第百十九話 召喚者vsSSSランク冒険者
お待たせました!!
あと、また新しい小説を書いたのでそちらも宜しくです。『トンネルの向こうは異世界!?』になりますのでー^ - ^
生死の結界が張られている闘技場へ案内され、闘技場の中にはSSSランクの冒険者であるアドラー、ミズネ、ディアナ、ロームアの四人と召喚者である啓二、裕美、勲、彼方が立っている。
観戦席には、先程まで会議室にいた人の皆に、セイオリック天聖国の王様が座っていた。
「八人とも、悔いの無いように戦うように!!」
王様のガラードがそう宣言して、戦闘が始まった。だが、どちらも先に動かずに会話を始めた。
「全力でやるんだ、もし準備が必要なら待ってやるが?」
「ふふっ、その必要はありませんよ。むしろ、向こうが必要ではありませんか?」
まず、啓二の挑発だったが、アドラーは乗らなかった。他の三人も動かずにアドラーに任せていた。
アドラーが四人のリーダー的な存在なのか?と啓二は考えるが、誰がリーダーでもいいと頭から振り払う。
「二の陣形で行くぞ!!」
「いいよ!」
「わかった~、彼方は私の後ろにいてねー」
「は、はい!」
啓二と勲が前に出て、裕美が真ん中で彼方が一番後ろという形になった。陣形とは、前から決めてあったことで、皆の役割がある。
「うーん、見れば男が前衛で女が後衛といった感じだけど、それだけじゃないね。何せ、召喚者だから普通のことをしてくるとは思えないわね」
「そうだね!楽しみ!!」
「くだらん、さっさと倒せばいいだけだろう」
ディアナ、ミズネ、ロームアの順にアドラーの後ろから話をしていた。
観戦者からはSSSランクの冒険者の陣形はアドラーが前衛、他が後衛ねように見えるが…………
「やはり、舐めているな」
「まあ、こちらの実力は皆もわかっているし、今回で見たいのは召喚者の力だからね」
「だから、お前が一人で俺逹の相手をするわけか……」
青筋が浮かびそうになる啓二だったが、裕美からの念話で飛び出しそうな所で止められる。
(馬鹿!こちらは足手まといが一人いるんだから、舐められた方が楽にやれるのよ。ラッキーだと思いなさい!!)
(……チッ、わかったよ)
足手まといとは、彼方のことである。彼方のレベルはまだ50に近いから、これからの戦闘に目が追いつけない可能性があるのだ。
続いて、勲も念話を使って啓二と裕美の念話へ割り込む。
(そうだよ、ケイたんは正々堂々が好きなのはわかっているけど、今は絶対に負けられないのはわかるよね?)
(あぁ、魔王と戦うのは俺逹じゃないとな……。勝って先にエネルギーを手に入れやすくするために!)
啓二は既に『仲間意識』が発動しており、ステータスも格段に上がっている。それだけでも、召喚者の中では飛び抜けている実力だ。だが、『解析』の能力を持った人から聞いたが、四人のステータスは全く見えなかったと聞いた。
だから、啓二は未知数の相手に『仲間意識』だけでは心もとはない。仕方がないので、さらにギアを上げることに決めた。
「あっさりと終わるという結果にぬらないように祈っておくぜ。『全魔変換』発動!!」
啓二は、新たなスキルを発動した。魔力の分、筋力と俊敏のステータスに上乗せにする『全魔変換』をだ。
発動後、10分はこの状態を続けられるが、過ぎたら魔力を使い過ぎた時のように必ず気絶してしまう。
それ程にリスクがあるスキルだが、啓二は筋力と魔力は結構高めであり、その二つの数字が全て、筋力になったと考えれば、超特攻型の前衛として生きる。
「なっ!?」
アドラー達は啓二の姿が変わったことにより、驚いていた。今の啓二は、白いオーラを纏っていて、髪も赤く染まっていたのだから。
「最初から本気でやらせて貰う!!」
時間制限が出来たので、啓二は遊ぶつもりもなく、最初から全開でやることに。
右手を左手で抑えて腰に構える形で、力を溜めていた。
「死ね、”魂丸玉”ぁぁぁぁぁ!!」
抑えられていた右手が、拳が突き出されて、大きさが20メートルもある巨大で透明な玉が凄いスピードで拳から撃ち出された。それがSSSランクの冒険者達がいる場所へ向かっていったーーーー
ドバァァァァァン!!
啓二はSSSランクならこの程度は防ぐだろうと、次の技をやろうとしていたが…………
「は?」
煙が晴れて、SSSランクの冒険者達がいたはずの場所には…………
誰もいなかった。
そして、観戦席からさっき闘技場の中にいたSSSランクの冒険者が全員現れていた。つまり…………
「え?もう終わり?」
そう、裕美が言った通りにSSSランクの冒険者達は死んで、生死の結界から弾き出され、結果は啓二逹の勝利となったのだった…………




