伝えるべきこと
数時間後近くのショッピングモールで1人佇む凪斗。そんな彼に1人の女性が声をかける。もちろん莉波だ。
「凪斗くん…」
改めて目を合わせる2人。これまで何度か2人で会ってるはずなのに妙な初々しさがある。2人は顔を赤くする。赤面状態のまま凪斗が話を始めた。
「あのっ…さっきはお騒がせしてすみませんでした。」
深々と頭を下げる凪斗。その様子をみて少し冷静になる莉波。
「ホントだよもう。あれから色んな人に茶化されたんだからね!しばらく続きそう…それに…」
また少し顔を赤くする莉波。
「何で…もっと早く下の名前で呼んでくれなかったの?」
「えっ…?」
顔を上げる凪斗。莉波の顔が少し赤いことに気がつく。
「今まで十文字さんってずっと苗字呼びだったじゃない。それを何であのタイミングで急に…」
「それは…その…勢いというか、その方が恋人らしいかなと思ったというか…」
「だったら今までもそう呼んでくれたらよかったじゃない…」
「すみません…」
しばらく沈黙する2人。莉波が少し小声で話し始めた。
「ホントなの…?」
「えっ?」
うまく聞き取れずに聞き返す凪斗。莉波の顔がますます赤くなる。
「だーかーらー、さっき言ってくれたことはホントなの?」
それを聞いて凪斗は意を決した表情になり、半歩莉波に近づいた。
「…本当です。あれが僕の気持ちです。」
莉波は更に顔を赤くする。恥ずかしさで凪斗に目を合わせられない。
「…私でいいの?」
「私がいいんです。」
「5つも上だよ?」
「関係ありません。」
凪斗は更に近づく。
「絶対幸せにします。俺と付き合ってください。」
2人の緊張は最高潮だ。またしばらく沈黙が続きようやく莉波が凪斗の目を見る。
「…じゃあ、お願いします。」
その言葉を聞いた凪斗は思わず莉波を抱きしめた。しばらくして目が合う2人。そのまま目を閉じ顔を近づける。
満月が2人の口付けを照らす。
先ほど感じた人生最大の熱はこの瞬間再び更新された。




