第百四十八話 蜂型の蟲人
はい、どうぞ!
四体の蟲人が現れ、輪廻達はそれぞれの敵へ相対する。輪廻達は連戦で体力と魔力が随分と減っているが、やらなければならない。
輪廻達の中でまだ元気なのは、ルフェア。そのルフェアは蜂型の蟲人、インビノクタスを前にしていた。
「貴女が私の相手ですね。長年、身体を動かしてはいなかったので少しは鈍っているかもしれません。準備運動に付き合ってくれると助かります。……まぁ、私に着いて行けるかわかりませんがね」
「ふっ、ステータスの差だけで考えたらお前の方が高いかもしれないが…………我はお前に負ける道理はないな」
「減らずの口を」
インビノクタスのステータスは、平均58000だが、スキルで更に上がる可能性が高い。
ルフェアのステータスはそれよりも劣るのに、それでも勝てると言い切った。
これがルフェアのステータスだ。
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ルフェア・ソレイユ・メルダリオン 284歳 女
レベル:341
種族:吸血鬼
職業:魔拳士
筋力:47600
体力:54000
耐性:31800
敏捷:51070
魔力:57030
魔耐:36950
称号:絶氷神の加護・武神の加護・魔神の加護・冷徹の者・無慈悲なる者・疾風迅雷・吸血鬼姫・不完全なる者・不死に近い者・見通す者
魔法:氷獄魔法(地氷柱・凍結嵐・氷身化・凍結氷柱・絶対零度・氷之儀・氷神姫)
スキル:真実の眼・高速自動治癒・隠密・威圧・徒手空拳・気操作・集中強化(金剛・硬質・瞬動・魔融)・上位隠蔽・全門耐性・超直感・魔力察知・魔力操作・氷結強化・氷結無効
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このステータスなら、この世界で十本指の中に入る程の実力だが、それでもインビノクタスには届かない。
「では、始めましょうか」
インビノクタスはそう言うと、一瞬でルフェアの前に現れて突きで身体を貫くーーーー
だが、貫いたのは瞬動で発生する残像だった。
「ステータスを見るには、接近タイプらしいな。真実の眼から逃れんぞ」
「おや、スキルまで見せる許可は出していませんが…………もしかして、上級鑑定以上のスキルをお持ちで?」
「さぁな?」
もう言葉に出していたが、あえて惚けてやるルフェア。再び、瞬動で動き回りながら”地氷柱”で行動出来る範囲を減らしていく。
インビノクタスは地面を凍らせながら迫ってくる氷柱を避けていく。
「スキルまで見られているなら、さっさと本気でやった方がいいですね」
スキルが見えているなら、戦い方も読まれて戦いにくいと考え、あっさりと本気で戦うと決めたようだ。
「ところで、他の種族にはない蟲人の強みは何か知っていますか?」
「知らないな。それは重要なことか?」
「えぇ、変わりように驚いてしまわないようとの配慮ですよ。驚愕したまま、死にたくはないでしょう? では、蟲人の強みとはーーーー」
インビノクタスはそう語りながら、自分の形が変わっていく。相手を殺しやすくなるように、自分の武器が手前に出て強化されていく。
それだけではなく、翅も強固で軽そうに作り変えられていく。
「自分の装甲が変化して、自分のスタイルに合わせて強化することが出来ます。この変化を私達は『最終形態』と呼んでいます」
今の『最終形態』と言う変化。インビノクタスの姿が変わっており、右手は蜂の特徴である針のその物になっている。翅も先程よりも強化されていて、軽く羽ばたくだけで衝撃波が起きている。
「ステータスも平均70000まで上がっているな。それが、『最終形態』という奴か」
「えぇ、こうなれば貴女はもうおしまいです」
風切りが聞こえ、ルフェアが後ろを向くと、そこには前に居たはずのインビノクタスが立っていた。
「腕を落としていますよ?」
「っーー!?」
急に右腕から痛みを感じ、視線を向けてみると右腕が切り落とされていたことに気付いた。
ルフェアにも知覚出来ないぐらいのスピードで、腕を斬り落としたのだ。
インビノクタスはクスクスと微笑みを浮かべながら、翅を羽ばたく。
「まだまだ行きますよ。あっさりと死なないで下さいねーー」
ようやく、ルフェアのステータスがわかるようになりましたね!
でも、早速ピンチ!?
感想と評価を待っていますね。
あ、ついでに三日前から『竜魂の適合者〜竜王と盟約を交わす少年〜』の連載再開しました!
あと、新しい小説を掲載しました。
『天才は召喚され、殺され、転生する!!』になりますので、こちらも宜しくお願いします。
読みに来てねー。




