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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勘違い魔術師の冒険譚

作者: 468◇

筋肉無双系の短編小説です。なんちゃって化学要素が含まれています。

アッシム王国の南部に位置するハジマリーノ村。

ある日、この村に3人の冒険者が訪れた。

熊ほどもある身の丈にマントを身に着け、鈍く輝く長杖ワンドを持つ少年。

槌鉾(メイス)を提げ、青い髪と大きな背嚢が目立つ少女。

意匠の凝った弓を背負い、横に突き出た長い耳をもつ少女。

それぞれがよく目立つ3人だが、王国の冒険者ギルドで“気まぐれな空”というパーティーを組んでいる仲間なのだ。

「オルガスの街から依頼を受けて来ました、Dランクパーティーの気まぐれな空です。」

パーティーリーダーのサニーが村人に声を掛けた。

「おぉ、ありがとうございます。村長の家まで案内いたします。」

村人に案内されて村の中を進み、一際立派な家に案内された。

「おーい!村長!冒険者の方々が来てくれたぞ!」

家の奥から腰の曲がった白髪の老人が杖をつきながら出てきた。

「おお、あなた方がオルガスの街から来た冒険者ですかな?儂はこの村の村長をしているアラーノと申しますじゃ。こんな所までご足労いただきありがとうございますじゃ。」

「ギルドから家畜を襲う魔狼(デモンウルフ)の群れの討伐依頼を受けました。そのことについて詳しい話を聞かせていただけますか?」

サニーは依頼の詳細を尋ねる。

「うむ、大体2週間ほど前から家畜が襲われる被害が出始めたのじゃ。最初の1週間は鶏が数羽やられただけじゃったんじゃが、それから山羊を4頭もやられてしもうた。見張りを増やして警戒しとるからか、ここ数日は襲われとらんのじゃが、安心したいんじゃ。」

「おおよその数はわかりますか?」

「食われた山羊の数から考えれば、5体から10体ほどではないかと思いますじゃ。」

「わかりました。明日の朝から森に入って魔狼の群れを探します。どなたかあの山に詳しい方をおひとり貸していただけますか?」

「えぇ。それでは儂の息子を連れて行ってくだされ。あいつは狩りの経験もありますから、邪魔にはならんでしょう。」

「ありがとうございます。では明日の朝、お借りします。」

次の日、村長宅にて、村長の息子を紹介された。

「こやつは儂の息子で、アランと言いますじゃ。」

「おう、アランだ。よろしくな。普段は畑で働いてるんだが、たまに山で狩りをすることがあってな。道案内は任せてくれ。」

「よろしくお願いします、アランさん。俺はサニーです。このパーティーのリーダーで、魔術師をしてます。」

「私はレインと申します。僧侶です。アランさんもけがをしたら遠慮なくいってくださいね。」

「あたしはクラウディア!見ての通り弓使いよ!さっさとワンちゃんたちを退治して村に戻りましょ!」

「へぇ!?サニー君は魔術師なのか?その体つきだし、てっきり前衛だと思ってたよ。そうなると3人とも後衛職かい?そしたら隠れて一頭ずつ仕留めていく感じになるかね。」

「いえ、俺は前に出て戦うタイプの魔術師なんですよ。なので魔狼を見かけたら距離を詰めて戦います!」

「へぇ、すごいね。じゃあ接近戦でも問題ないのか。」

「はい、任せてください!そっちの2人もとても強いんですよ!」

「ほうほう。それは頼もしいな。それじゃよろしく頼むよ!」

自己紹介を終えた4人は、雑談をはさみながらもアランの道案内で森の中に入った。

「君らはDランクなんだったか?冒険者ランクはFから始まることを考えると、もう一人前の冒険者なんだな。結構若そうに見えるのにすごいなぁ。」

「ありがとうございます!俺たち、活躍しまくってAランクになるのが目標なんですよ!」

「Aランクといやぁ、実質的に冒険者の最高ランクじゃねえか。でかい目標持ってんなぁ!」

「あたしたちならなれるって信じてんのよ!」

「アランさんは冒険者についてお詳しいのですね。ご経験が?」

「あぁ、昔ちょっとだけやってたことがあってな。まぁDランクに上がってすぐに死にかけて、怖くなってやめちまったんだけどな。」

4人で話しながら暫く進んでいると、クラウディアが皆を止めてささやく。

「いた。あそこよ。」

彼女の指さす方向を見ると、真っ黒な毛皮に包まれた魔狼の群れがいるのが分かった。

魔狼の群れはまだこちらに気が付いていないようで、日陰でじっと休んでいる。

「いつも通り俺が前でクラウディアが後ろ。レインはアランさんと一緒に俺たちの間に入って援護してくれ。」

そう言い残し、サニーが飛び出す。

彼が杖の下の端を持つように握りなおすと、ピンクや黄色など様々な色のキラキラした光の粒が杖からあふれ出す。

そのまま近くにいた魔狼に接近し、短い呪文を唱える。

「[マジカル...]」

そして、杖を後ろに引き....

「[スイング]!!!」

振り抜いた杖は先頭にいた魔狼の頭をとらえ、吹き飛ばしたのだった。

「......へ?」

「次、2体が向かってきます!」「左のは任せたよ、サニー!」

何が起こったのか理解できないアランをよそに、気まぐれな空の3人は巧みな連携で魔狼を処理していく。

「サニー君!1頭回り込んでます!」

1頭の魔狼が突っ込んだサニーの後方に回り込もうとするが、

「[障壁(プロテクション)]!」

レインの障壁の祈りによって弾かれる。そして、

「[マジカル・キック]!」

弾かれた魔狼の首筋にサニーの蹴りがめり込む。

吹き飛ばされた魔狼はピクリとも動かなくなった。

一連の動きを見ていた最後の魔狼は、くるりと方向を変えると、森の奥へと逃げていく。

クラウディアが矢を射かけるが、木々の間を縫うように逃げられ、外れてしまう。

「ちっ!すまんサニー、任せる!」

「任された!」

サニーは杖に魔力を込める。光り輝く杖を振りかぶり狙いをつけると、

「[マジカル・ジャベリン]!!!」

サニーの投げた杖は、光の粒を振り撒きながら逃げる魔狼の腹を貫き、そのまま奥の木に縫い付けた。

...

..

.

「ふぅ、これで全部かな。」

サニーが杖を引き抜くと、魔狼はドサリと倒れた。

「お疲れ様です、サニー君。怪我はなさそうですね。」

「ごめんな、最後のはあたしがやるべきだったのに。」

「気にすんなよ、何とか全部倒せたし!」

群れを処理し声を掛け合う3人だったが、ようやくアランが正気に戻る。

「ちょっとまてぇぇぇぇぇぇい!!!!!」

ぎょっとする3人にアランはまくし立てた。

「なんだよさっきのは!なんか魔法っぽいキラキラは出てたけど!こん棒でぶん殴って、ローキックかまして、最後はやり投げじゃん!!!魔術師じゃねえじゃん!戦士とか格闘家の戦い方じゃん!!!」

「お、落ち着いてくださいアランさん。サニー君は自分に付与魔術を掛けるのが得意なんです!」

「サニーは攻撃魔法を使うタイプじゃないからな~。初見だとびっくりするんじゃない?」

「まぁ俺は身体強化とか攻撃力増強とかの魔術を使うタイプですから。あと、これはこん棒じゃなくて長杖です。頑丈な鋼の棒材に魔力の通りがいい白檀の芯を入れた特別製なんですよ!」

三者三葉の反応を返すが、アランのツッコミは止まらない。

「長杖に頑丈さはいらねぇよ!ぶん殴る用で特注してんじゃねぇ!!普通はオール木製で魔石を飾るぐらいだろうが!あと武器を投げんな!!杖は魔術師の命だろ!!手放しちまったら魔術の効果が弱まるだろうよ!!」

さんざん叫び散らかしたアランは肩で息をしながら黙ってしまった。

「あ~、それがなんか俺の魔法は杖がなくても効果が落ちないんですよね!不思議ですね!!なんで最悪、杖がなくても大丈夫なんです!」

サニーの冗談なのか本気で言ってるのかわからない言い訳を聞いたアランは、

(ん?ってことは素手でとんでもなく強い魔術が使えるバケモノか、杖を使ったところでほとんど魔術が使えないクソザコかの二択じゃ...?)

と考えたが、これ以上言っても意味がなさそうだったのでスルーすることにした。

魔狼を狩り終わった4人が帰ろうとしていると、

「ギャオォォォォォ!!!!」

森の奥から木々が震えるほどの大きな叫び声が響いてきた。

「今のは!?」

サニーが叫び、3人も警戒態勢に入る。

「やばいかも、結構な数が走ってきてる音が聞こえる。20体くらい。しかも1体デカいのがいるっぽい。」

クラウディアが報告する。その声は落ち着いているが、焦りからか彼女の額からは汗があふれていた。

「20体!?そんなまさか...! Dランクじゃどうしようもない!早く帰るんだ!」

パニックに陥るアランに対し、3人は努めて冷静に作戦を立てる。

「二人とも、もう撤退はできないだろうし、戦おうと思うんだけど。」

「同感です。すでに補足されている以上、逃げても無駄ですね。最悪、村にまで被害が出ます。」

「レインはアランさんを死守して頂戴。あたしは木の上からサニーを援護するわ。」

「オッケー、じゃあ覚悟を決めるぞ!」

クラウディアはサニーが射線に入らないように木に登り、レインはアランの前に立つと、障壁の祝詞を唱え始めた。

そこに魔狼の群れが迫ってくるのが見える。その数は先ほどの3倍は優に超えていた。

さらに群れの最奥には一際大きく、真っ白な毛皮を纏った個体がこちらを眺めていた。

(あいつが群れのボスか?司令塔タイプは厄介だな...)

群れを観察しながら、サニーは指示を出す。

「クラウディア!小さい奴らにどんどん射ちまくれ!注意は俺がひきつける!」

指示を受け、クラウディアはボス狼を避けながら矢を射かける。3体ほどは矢を受け動かなくなったが、残りの狼は木の上のクラウディアを襲おうとしている。

そこでサニーは喉に魔力を込めると、全力で叫んだ。

「[挑発(タウント)]!!うおぉぉぉぉぉ!!!!!」

森を震わせるほどの大声を上げたことで、魔狼たちは驚き足を止める。そんな隙を彼女は見逃さず、またしても数頭が射抜かれた。

ようやく立ち直り、魔狼たちはサニーを殺そうと詰めてくる。が、

「マジカル・スイング!」「マジカル・パンチ!!」「マジカル・キック!!」

近づいた端からサニーの魔術(を掛けた格闘術)によって吹き飛ばされていく。

もう一頭しとめようと、杖を振りかぶったその時、

「っっ!!あっぶねぇ!!こいつ魔術で気配を消せるのか!」

目を離した一瞬のうちにボス狼の鋭い爪が迫っていたのを、間一髪で躱した。

バックステップで距離を取りボス狼とにらみ合うと、またしてもほかの魔狼がクラウディアを狙うため、もう一度注意を引く。

「[挑発]!こっちを見ろぉぉ!!!」

再び足を止める魔狼たち。だが、挑発は繰り返すほど効果が落ちてしまう。

内心焦るサニーを前に、ボス狼はじっと彼を見つめ、考えていた。

(なんなのだこいつは。奴の大声によって仲間が恐慌状態になっている。我の指示も通らん。怖い。なぜだ、なぜ...

我らはろくに魔術も使えんような雑魚に怯んでいるのだ!!!)

ボス狼は気配遮断の魔術を使うことができた。そのため、サニーの本質に気が付いていた。


そう、サニーはほとんど魔術が使えなかった。

本人や仲間二人は全く気が付いていないが、サニーの使っている魔術は身体強化などではなく“なんかキラキラするエフェクトを生成する”程度のものだったのだ。

今までサニーが身体強化を込めて殴っていると思っていた攻撃は、鍛え上げた彼自身の()()と身体強化が使えていると思い込んだ()()()によって繰り出される、圧倒的で一方的な()()であった。

「こいつっ!」

サニーの振るう長杖と、ボス狼の繰り出す爪が激しく交錯する。

噛みつきを躱し、蹴り上げようとするが、素早く避けられる。

実力は拮抗しているように見えるが、魔獣と人間では体力に大きな差がある。時間を掛けるほどサニーが不利になることは明らかだった。

自分の不利を悟ったサニーは、“切り札”を使うことを決意した。

「レイン、クラウディア!“切り札”を使う!離れろ!!」

「わ、わかりました!」

「っ!わかったわ!」

仲間たちが離れる音を聞きながら、サニーは長杖を構えなおす。

握り位置は杖の最下端。もっとも遠心力を活かせる位置である。

「いくぞ...![戦意高揚(ハイテンション)]!!」


通常、戦意高揚は対象者の全身を魔力で覆うことで攻撃力を大幅に底上げする効果がある。

しかし、サニーの奥の手は魔力を体内に巡らせることによって作用する。



サニーの体内で、アドレナリン及びβエンドルフィンの生成が促進される。

アドレナリンによって心拍数が急激に上昇し、全身の筋肉へ大量の酸素が供給される。瞳孔は拡張し、世界に光が溢れる。

さらに、βエンドルフィンによって痛覚が緩和、多幸感が生じる。

これが“なんかキラキラする魔術”を除いて唯一サニーが使える魔術、戦意高揚であった。



「うぉぉぉ!!きたきたきたきたぁ!!!」

脳内麻薬の過剰分泌により、サニーは完全にぶっ飛んでいた。

「へいへいへ~い!かかって来いよワンころぉ!」

長杖を振り回し、魔狼たちを煽りまくるサニー。

その瞬間、魔狼たちの理性は弾け飛んだ。

「ガァァァァ!!」「グルルルゥゥ!!」「ブルゥゥゥゥ!!!」

吠え声を上げながら襲い掛かってくる魔獣たちだったが、サニーの目にはスローモーションで動いているように見えた。

全身からキラキラをまき散らしながら叫ぶ。

「いくぜぇ!奥義![スーパー・マジカル・ハリケーン]!!!」

近づく魔狼に、フルスイングした長杖が直撃。ドーピングによって身体能力のリミッターを解除したサニーの一撃が、魔狼の脳漿を吹き飛ばす。

サニーは勢いそのまま、ぐるりと回転する。

木の陰に隠れて回避しようとした一頭は、隠れた木ごと粉砕された。

どんどんと回転が加速していくことで筋力に遠心力が加わり、サニーの周囲に円形のキルゾーンが生じる。

「おりゃおりゃおりゃ~~!!!」

ぼぐっ ぐちゃり ぱちゅん

魔狼たちも噛みつき、爪を立て反撃をするが、痛覚の鈍ったサニーは動じることなく回転を続ける。

瞬く間に10頭を超える魔狼がひき肉へと姿を変えたのを見たボス狼はこの場からの撤退を決めた。

(こ、こんなところで死ぬわけにはいかん!もっと仲間を増やして、次は確実に殺してやる!!そのためにも、一度引くしかあるまい...)

わずかな生き残りの魔狼と共に、森の奥へ引き返そうとしたボス狼、

しかし次の瞬間にはその腹に大きな穴が開いていた。

「お前だけは逃がすわけないだろ![スーパー・マジカル・ジャベリン]!!」

ボス狼が最後に見たのは、長杖を手離したサニーの姿だった。

群れのリーダーを失った生き残りの魔狼たちは散り散りになって森の奥へと逃げ帰っていった。

脅威が去ったと同時に、戦意高揚が解けたサニーはその場に崩れ落ちる。

「うぐぐぐぐ....!」

本来の身体能力の限界を超えて戦闘を行ったことで、全身の筋肉がちぎれかけ、痛覚が戻ったことで激痛に襲われていた。

なんとか懐に入れていたポーションを飲むと、体を起こし木にもたれかかる。

「あー、くっそ痛ぇ...」

そのまま休んでいると、クラウディアが戻ってきた。

「お~い、サニー無事か~?」

「ん、なんとか。杖がどっか行っちゃったよ。」

「はいはい、探してくるからちょっと待ってて。」

少し間をあけて、レインとアランも戻ってきた。

「ほんとに倒しちまったのか...あんたすげえ強い魔術師だな。俺はぜってぇここで死ぬと思ったよ。ありがとう。あんたは命の恩人だ。」

「サニー君がいなければ死んでましたね。」

レインに回復の祈りを掛けてもらい、村へと引き返す。

「サニー君。無茶をしなければならなかったことは理解していますが、もう少し怪我を抑えた戦い方ができたはずですよ。」

「お、おう...次からはもっと気を付ける...ます。」

にっこりと笑いながらそう告げるレインに、なぜか汗の止まらないサニーであった。


村へと戻り、村長に討伐報告をする3人。

「おぉ!もう魔狼の群れを討伐してくださったのですか!」

村長は驚きの表情で3人を見つめる。

「はい。群れを率いていたボス狼を含めかなりの数を狩ったので、しばらくは安全だと思います。」

「これがボスの頭よ!」

クラウディアがボス狼の頭を掲げると、村人たちから歓声が上がった。

「ありがとうございます!!これで村の皆も安心して過ごせます!!」

「こちらが依頼の達成証明でございますじゃ。」

サニーたちは村長から達成証明を受け取り、オルガスの街へと帰っていった。


=====


その後、冒険者ギルドオルガス支部にて...

「気まぐれな空の皆さんですね。達成証明を確認いたします。」

「これです。」

「依頼内容は魔狼の群れの討伐でしたね。毛皮などの素材をお持ちでしたら買い取りもできますがどうされますか?」

「お願いします!」

そういってサニーたちが取り出した毛皮を見るなり、慌て始める受付嬢。

「えっ!?こ、この毛皮はどこで手に入れたんですか!?」

受付嬢はボス狼の毛皮を指さし、尋ねてくる。

「あぁ、群れのボスですね。なんか気配を消せるみたいでめちゃくちゃ強かったです。」

「ええぇぇぇぇぇぇ!?サニーさんたちが討伐したんですか!?」

「?はい、周りの奴らよりでかいし白いんで変異種ですかね?」

「違います!これは魔狼の上位種、冥狼(ドゥームウルフ)ですよ!!冥狼が率いる群れは討伐推奨ランクCなんですよ!!一歩間違えれば死んでましたよ!!」

「そ、そうなんですか!?」

「そうなんです!!今回はイレギュラーのようなのでギルドマスターへの報告も必要ですし、はぁ...あなたたちと関わると毎回大変な目に...」

「そろそろ許してちょうだいよ。それより報酬は~?」

「クラウディアさん... はい。達成報酬と冥狼の毛皮の代金、合わせて銀貨7枚です。」

「やった~!サニー、早くお酒飲みに行くわよ!」

「まだランチセットが食べられるはずです。急ぎましょう!」

「おうっ!行こう!!」

「あぁっ!ちょっと!あとでギルドマスターへの報告が必要ですから、食べ終わったら帰ってきてください~!!」


受付嬢の悲痛な声を背に受けながら、三人は銀貨を握りしめ食堂へと走っていくのだった。



-完-

ここまで読んでくださりありがとうございます!評価、感想などいただけると執筆の励みになります!!


※以下作者コメント

はじめまして、468◇(ヨーロッパしかく)と申します。本作は初投稿作品です。以前からなろう小説を拝読しており、今回勇気を出して執筆に挑戦してみました。もしこの作品の受けが良ければ、連載にも挑戦してみようと考えています。

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