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第百二十二話 魔猫族のロール

お待たせました!

最近は忙しくて、書く時間義がなかなか取れませんでした。これからもそうだと思いますが、次を待っていただけると嬉しいです!


では、どうぞっ!!

 


 コウの『生命反応』に結果が出て、襲ってきている魔物の群れがいる反対側で、どんどんと命が消えていることがわかり、啓二達はそこへ向かった。身体を強化していたので、時間は5分も掛からなかった。

 そこには…………






「そこまでだ!」

「ふにゃ?……ようやく強い奴が来たのね」


 そこにいたのは、魔猫族のロールであった。ニッコリと笑顔を浮かべて、手に掴んでいた兵士の首を折って、横へ捨てていた。周りには返り血を浴びないようにするためなのか、ロールの足元には打撃で腹と胸を潰されている者や首を折られている者が群がっていた。

 啓二は冷静に死体を確認して、格闘使いだと判断した。




「こいつらは弱いし、つまんなかったから帰ろうと思ったけど、お前は強いよね?なら、死闘をやろうにゃ!」

「死闘か……、構わねえぞ。ただ、お前が死ぬがなっ!!」


 同時に二人が飛び掛かって、両方とも拳を合わせていた。既に強化されている状態なので、周りに衝撃波を散らす程の騒音が響いた。






 ドバァァァァァン!!






 二人は笑っていた。拳を合わせて、互角だと理解したのだ。




「は、ははにゃっ!!面白そうだにゃ!」

「強いな、勝てたらどれくらい強くなれるか楽しみだなっ!?」


 ロールは強敵に出会えたことに、啓二は勝てれば更に強くなれる未来に、笑っていたのだ。至近距離で拳の打ち合いで、啓二の仲間は近付かないでサポートに回るべく、チャンスが出るまで待っていた。




「さてにゃ!お前がこの国で一番強いんだにゃ?」

「さあな、教えるわけがないだろうっ!」


 啓二の武器は拳であり、〈魔拳剛牙〉と言うナックルを付けていた。魔剣と同じように、普通の武器ではない。その効果とは…………




「”拳空波”!!」


 自分の魔力を込めると、赤いオーラのような物が拳を包んでいた。その状態で、ジャブと言える技から拳の形をした赤いオーラが飛び出した。それが何十発も向かってくるのだから、少しは慌てても仕方がないぐらいだったが…………




「面白いにゃ!えい、えいえい!!」

「なんだと!?」


 なんと、ロールも啓二と同じ技を使っており、赤いオーラの拳を青いオーラの拳で撃墜していた。啓二がやっていたことは、〈魔拳剛牙〉がなければ、出来ないことだったのに無手であるロールはそれをやってのけたのだ。自分が持つ赤いオーラとは別の物か?と啓二は思っていたが、色が違っても性質が似て過ぎているのだ。




「お前、今のはどうやった?この魔拳が無ければ出来ないことを……」

「教えないにゃ!…………と言うのが普通だけど、面白い物を見せてくれたお礼に教えよう。私のスキル、『妖術』のお陰だにゃ」

「妖術……」


 啓二は輪廻から聞いたことがあり、『妖術』は騙す能力だと。先程の青いオーラは本物ではなく、啓二の脳がロールの能力を発動した瞬間に、ロールからの攻撃が同じタイプの攻撃だと、そう判断した結果なのだ。実態は、ガスのような物である。もし、さっきのが身体に当たれば脳がダメージを受けたと判断してしまい、啓二が放った技と同等のダメージを受けてしまう。

 それだけではなく、啓二が放った技も騙されてしまい、同等の威力に下がってしまって相殺も出来てしまうのだ。今みたいに…………




「チ、確か魔猫族だったな」

「ふにゃ~?もしかして、『妖術』のことを理解しちゃった?同族から聞いたか、他の種族なのかにゃ?」

「ふん、今は関係ないだろう。しかし、思ったより面倒な相手だな」


 直接的な力ではない能力を防ぐ術を啓二は持っていない。敵は『妖術』を持っているだけではなく、身体的にも他に追随させないぐらいに高い。

 手札が多い相手に対して、どう戦うか考えて相対しなければならない啓二なのだがーーーー






「いや、関係ねぇ!!ただ、ぶっ飛ばす。それだけだ!!」

「ニャニャ、正面から来るとか…………面白い!!」







 二人は周りに被害が出ようが、関係はないと言うように衝撃波を撒き散らしながら、拳を再び合わせていた。ロールは拳だけではなく、時折に『妖術』を使った攻撃を織り交ぜて攻撃してくる。

 魔法のように、デカイ炎の弾が落ちてきたり、氷の氷柱が雨のように降らされ、ロールと同じ姿をした残像のような物までも現れた。


 それに対して、啓二は火の弾は先程の”拳空波”よりも数倍の大きさがある”豪拳空波”で相殺し、沢山の氷柱はただの拳で砕いていき、最後にロールの残像には砕いた氷の粒をそのまま反射するように返すことで、攻撃を防ぎきった。




「ニャニャ!?人間にこんな攻撃を対応されると思ってなかったにゃ!やっぱり、強い者に出会うために魔王の配下になって正解だった!!」

「む?魔王に挑めばいいんじゃないか、強い者と戦いたいならな」

「…………魔王は別だ。アレとは会ったことないだろにゃ?会えば、戦いたいとは思わないにゃ」

「なんだ、強いと思ったが、言動撤回だ。お前は臆病者だな」

「なんだと?」


 強い者と戦いたいと言っている割には、間違いなく強い魔王には挑まないと言う矛盾。つまり、強い者と戦いたいのではなく、勝てる相手で遊べる敵と戦いたいということだ。

 だから、啓二はロールのことを臆病者だと言ったのだ。




「ムカつくにゃ……」

「だったら、本気で殺しに来い」

「その言葉を後悔するにゃよ!!」




 ロールは本気になった。今まで遊びに使っていた妖術を自分の身体に纏わせて、様々な色を持った魔力が鎧となり、手には薙刀が現れた。




「最強の武具を持って、相手をするにゃ…………この”武魔二式”でにゃ!!」

「なら、俺も本気でやろう」




 啓二は10分過ぎたら気絶してしまうタイムリミット付きのスキル、『全魔変換』を発動する。髪色が赤くなり、身体が白いオーラのような物に包まれる。




 両者はもう遊びは終わりだと言うように、一瞬の間さえも無く激突するのだったーーーー






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