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過労死したので今度こそスローライフしたいのに、僕の知識がこの世界に必要すぎるらしい  作者: 悠々


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第 24 話:弱者の同盟

グライフェン男爵の妨害に対し、俺は武力ではなく、連携という道を選んだ。


「リーゼ、周辺の地図を。特に、グライフェン領と同じように、旧来の貴族から圧力を受けている、小規模な領地をリストアップしてくれ」


俺の指示に、リーゼはすぐに意図を察したようだった。彼女が広げた地図の上には、アイゼンヴァルト領と同じように、豊かな大領地に囲まれた、いくつかの小さな領地が点在していた。


「彼らも、我々と同じ悩みを抱えているはずだ。不当な通行料、買い叩かれる産物……。一人では無力でも、数が集まれば話は別だ」


俺は、それらの領地すべてに使者を送った。招待状には、こう記した。


「来る満月の日、アイゼンヴァルト領にて、ささやかな宴を開きたく存じます。議題は、『弱者が強者と渡り合うための方策』について」



満月の日。領主の館には、三人の弱小領主たちが、不安げな面持ちで集まっていた。彼らは、俺の突飛な提案に、半信半疑といった様子だ。


俺は、彼らの前に一枚の羊皮紙を広げた。それは、リーゼが作成した、共同で新たな交易路を開発した場合の、詳細なシミュレーションだった。


「この計画では、各領地の特産品を共同で出荷し、利益は出資額に応じて公平に分配します。警備も共同で行う。そうすれば、グライフェン領のような妨害を受けることなく、我々の産物を正当な価格で市場に届けることができる」


俺が提示したのは、夢物語ではない。具体的な数字とデータに裏打ちされた、実現可能な計画だった。


最初は疑いの目を向けていた領主たちの顔が、次第に変わっていく。彼らの瞳に、希望の光が灯り始めた。


「……我々も、その話、乗らせていただきたい」


一人がそう言うと、他の二人も力強く頷いた。


それは、歴史にも残らない、小さな領地たちが手を取り合った、ささやかな同盟の誕生。


だが、この「弱者の同盟」こそが、旧態依然としたこの地方の勢力図を、根底から塗り替える一歩となるのだった。


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