹があった。啓二はすぐに動いた。




「おい! お前ら、今から大樹に向かうぞ!!」

「大樹……あ、輪廻君を助けるのね!!」

「大樹なら、蟲の様に攻撃が通らないことはないわね」

「そう決まれば、行くぞぉぉぉぉぉ!!」


 絢達は啓二の一言から何を言いたいのか、すぐ理解して動き出していた。攻撃が通らない者は、無駄にメガロモスへ攻撃をせずに、輪廻が出てこれるように、外から圧力を掛けていた方がマシだ。

 それにーーーー








「テミア、よく思いついたのぅ?」

「いえ、足手纏いがいては邪魔なだけですから」


 テミアは足手纏いを他の場所へ移させたと言うが、シエルは珍しい物を見たような表情になり、ルフェアはニヤニヤと笑っていた。

 テミアの言う通りに、絢達は攻撃が通じないのに、この辺りをウロウロされては邪魔だ。だが、絢達が死んでしまえば、輪廻はいい顔をしないのだろうと、テミアは気を利かせたのだ。




「クレア、そろそろ力は溜まりましたか?」

「もうちょっと~」


 邪魔者を他へ行かせ、テミアはすぐにメガロモスへダメージを与えるべく、策を立てていた。その策には、クレアの力が必要だ。クレアの力があれば、先程の合成魔法よりは高いダメージを見込めるだろう。




「『超越者』……、不思議な称号ですね。ある数値以下の攻撃を無効化するなんて、初めて聞きましたよ」

「そうだな。ある数値は、おそらく10万。それ以上の数値が込められた攻撃を当てなければ、突破しないがーーーー」

「てめーら!! 話す余裕があるなら、少しは手伝いやがれ!!」


 テミアとルフェアが会話をしていたが、途中でウルの言葉によって遮られた。魔法の矢を撃ち続けているシエルもそうだそうだとウルに同意していた。

 現在、シエルとウルはメガロモスの足止めとして、星屑と神槍ゲイボルグで応戦していた。星屑は空に撃ち出して、メガロモスの背中へ流星のように落として攻撃していた。更に、神槍ゲイボルグは時空を超えて、敵に穂先を届かせる。どちらの攻撃は死角を狙って攻撃しており、傷は付かないといえ、鬱陶しいと感じるだろう。2人が頑張って足止めをしているのに、テミアとルフェアが余裕そうに会話をしていたら、そう言いたくなるのも仕方がないだろう。




「馬鹿言わないで下さい。あ、2人とも馬鹿を自覚して、仰っていたのですか? なら、すいません。説明をしなかった、私達の落ち度ですね」

「貴様ぁ! メガロモスを殺したら、次はお前をやってやろうじゃないか!?」

「落ち着いて下さい。メイドはいつもああなんですよ……」


 言い合いをしている場合じゃないと、シエルが止めようとするけど…………




「そうですよ。老婆エルフさえ、冷静に攻撃しているのに、貴方が余所見をしていたら、こっちに攻撃が来るじゃないですか」

「だったら、その口を閉じていやがれ!!」

「全く、説明してあげようと思った先に、口を閉じていろですか。やれやれ、貴女は…………」

「我が説明するから、下がってくれるかのぅ?」

「吸血鬼幼女がそう言うなら、仕方がありませんね」


 テミアはそう言って、ルフェアの後ろへ下がった。ようやく説明が聞けるとホッとするシエル。ウルはテミアを睨んでいたが、今はルフェアから放たれる説明のことた。




「今はクレアが力を溜めるのに時間が掛かっているが、我とテミアは既に溜め終わっている。ただ、一緒に妨害に加わってたら溜めていた力が減ってしまう。普通に溜めていたなら、なら減らないが、今回は上限ギリギリまで溜めていては、抑えるのに苦労するのでな」

「そうでしたか」


 力を溜めたままで魔法を放つのは出来るが、今回は上限ギリギリまで溜めているので、一緒に戦いへ加われないのだ。

 クレアの準備が出来れば、すぐに反撃へ出るつもりでいる。




「溜まりました~」




 そして、ようやくクレアの準備が出来たと報告が来た。




「二人とも、下がれ!!」


 足止めをしていたシエルとウルにメガロモスから離れるように言い、ルフェア、テミア、クレアが前に出る。




「その羽を斬り落としてあげましょう。この技を受けてみなさい!!」




 三人が溜めていた力を合わせ、その力が放たれる。その技の名はーーーー






「「「『破獄』」」」







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