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過労死したので今度こそスローライフしたいのに、僕の知識がこの世界に必要すぎるらしい  作者: 悠々


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第 52 話:信用の盾

「模倣品が出回るのであれば、本物と偽物を見分けるための『印』をつければいい」


緊急で招集された会議で、俺はそう宣言した。


「これより、アイゼンヴァルトで生産されるすべての製品に、『品質認証』の刻印を施す。この刻印があるものだけが、我々が品質を保証する本物である、と市場に知らしめるんだ」


「しかし、クラウス様。ただの刻印では、それすらも真似されてしまうのでは?」


リーゼが、的確な懸念を口にする。


「ああ。だから、誰にも真似できない、特別な意匠が必要になる」


俺は、宝飾職人とリーゼに、偽造困難な意匠の考案を命じた。


数日後、リーゼが持ってきたデザイン案を見て、俺は思わず唸った。


それは、アイゼンヴァルトの頭文字である「A」と、我々の象徴である「鉄床」と「森の若葉」を、極めて複雑な幾何学模様で組み合わせたものだった。一見すると美しい紋様だが、その線の一本一本が、特定の角度と長さで計算し尽くされている。これを正確に模倣するには、高度な数学的知識と、寸分の狂いも許さない彫金技術が必要だ。


「素晴らしい……。これなら、まず偽造は不可能だろう」


俺たちは、早速このデザインで認証印を作り、ゲルトの工房で打ち上がったばかりのナイフに、それを打ち込んだ。


ジュッ、という音と共に、鋼の表面に刻まれた美しい紋様。


それは、単なる飾りではない。


俺たちの技術と誇り、そして買い手の信用を守るための、何よりも強固な「信用の盾」だった。


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