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アートバンビーノ  作者: 凩夏明野
第二章-狩-
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阿弗利加旅行

「……いや爽君。確かに一杯持って来てねみたいな事は言ったけど、これは持って来すぎなんじゃないかな。それ下手すれば税関とかに引っ掛かるんじゃない?」


「はあ?バンビーノの飛行機で行くから問題ないんじゃねえか?」


「いや税関はバンビーノと関係ないし……。」


マラッティーアが動揺している所を初めて見た。

冷静沈着に見えるが、やっぱりガキはガキだな。


「まあいっか。お菓子そんなに好きなのかい?」


「このキャリーケースの中に入ってるのは何も菓子だけじゃねえぜ。カップ麺にインスタント味噌汁。こっちのクーラーボックスにはドライアイスと一緒に冷食が入ってる。」


「カップ麺にインスタント味噌汁に冷食?」


「言ってないから知らねえと思うが、俺は結構偏食なんだ。」


と、俺が暴露した所で雨がマラッティーアに何か耳打ちした。


「……何と言うか、君かなり甘やかされて育てられたんだね。」


「違うわ!色々トラウマがあんだよ!何言ったか知らんが適当な事を吹き込むな雨。」


「えー……。本当の事を言っただけだよ?」


馬鹿にしやがって……!

甘やかされた訳ではないのだ決して。


「あーはいはい。無駄話なら飛行機の中ですれば良いでしょ。早く行きましょうよボス。」


「そうだね。じゃあ皆、はぐれない様に付いてきてね。」




「あれれ……?」


どーしてこーなるの。

確かに付いてった筈なのに。


「どーして僕だけはぐれてるんだー!」


有り得ない有り得ない有り得ない!

こーいうのは多分雨ちゃんの本分でしょ。

僕がこーなるのはおかしい。

これはきっと罠なのだ。

政府もしくは僕の事が気に入らない誰かが仕組んだんだ。

前にテレビで見たもんね。


「都合が悪い事は全て政府の陰謀なのだー。」


「それは毎週火曜深夜26時28分から26時58分までやっている『ライターザン』の主人公の台詞だな!」


「!」


びくっり……じゃないびっくりした。


「……あんた誰?」


「ふむ!俺は千石(せんごく)勝汰(しょうた)!日本人だ!」


「……僕の独り言聞いてたの?」


「見たもんねとかぶつぶつ言っていたな!」


「あー……。」


何たる不覚。

僕の素は誰も知らなかったのに。


「さて!非常に申し訳ないがお前を殺す!」


「おまけにジェニトーレ……。はあ、もうやだ。」


顔に掌を付け下を向く。

そう、そして決め言葉はこれ。


「仕方ない殺そ。」

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