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第90話 ピジョンの資金源

ここから三章です。

でも、少し間がおかしいので、いずれ補完しようと思います。

 グリムとフェスタはアイテム屋デンショバトにやって来た。

 最近は冒険に行かない時は、いつもここに来ている気がする。

 本当はこんな入り浸るのは良くないはずだ。

 けれど慣れて来ると居心地も少しずつ解消されていき、ピジョンの最新情報もあってか、かなり理に適っていた。


「今日も来ちゃったけどいいのかな?」

「いいと思うよー? だってピジョンって寛大でしょ?」

「フェスタ、ピジョンの寛大さに甘えてたらダメだよ」

「でも来ちゃったけどー? どうする、入る?」


 流石に自分で言ってしまった手前、グリムは迷ってしまった。

 ピジョンにとっても店の繁盛を兼ねているのにここまで成果が出ないと失望しているかもしれない。

 そんな私達がのこのこやって来るのは不謹慎に当たると密かに感じてしまい、今日は止めておくことにした。


「今日は止めておくよ」

「そっかー。じゃあ冒険に行こう!」


 グリムとフェスタはほぼ誰も歩いていない十字路を曲がろうとした。

 このまま反対側の大通りに出ようとする。

 けれどそんなグリム達を引き止める声が上がった。もちろんピジョンだ。


「待ってください! 帰らないでください!」


 ドーン! と扉が開かれた。

 何事かと思い振り返ると、そこにはピジョンの姿がある。

 如何にもグリム達のことを招きたがっていた。


「ピジョン、帰る必要はないの?」

「もちろんです! 誰もお客さんが来てくれないので暇なんですよ!」


 あまりにも嘆かわしい誘い文句だった。

 グリムもフェスタも何と言ったら分からない。

 表情を顰めると、ぎこちない笑顔を浮かべてしまった。

 それほどピジョンの心境を察すると辛いものが込み上げてきてしまい、ここはピジョンのことを讃えようと、ありがたく店に通された。


「こんにちは」

「ちわーすっ。って、やっぱり誰もいなっ!」

「フェスタ、本人の前だよ」


 グリムのいい方にも如何かあった。しかしグリム自身、自分の言葉の棘に気が付いてはいた。

 けれどピジョンは慣れ切ってしまったのか、もはや何の反論もない。

 のらりくらりと見せの中へ戻ると、「ふぅ」と呼吸を一つ整える。

 心の中のモヤモヤが大きな塊になると、ピジョンはとろんとした目で尋ねた。


「そう言えばお二人はギルドを作られたんですよね? おめでとうございます!」


 ピジョンはグリム達のことを讃えた。

 拍手喝采で祝ってくれると、何処からともなく取り出したクラッカーを鳴らす。

 パーン! と中に入っていた火薬が弾け、中に入っていた金色の紙吹雪が風圧で吹き飛んだ。


「ありがとうピジョン」

「どうもー」


 グリムとフェスタは素直に喜んだ。

 まさか祝われると思っていなかったので、普通に嬉しかった。

 それにしてもかなり良いクラッカーを作ってくれたみたいだけど、もしかして余っているのだろうか? それともわざわざこのために? それなら資金源は何処から? 色んな思考が脳内を邪魔する。


「あはは、ピジョンクラッカーまで用意してたんだ。凄いねー」

「本当そうだね。もしかして前以って?」

「あっ、私がギルドを組んだ時にパーティーをしたんですけど、その時の余りなんです。すみません」


 まさかの事実に衝撃を受けた。どうせなら言われない方が良かった。

 だけど訊いてしまったのはグリム達の責任だ。

 グサリと来るものを感じつつも、言葉の中にあった引っかかりをグリムは見逃さない。

 

「そう言えばさ、ピジョンはさー、どんなギルドを組んだのー?」


 早速フェスタが追及してくれた。

 グリムも同じところに引っかかりを感じていて、間髪入れずに聞こうと思っていた。

 けれどフェスタのおかげでその必要も無くなると、ピジョンは楽しそうに話してくれる。


「私達が組んだギルドですか! えっと、同じ大学の友達で、私と鍛冶師の子と後二人、獣耳の子と弓っ子です」

「「キャラ濃い」」


 ピジョンは楽しそうに話してくれたが、グリムとフェスタは同じ感想が出てしまった。

 そりゃこの世界はゲームだ。だから何でも有りだ。

 けれどまとまりが薄いと言うべきか、それぞれの個性が爆発しているというべきか、アバウトなピジョンの紹介だと、どんな人達なのか想像が付かない。


「凄い人達なんだね。それで、今その人達は?」

「鍛冶師の子は武具作り。後の二人は冒険中かな?」

「役割分担がしっかり取れているんだ。もしかしてこの店が保ってるのは……」

「そう、みんなのおかげです!」


 ピジョンは楽しそうに笑みを浮かべた。

 一体どんな人達なのか、いつか会ってみたいとグリムは感じた。

 それにしてもギルドネームはまだ聴いていなかった。グリムはピジョンにギルドネームを尋ねてみる。


「そう言えば、ピジョン達のギルドネームってなに?」

「ギルドネームですか? ふふっ、その名も〈《デンショバト》〉です」

「「〈《デンショバト》〉?」」


 うん、カッコよくはない。グリムとピジョンは口にできなかった。

 しかし表情だけは整えておいて、なるほどと頷くのだった。

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