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第百三十四話 テミア&シエルvsトト

投稿予約するの忘れたので。この時間になってしまいました。

では、続きをどうぞ!

 


 レイナが虹の人魚へなった同時に、地面が大きく揺れている場所があった。そこには、別の幹部が戦っている場所でもあった。

 今、地面が大きく揺れたのはトト・ブリュールが元の大きさに戻って、武器である鬼潰棒で叩きつけていたからだ。十メートルもある巨人族が力一杯叩きつけていたため、草原に大きなクレーターが出来ていた。


 狙われたテミアとシエルは…………




「狙うなら、年増エルフを狙いなさいよ!!」

「ちょっ、前衛がそのセリフを言っては駄目でしょ!?」


 二人は無事に避けており、言い合いをしていた。シエルは言い合いをしながら星屑で矢を射り続けているが、鬼潰棒によって振り払われてしまう。でかい分、少しは鈍いかと思えば、テミアやシエルのスピードにも負けてはいなかった。二人は鬼潰棒の風圧に吹き飛ばされないように低くして耐える。




「えー、デカくなったら鈍いのは定番じゃないのー!?」

「馬鹿年増エルフ、魔王の幹部なんだからそんな定番に当てはまる訳がないでしょう!!」


 今度は地喰で脚から崩そうとするが、狙われた脚を庇うように鬼潰棒を間に入れて守られてしまう。それどころか、攻撃した5メートルにもなった土と岩を纏った地喰にヒビが入っていく。本体には傷一つも付いてはいないが、テミアの魔力も込めて作られているのに、ヒビが入ったことに驚いた。




「硬いですね……」

「鬼潰棒と言っていた武器は一体、何で出来てーーーー」


 シエルの言葉は途切れていた。トトがフルスイングするように右から左へ振り抜いてきたからだ。幸い、距離が少し離れていたので、攻撃の範囲から離れることが出来た。もう少し近ければ、肉片になるか振り抜いた風圧によって吹き飛ばされるのどちらかだっただろう。二人は話している場合じゃないと思い、左右に別れて攻撃し続ける。




「この程度か!」


 左右に別れようが、二人同士へ攻撃をするために自分の足元へ鬼潰棒を突き刺して地割れを起こす。広範囲に広がる地割れに、二人はジャンプして避けるしか無かった。そのまま、ジャンプして隙になったテミアへ小山のような拳が落ちてくる。




「ハアァァァ!!」

「む!?」


 テミアはタイミングを合わせて、拳の横へ当てながら地喰を解除した。解除された土と岩が一気にトトの顔と拳へ雪崩れ込んだ。いきなりのことに、トトの拳はテミアの横へズレていき、地面にクレーターを作っていた。




「小癪な!」

「特別な能力を使ってこないのは、舐めているから?もしくは、使えないとか……」


 無事に地面へ降り立ったシエルは一つの疑問が生まれていた。トトにしたら、二人をさっさと排除して魔王の命令を遂行したいだろう。そうなら、初めから能力を使って排除してくればいい。なのに、いつまでも鬼潰棒を振り回すだけ。




「多分、このデカブツは強力な能力を持ってないでしょう」

「だから、なんだ? このワシに小細工は必要ない。ただ圧倒的な力で叩き潰すのみよ!!」


 そう言って、トトはさらなる筋肉を膨らませて力を強化させた。シエルの想像通りにトトは他の幹部のように強力な能力を持っているわけでもなかった。巨人族の中でも圧倒的な力、身体能力を高めるスキルで他の者を寄せ付けない力によって、魔王の幹部になったのだ。




「ただのパワー馬鹿でしたか」

「ふん、お前らはそのただのパワー馬鹿によって潰されるのだ」


 再び、鬼潰棒で横薙ぎを繰り出してくる。今度は地面を削りながら繰り出しているため、土雪崩が向かってきているように見えるだろう。




「たいした能力が使えないなら、このやり方が通じるでしょう」


 テミアは懐から幾つかの指輪を両手に嵌める。全てが空間指輪で、ティミネスへ戻った時に貰っておいた物である。空間指輪の中身とは…………




「”爆砕剣”!」




 ーーーー爆発が起きた。


 トトは鬼潰棒から爆発の衝撃を受けて、グラついてしまう。鬼潰棒には浅い傷が出来ていたが、人間で言うと擦り傷とは変わらないぐらいに小さなものだった。だが、衝撃は受け流し切れなかったため、少しだけバランスを崩していた。

 その瞬間を見逃すこともなく、シエルが動いた。二本の矢を両眼へ撃ち出した。




「グオォォォォォぁぁぁぁぁーーーー!?」


 眼を潰したのを確認し、再度に”爆砕剣”をトトの腹へ打ち込むために空間指輪から”爆砕剣”の材料となる、衝撃を受けたら爆発する鉱石を地喰に纏う。




 また爆発が起き、背中から倒れて地面を揺るがす。




「やった……?」

「そんな訳がないでしょう。それに、その言葉はフラグなのですから、口を塞いで死ね」

「酷すぎない!?」


 いつものように、毒を吐いている間にトトは腹を摩りながら起き上がった。爆風で焼かれているはずの腹は少しだけ焦げたような痕があるだけで、致命傷には見えなかった。

 トトは力を高めるだけではなく、身体を強化するつれに強靭な身体を作り上げていたのだ。だから、普通なら肉片になってもおかしくないような爆発でも焦がす程度の結果となったのだ。先程、シエルが眼を潰したけど、あと少しすれば回復してしまうだろう。




「驚いたが、この程度か?としか言えんな」

「見えない眼でどうしようと?」


 テミアはすぐに動いた。眼が見えないのを生かして、音を立てずに素早い動きで突っ込む。




「眼が見えなくとも、魔力でわかるわい!!」




 特別な能力はなくても、トトは魔力察知のスキルぐらいは持っている。テミアの魔力を感じ取り、鬼潰棒を叩きつけるーーーー




「む!?」


 トトは鬼潰棒を止めていた。目の前にいるはずのテミアの魔力が、横からも突っ込んで来ていることに気付いたのだ。

 さらに後ろからも三つの反応を感じ取り、混乱してしまう。




「ーー”爆砕剣”」

「ウグッ!?」


 後ろの首から爆発が起きて、トトは膝を折ってしまう。周りにいくつもの魔力の反応を感じ取って、混乱している隙に、人体の弱点でもある脊髄への攻撃していた。




「どういうことだ!?」

「ふぅ、説明する必要はありますか?ーー説明しないのが当たり前でしょう!!」

「ぶっ!?」


 今度は頬から爆発を受けていた。トトは近くにいさせては駄目だと考え、すぐにその場所から離れた。




「逃がしません!!」

「そこか!!」


 声を頼りに、鬼潰棒を振り回すーーーーーーーーだが、手応えはない。




「此方ですよ」

「な……がぁっ!?」


 今度は爆発が起きない攻撃だったといえ、脇腹へ重い攻撃で狙われては脚を止めてしまう。何故、魔力を感じ取っていたのに手応えがなかったのか?

 それは、テミアの新しい技である”魔力幻影”のお陰である。簡単にいえば、魔力で作った偽物のテミアをトトの周りへ配置しただけなのだ。テミアは常に”瞬動”で動いており、さらに偽物といえ、本物と変わらないぐらい魔力の質で作られているので、そう簡単に捉えられないのである。

 この”魔力幻影”は相手が見えないことを条件に通用しているだけなので、いつでも使えるわけでもないが、今のトトはシエルのお陰で潰されている。あと少ししたら回復されてしまうが、今の内にダメージを蓄積させようとの魂胆である。




「くお、オオオォォォォォォ!!」

「棒が……?」


 トトが叫び始めたかと思えば、鬼潰棒の形が変わっていくことに気付いた。ただデカイ棒状から両端が扇型の刃が生まれて、二つの節が出来ていた。




 その武器は三節棍に似ていて、棒の先には重量がありそうな刃物が付いた。




「纏めて切り裂いてくれるわ!!」

「なっ!?」


 リーチが伸びたことで、届かない場所はないというように振り回していた。デタラメに振り回した鬼潰棒は新たな幻影が出来るよりも凄い勢いで、数を減らしていく。




「クッ!!」

「そこか!!」


 距離を取っていたテミアだったが、幻影を全て消されて、テミアのいる場所がばれてしまった。リーチが伸びた鬼潰棒により、テミアは刃物ではない部分によって強打されて、向こうに見える森まで吹き飛ばされてしまう。




「なっ……!?」

「これは直撃の感触……、魔人だろうが、これは死んだな。ーーあとはお前だけだ!!」


 今、眼が回復したようで蒼い目でシエルを睨み、三節棍となった鬼潰棒を振り下ろそうとするーーーー





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