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過労死したので今度こそスローライフしたいのに、僕の知識がこの世界に必要すぎるらしい  作者: 悠々


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第 19 話:独占契約

静寂を破ったのは、ある商人の甲高い声だった。


「そ、そのナイフ、銀貨五枚で買おう! いや、六枚だ!」


その声を皮切りに、商人たちは色めき立ち、我先にと俺に群がってきた。


「わしには七枚で売ってくれ!」

「いや、俺が銀貨十枚出す!」


さっきまでの侮蔑はどこへやら、彼らの目は血走り、目の前の宝を奪い合おうと必死だった。隣では、ゲルトが呆然と、そして誇らしげにその光景を眺めている。


俺は、騒ぐ商人たちを手で制した。


「静かに。俺は、この鋼を安売りするつもりはない」


俺は、顔面蒼白になっているギルド長に向き直った。彼は、この町で最も力を持つ商人だ。交渉相手は、彼一人でいい。


「ギルド長。改めて、商談を続けましょうか」


俺は、彼にしか聞こえない声で囁いた。


「俺が売りたいのは、このナイフや鍬だけではない。この『アイゼンヴァルト鋼』というブランドそのものだ。あなたには、この町における独占販売権を与えよう。その代わり、こちらの提示する価格を飲み、長期的な契約を結んでもらう」


独占販売権。その言葉に、ギルド長の目がギラリと光った。商人としての本能が、この提案に秘められた莫大な利益を嗅ぎ取ったのだろう。


「……よろしいでしょう。契約、結ばせていただきます」


彼は、震える声で答えた。


こうして、俺たちはアイゼンヴァルト鋼の価値を市場に認めさせ、安定した販路と、正当な利益を確保することに成功した。それは、ただの物売りではない。俺たちの技術と誇りを、未来へと繋ぐための、重要な一歩だった。


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