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アートバンビーノ  作者: 凩夏明野
第三章-疑心-
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独立不羈

「……は?」


アフリカで一暴れしてから一週間程経ったある日。

郵便受けに一封の封筒が投函されていた。。

中には一枚の書類が入っていて、バンビーノからの命令が書いてあった。

そして、久しぶりに来た書面に興されたバンビーノからの命令を見て俺は思わず声を上げた。

バンビーノ本部第一小隊の俺にではなく、独立暗殺部隊の俺に命令である。

内容は簡潔に、最近出来た宗教団体の教祖の暗殺。

暗殺自体は珍しい事ではない。

こういった宗教団体は便利ではあるが、その反面扱いにくい物だ。

使うだけ使って邪魔になれば排除。

よくある話だ。

俺が驚いたのは、これを依頼したのがバンビーノだという事だ。

大抵宗教団体を邪魔に思うのは政治家だったりするから、その筋が依頼してくるもんだ。

だというのにバンビーノが依頼してきた。

……深く考えるのは止めた方が良いんだろうが、リースロウから聞いた情報も相俟って気になってしまう。

それに、第一小隊にではなく俺個人に依頼してきたというのも引っ掛かる。

宗教団体の詳細についても書かれていないし。

バンビーノは何を考えてやがるんだ。


「まあいいか。」


何か裏があると勘繰りたくなる命令が書かれた書類をポケットに仕舞いながら、俺は家を出た。

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