第九十話 腹ペコの少女
遅くなり、すいません。
最近は、イラストの勉強や絵を書く練習もあって……
まだまだ実力は拙いので、人に見せられるだけの実力が欲しい所ですね。
とにかく、暇を見つけて投稿したいと思います!
倒れていた少女は今、山になっている飯を脇目を振らず、口に突っ込んでいた。輪廻達は呆れ、食べ終わるまでしばらく待ってあげるのだった。
少女が倒れていた理由は、森の中に入ったら道に迷って、腹が減って…………倒れていたと、満足そうな顔をして話してくれた。
「ここから湖まではそんなに離れてないと思うんだが…………」
森の中は目印もなく、獣道しかないから迷いそうな地形だが、目の前にいる人魚族の少女は魔境の湖に住んでいて、ここは庭のような物だと思っていたが、違うようだ。
「うーん、木に登って場所を確認してから歩いたんだけど、何故か遠ざかるんだよねー」
「お前は凄まじい方向音痴だな!?方向がわかるなら、簡単に帰れるんだろうが…………」
「てへっ」
人魚族の少女は舌を出して笑って誤魔化していた。少女は今、人間の姿をしていて、髪色はテミアと同じ水色で長くのばしている。お転婆のようなイメージが見える。
「ええと、ご飯をありがとうございましたー。お兄さん達はどうしてここに?もしかして、湖を目指しているの?」
「そうだ。俺は輪廻だ。仲間達はテミア、シエル、ルフェアと言う」
本人に指を指して、自己紹介をする。いつも通りに、輪廻が話をして、3人は黙って聞く体制でいる。
「あ、私はヘルメスと言うのー。人間の姿をしているけど…………、私は人魚族なの!!」
「知っている」
「ええっ!?驚かないのー、つまんない!!どうしてわかったのよー?」
ぶーと、たれるヘルメスに面倒そうな顔をするが説明することにする。
輪廻は鑑定を持っていることを教えてあげた。人魚族なのに、人間の姿に変われるのは、”変化”と言うスキルがあるのも見破っているとも話しておいた。
「鑑定って、いいスキルを持っているじゃない!!いいなー」
「まぁ、それはいいだろう。湖まで戻りたいなら、一緒に行くか?」
「いいの!?ぜ、ぜひ、お願いをしたい!!」
自分だけでは湖まで着かないと諦めているのか、輪廻からのその提案は助かることだった。
だが、輪廻は無料で助けるつもりはなく…………
「じゃあ、人魚族と半魚人族との掛け橋になってくれるか?」
「え、何か用があるの?……まさか、襲わないよね?」
「アホか、そうだったら、ここでお前を襲っているだろうが」
「それは確かに!!」
ヘルメスは、今、気付いたように手を叩く。少しだけの会話だったが、ヘルメスはアホな子だと、輪廻は判断していた。
「で、用があるのは紅龍王の方だが、人魚族と半魚人族は共生しているよな?そこから繋がりが欲しいってわけだ」
「ふむふむ」
「おい、理解しているよな?」
ヘルメスはわかったような顔で頷いているが、輪廻の目には騙されなかった。こいつ、絶対にわかってねぇな…………と理解したのた。
「いいや、人魚族と半魚人族の偉い奴を呼んでくればいいさ」
「それぐらいなら、簡単だよっ!!」
「さっきの話を理解をしていなかったな……」
溜息が出たくなる輪廻だったが、なんとかしてくれるようで、ヘルメスに頼んだぞと言って、湖がある方向へ向かう。
輪廻は戦うつもりで、ここに来たが、ヘルメスに出会ったおかげで、対話と言う手札が出来た。輪廻も戦わなく済むなら、その方が楽でいいのだから。
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ここは、魔境の湖。霧が掛かっていて、向こう側が見えない。この湖は一つの国と変わらない広さがあると聞いたことがあるから、霧がなくても向こうの岸までは見えないだろう。陸には、村一つも見えないことから、人魚族と半魚人族は湖の中に住んでいるで間違いないだろうと判断する。
「三日ぶりの湖だーーー!!」
ヘルメスはようやく湖に帰ることが出来て、喜んでいた。年相応で、子供のように跳び上がっている。
「まず、家族に会って話してくるから少しここで待っていて!!」
「ああ、俺達はここで待っているからな」
「うん!!」
ヘルメスは”変化”を解除して、二本の脚から水色に輝くヒレになって湖の中に潜って行った…………
「上手く行きますかな?」
「さあな?あのアホな子じゃ、上手く説明出来るか心配なんだが…………」
ヘルメスはアホな子と全員が理解しているので、何が起こっても対応出来るように、警戒を怠らないようにしている。
「ふぅむ、暇だのう」
「では、年増エルフを扱いてはどうですか?」
「私を生贄に捧げないでよ!?」
生贄にされたシエルがギャーギャーと騒いでいると…………
「何者だっ!?」
急に湖の中から顔がそれぞれの人間と魚を足して、半分にしたような生き物が現れたのだった。




