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第百三十五話 念話

お待たせました!!

プロットを練り直しましたが、まだ忙しい時期を抜けられず、書く時間がなかなか取れない状況です。なので、投稿が遅くなることなあるかもしれません。


とにかく、続きをどうぞ!!

 


 シエルの上空からは山みたいに大きな三節棍が向かってきている。テミアは先程、吹き飛ばされたばかりだから助けは期待出来ない。というか、シエルはテミアが自分を助けに来るというのが想像出来なくて、苦笑してしまったーーーー




 ドガァァァァァァァァン!!







「ーーーーむ?」


 手応えがなかった事に訝しむトト。振り下ろした三節棍を見てみるが、血糊は付いてなかった。そこにあったのは崩れた地面だけだった。




「まさか、避けたのか……? ーーーーいや、また騙されたわけか」


 ここにシエルの魔力がなく、テミアを吹き飛ばした先のと反対側にある森から僅かな反応を見つけたのだ。どうやってかわからないが、シエルは既に向こうの森まで逃げていたようだーーーー






 ーーーーーーーーーーーーーーーー







(あ、危なかったぁぁぁ!! あそこにいたら間違いなくやられていた!!)


 平野では勝ち目がないと判断し、森まで場所を移したシエルはトトが潰した場所を見て安堵していた。

 しかし、いつ移動したのか。




(一体しか出せないけど、見ただけではわからなかったはず!!)


 シエルもテミアが戦っている内に、『魔力幻影』を作ってから魔力を出来るだけ隠して離れていたのだ。テミアは大量の偽物を作れるが、シエルの場合は一体しか作れない。

 しかし、クオリティは一体しか作れないシエルの方が上。だから、視覚が戻ったトトでもすぐに見破れなかったのだ。




(森に隠れるのはいいけど、すぐに見つけるんだろうし……。でも、私だけでは勝ち目がないんだよね……)


 そう、シエルだけでは勝ち目がないのは明確である。なら、逃げる手もあるが…………




(少年に頼まれたし、あんな大きい物は少年でもない限りは誰でも勝てなそうだし…………)


 シエルは逃げる気は全くなかった。他の人に任せるのはいいが、輪廻しか相手出来ないのは読めていた。だから、任されたシエルがやるしかないのだが、その方法が思いつかない。諦めずに考えを巡らせていた時、声が聞こえた。




(ーーー年増エルフ!!)

(え、メイド……? まだ生きているの!?)


 シエルはトトの攻撃をまともに受けたからテミアはもう駄目だろうと諦めていたのだ。だから、念話が来たのは驚いたのだ。

 ちなみに、念話は輪廻のパーティでは全員が出来るようになっている。




(この私が御主人様を置いて死ぬわけがなかろう!! そのことを老いぼれの脳に刻んでおきなさい!!)

(お、老いぼれと言わないでよ!?)


 テミアは相変わらず、毒を吐きまくる。シエルはまだ元気があることに安堵していたがーーーー




(とにかく、私の身体はバラバラでぐちゃくちゃになっているから動けないわ)

(バラバラにぐちゃくちゃ!?)


 それは生きているような身体には聞こえなかった。なら、何故、念話を送れる余力があるのかわからなかった。




(貴女は忘れているの? ーーあぁ、老いぼれの脳だったわね。ゴメンね、気付かなくて)

(ちょっ! そこまで言わなくても…………いやいや、魔族でもそこまでされたら生きていられーーーー)

(私の種族を忘れているみたいね……)


 そう言われ、気付いた。テミアの種族は『病魔』で身体を持たない魔族なのだ。つまり、身体が壊れても病魔の力である瘴気がなくならない限りは死なないのだ。




(ようやく気付きましたか。老いぼれには難しいことかもしれませんが、頼む者がこいつしかいないことで我慢しますが……)

(ひ、酷い言われよう!?)

(まぁいいです。貴女に頼む事はーーーー)


 テミアはジェルからの文句を無視して、念話を続ける。




(私はこれから身体を修復させ…………強化をします。だから、年増エルフには時間稼ぎを頼みます。時間は三分だけど、出来ますか?)

(バラバラになった身体を修復出来るだけでも驚きなのに、強化って……)

(元から強化させることが出来たのですが、少し見た目が…………あ、すいません。醜い見た目の年増エルフ程に醜くはありませんので、安心して下さいな)

(この態度は人に頼む事じゃないよね…………)


 文句を沢山言いたかったが、そんな時間はない。何故なら、トトがこっちへ向かってくるのが見えたからだ。




(はぁ、時間稼ぎぐらいなら出来るわよ。メイドも早くしなさいよね)

(誰に言っていると思いですか?)


 念話からはテミアの自信が感じられていた。時間さえくれば、トトを倒す算段が着くと言うように…………

 それにシエルも覚悟を決めたのだった。勝ち目がないと判断した相手に再び挑む覚悟をだ。




「やってやろうじゃない。三分ね……」




 まだ距離がある内に、シエルは三分を稼ぐための算段を頭の中で巡らすのだった…………







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