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第 46 話:祭りの提案
一連の産業振興も一段落し、領地はかつてないほどの豊かさと安定を享受していた。
ある日の定例会議で、俺は一つの提案をした。
「――建領祭を開こうと思う」
俺の言葉に、ゲルトやバランをはじめとする部長たちは、きょとんとした顔をした。
「これまでの皆の努力を祝い、俺たちが自らの手で掴み取ったこの豊かさを、領民全員で分かち合うための祭りだ」
「祭り、ですか……。素晴らしいですが、費用が……」
真っ先に懸念を示したのは、やはりリーゼだった。彼女は、CFO として常に現実的な視点を忘れない。
俺は、彼女に優しく微笑みかけた。
「これも、未来への投資だよ、リーゼ。この祭りは、領民たちの郷土への誇りを育む。そして、俺たちの技術と産物を、領地の外へアピールする絶好の機会にもなる。新たな商機を生むための、最高のプレゼンテーションだ」
俺の言葉に、リーゼは少し顔を赤らめながらも、こくりと頷いた。彼女はもう、俺の言う「投資」や「費用対効果」の意味を、誰よりも深く理解してくれている。
「わかりました。最高の祭りにしましょう!」
彼女の力強い言葉を合図に、アイゼンヴァルト領の総力を挙げた、初めての祭りの準備が始まった。




