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第百四十七話 新たな敵

はい、どうぞ!

 

 ルフェアが言った『メガロモス』。巨大な卵から孵り、頭から覗こうとしていた。

 その瞬間に、殺気が溢れ出したのがわかった。その殺気でこの場にいた数人の冒険者が気絶をし、街にいた街の人も殺気に触れて倒れていく。

 3000年振りに外へ出られたメガロモスは、真っ白な身体を上げて雄叫びを上げる。




 ビリィィィィィーーーーーーーーッ!!!




 空気が揺れる。振動が伝わって地面も揺れているのもわかる。




「ーー確かに、ヤベェな」


 啓二であっても、メガロモスが出す威圧感に手が震えるのを止められないでいた。ルフェアが冷や汗をかくのも理解出来ると…………




「戯け、あれでもまだ幼虫だ。…………わかるであろう?」

「まだ上があるということだな?」

「なっ! アレでもやばいのに、まだ上があるの!?」

「黙りなさい、腐れエルフ。アレが幼虫ならさなぎや成虫があるのもわかるでしょ。少しは頭を使いなさい」

「うっ……」


 輪廻もアレから強い力を感じるのはわかる。だが、今の内なら…………




「ルフェア、まだ幼虫ならルフェアの方が上だろ? なら、幼虫の内にやればいいだけだ」

「勝てるのか!?」


 輪廻の言葉に希望が生まれる。ルフェアが勝てるなら、ルフェアがメガロモスをやればいいだけだ。

 だが、当の本人はまだ厳しい顔だった。




「あれが一体だけだったらな……」

「それはーー」


 どういうことだと言おうとした時、メガロモスの周りで四箇所から爆発が起きた。




「くっ、どれも伝説の通りなのだな。封印されたのは、蟲王だけではない」

「あれは!」


 メガロモスの周りに現れたのは、四体の蟲。



 立派な角を持ったカブト虫型の蟲人。


 彩りを照らすはねを持った蝶型の蟲人。


 頭から伸びる長い触覚を持ったコオロギ型の蟲人。


 高貴な姿勢で毒々しい針を持った蜂型の蟲人。



 その四体は人間と変わらない大きさだが、その実力は桁違いだった。

 ステータスでは蟲王より強かった。




「ようやく目覚めることが出来たか」

「ふふっ、封印を解いてくれた方にはいい夢を見せてあげましょう。最後には殺すけどね」

「あぁ、蟲王様!! 私達がふがないせいで長年も封印されてしまったことをお許しを!!」

「ふん、今の蟲王様は幼虫だ。声が届いているとは思えん。成虫になってからにしなさい」


 四体とも、言葉を話しており…………声を発しているだけでも物凄い威圧感に、皆は絶望したくなる。




「こ、こんな奴らに勝てるわけがない…………」

「なんという、ステータスなのだ!?」


 四体はステータスの数字は隠しておらず、鑑定を使った人々はその数字に恐れを抱いた。逃げたい人もいたが、脚が震えていて動かせてなかった。

 ステータスの平均数字ではーーーー



 メガロモス(蟲王) 平均45000

 ザウルアス(カブト虫型) 平均60000

 ネリアード(蝶型) 平均55000

 ブロティア(コオロギ型) 平均50000

 インビノクタス(蜂型) 平均58000



 この数値は、全員が魔王と変わらない実力を持っているのと変わらない。

 英二達も怯え、啓二達は流石に勝ち目があるとは思えなかった。冒険者は言わずとも、威圧感にやられている。

 その中で、首を鳴らして笑っている者がいた。




「面白ぇ、どいつも強いが……あいつよりは下だな」

「強いな!! だが、勝つのは私だ!!」

「ふっ、ステータスが高ければ良いのではありませんよ。それは御主人様が証明されています」

「うぅー、怖いけど……やるしかないよね。やられたら世界が終わりそうだし」

「お前らは、あの力を見ても怯えもないとはな。冷や汗をかいた我が恥ずかしいではないか」




 そう、輪廻達だ。

 輪廻は前に自分よりも強い者と戦って勝っている。そう、生ける屍のゼゥクだ。魔力が六万以上もあり、特別な力を使ってきたゼゥクの方が強いと感じられたのだ。

 親衛隊のように蟲王を守る蟲人を先に倒さなければ、蟲王に攻撃が届かないだろう。




「俺達は先に、あの蟲人を倒すからお前達は街に逃げるか、蟲王が街に行かないように見張ってろ」


 輪廻はそれだけを残して、四体の元へ向かう。


 輪廻はステータスが一番高かったザウルアスへ。


 ウルはネリアードへ。


 テミアとシエルはブロティアへ。


 ルフェアはインビノクタスへ。




「くっ! 俺達も行くぞーーーーなっ!?」

「こんな時に、魔物が」

「殆どが蟲の魔物だ! メガロモスが呼び出したのか!?」


 啓二達と冒険者は蟲の魔物に囲まれており、それらに相手をすることになった…………











 少し離れた場所ではーー




「うん、これで良し。私は手助けに行くからね。エリスと言ったかしら? この人を守ってあげてね」

「私も一緒に行きたいですが、確かに怪我人を置いておくにはいかないわね」


 クレアは怪我をしているダガンとメルアに手当てをして、守りをエリスに任せていた。




「あれは勝てるかわからないけど、放っておくにはいかないよね」




 クレアはそう残して、蟲王がいる場所へ赴くのだった…………



















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