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第百二十話 戦争の始まり

はい、お待たせました!

続きをどうぞー。



あと、『トンネルの向こうは異世界!?』も連載中で3章に入りました。良ければ、こちらも読みに来て下さいね。

 


 元の会議室へ戻ったが、気まずい空気が流れていた。その理由はわかっていると思うが、SSSランクの冒険者が四人とも何もすることなく、啓二の一撃によって死んで退場したからだ。


 席に着いて、初めに口を開いたのはSSSランクの冒険者を一撃で倒した啓二だった。




「…………なんだ、あのざまはよ?俺らの仲間の方がまだ持つぞ?」

「グゥッ……」


 アドラーは何も言えないでいた。油断していたなどの言い訳は戦争や戦いでは役に立たない。油断をしないのは当たり前のことであり、死が近くにあるこの世界では。


 だが、強化された啓二のステータスを見ればSSSランクの冒険者が反応出来ずやられたのも仕方がないだろう。これが啓二のステータスになる。





 ーーーーーーーーーーーーーーー


 田村啓二 17歳 男


 レベル:114

 職業:拳闘士(仲間意識)【全魔変換】

 筋力:8420(16840)【33080】

 体力:10020(20040)

 耐性:7540(15080)

 敏捷:9210(18420)【34660】

 魔力:8120(16240)

 魔耐:7540(15080)



 ーーーーーーーーーーーーーーー




『仲間意識』がステータスを二倍にして、さらに『全魔変換』で魔力の分を筋力と俊敏に上乗せしており、強化してない輪廻のステータスを超える。

 ちなみに、SSSランクの冒険者はステータスのどれか一つが三万を超えているが、他は一万~一万五千ぐらいで、俊敏が三万を超える攻撃に反応出来ないのは仕方がないことだろう。




「そういえば、気絶しなかったね?」

「あぁ、すぐに解除したから問題はない。しかし、すぐに終わるとは思ってなかったけどな」


 今まで『全魔変換』を使ったら必ず気絶をしていた啓二だったが、それは10分という制限時間を過ぎた後のことである。

 今回はあっさりと終わったため、啓二の体力、魔力はあまり消耗していない。

 悪い空気を払拭するように王様が立ち、皆を見渡して言う。




「これだけの力があれば、魔王の相手は任せても問題はなかろう?」

「え、えぇ。そうですね…………。一つ聞きたいのですが、後から来る子供は貴方より強いと?」

「ああ。単なるステータスの数字だけでも高いのに、経験も向こうの方が上だ。俺らで掛かっても勝てないかもしれん」


 アドラー達は啓二の力を知った後であり、その啓二が勝てないと言わせるぐらいの実力を持つ子供に恐怖を覚えていた。だが、同時に頼もしいとも感じていた。

 今まで苦渋を味わっていた時代はもう終わりになるかもしれない。ここにいるSSSランクの冒険者達はSSランクの魔人を倒したことがある。

 だが、魔王はもちろん、前から古豪であり、有名な魔人イアとウルはSSランクの魔人の中でも別格である。

 おそらく、SSSランクの冒険者四人で掛かっても勝てないだろう。

 今までは特に目立った動きが無く、自分達から攻撃しない限りは手を出して来なかったから放っていたが、アルト・エルグで起こった事件や今回の戦争で見逃せない敵となっている。

 今はSSSランクの冒険者四人を一撃で勝った召喚者である啓二もいる。そう考えれば、勝ち目があるだけでも希望が出て、皆もやる気が出る。




「はぁ、皆は貴方達の実力を疑う者はいないでしょう。頼りにしていますよ」

「ああ、露払いを期待しているぜ」


 啓二はともかく、他の召喚者の実力を見せて貰っていないが、啓二と一緒に鍛えてきたなら実力は高いと読める。ちょっとしたすれ違いもあったが、結果的には魔王を倒す同士として手を組むことになった。


 そうした騒ぎがあった頃、セイオリック天聖国の別な場所では…………













「ぐぅぅぅ……貴様は…………」

「貴方に名乗る名はありませんな」

「弱~い」


 倒れ伏せている兵士達といつの間に、潜入したゼロクアとロールがいた。




「ここが結界を構築する装置が置いてある部屋ですね」


 片眼鏡を掛けた美青年の悪魔族であるゼロクアと破天荒な性格をした魔猫族のロールがいる場所は、セイオリック天聖国を守る結界を構築している装置が置いてある部屋だ。地下500メートルの場所にあり、ここまで辿り着くには迷路を抜けなければならない。

 だが、ゼロクアの能力である『透過』によってロールも一緒に障害物を通り抜けて、一時間もかからずに着いたのだ。もちろん、守りもいないわけじゃなかったが、SSランクの魔人相手には相手にならなかった。実際は見つからない場所にあり、知っている人も数人だけと少なかったから見つかる筈がなかったのだ。

 ゼロクアの能力がなければだが。


 守る兵士もこの場所を知っている数少ない者として、三人と少なかったが、一人でSランクの魔人と相手に出来る程の実力があった。だが、ゼロクアとロールの前にして倒れ伏せているしか出来なかった。




「あんな物で街全体を包む結界が出来るの?」


 部屋の中心にあるのは、光った正方形の箱のような物が浮いており、表面には複雑な術式が浮かんでいた。




「ええ、これは『魔幻界』と言って、力が弱い魔物や魔人を通さないという性質を持つ。これの起動を止めるか破壊すれば、結界がなくなります」

「そうは、させるか……」

「煩いよ~」


 ロールが脚を上に振り上げ、そのままかかと落としで頭をペシャンと踏み潰した。




「あー、汚い~」

「だったら、踏みつぶさないで事を切らしていればよかろう?」

「虫が煩かったもん~」


 血がついた脚を拭うようにふるふると振って、『魔幻界』を見てゼロクアの方に向いた。




「その魔力は私が喰いますので、破壊をしないで下さいね」

「むー、わかったよぅ。早くしてよね」


 悪魔族であるゼロクアは高質な魔力と人間の恐怖という感情が大好物であり、破壊せずに喰うことによって、自分自身の力を高めることが出来る。





「さぁ、戦争の始まりだ」





 ゼロクアは一瞬で手の形を変えて、体長が一メートルもある『魔幻界』を包み込んで飲み込んだ。その手に包み込まれた『魔幻界』からバリッと音がした同時に結界が消滅したのだった…………








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