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第85話 角岩の怪物2

サイのモンスターって、あまり見かけませんよね?

角が大剣みたいに大きかったらカッコいいのにと思って作りました。

 イシヘンライノスを目の前にしてグリムは一切負ける気はしない。

 むしろ最初から勝つことしか考えておらず、大鎌を振り上げた。

 グルングルンと湾曲した刃が空を裂く。

 如何にも負ける未来が見えないので、グリムはフェスタとDを激励し気持ちを昂らせた。


「それじゃあフェスタ、D。倒しに行くよ!」


 あまりにも漠然としていた。

 そのせいで信憑性が強烈に薄い。

 だけど前に出てしまった手前、フェスタとDは瞬きを繰り返した。


「マジで行ってるのー? やるけどさー」

「グリムさん、本当に勝てるんですか?」


 フェスタは大剣を構え、膝を落とした。

 対してDは不安が脳を支配してしまい、足が竦んでしまう。

 そんな中、グリムは二人に言葉を掛ける。


「もちろん勝てない相手は無いって、このゲームの運営が言ってるでしょ?」


 グリムは本気で信じていた。もちろん周知の事実だった。

 けれどフェスタとDには倒せる未来が見えてこない。

 けれど戦う術を持っているのだから、グリムの横に並び立つ。


「分かりました。私も頑張ります」

「ありがとう二人とも。それじゃあ作戦は無いけど、いつも通り方を付けようか」


 グリムとフェスタは大鎌と大剣を突き出す。

 Dは離れた位置から二人の援護をすることにした。


「いざとなったら私のところに来てください。全力で守ります」

「OK……それじゃあ、行ってみようかー」

「もちろんだよ。そりゃぁ!」


 グリムは先制攻撃を喰らわせるべく、イシヘンライノスの前脚を湾曲した刃で切り裂く。

 角のせいか動きがかなり鈍い。攻撃は確実に喰らってHPを削ることはできた。

 けれどほんのミリレベルの話で、お世辞にも決定打には近くない。

 むしろ信じられないくらい硬い皮膚のせいで、腕に痛みが走っていた。


「くっ……硬い」

「それなら、私の出番だね。うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 フェスタとスイッチした。

 大剣を天高く掲げ、腹から声を出しながら突っ込む。

 大振りの一撃が確実にダメージを与えに行くのだが、イシヘンライノスも警戒していたのか、角を使って跳ね返しにかかった。


「嘘でしょ、私にはそれなのー!」


 フェスタは苦悶の表情を浮かべながら吹き飛ばされてしまった。

 大剣で何とか受け止めたものの、HPが微かに削られる。

 すぐさま回復ポーションを飲んで回復するが、フェスタは完全に警戒されていて役に立たないと知らしめられた。


「もう、私とは相手してくれないんだけどー」

「それはフェスタが強いってことの根拠だよ。だけど私も負けないけどね!」


 大鎌を握りしめると、イシヘンライノスの横っ腹目掛けて叩き付ける。

 ゴーン! 腕を伝うのは衝撃による痙攣。

 ダメージは全然無いらしく、流石に傷付いてしまった。


「き、効いてないんですか……」

「そうみたいだね。だけどまだ手はあるよ」


 Dの不安が声と一緒に伝わってしまった。

 けれどグリムはイシヘンライノスの足を掠め取るように湾曲した刃を叩き付けた。

 流石に体重が掛かるここは弱いはずだ。けれどイシヘンライノスはいたがる素振りを見せる程度で、グリムなんて敵でも無い様子だ。


「あはは、無視されるのは流石に傷付くな……だったら、力付くでも私のことを見てもらうようにするよ」


 落ちていた石ころを取ると、グリムはイシヘンライノスの左目に向かって投げつけた。

 けれど瞬きをされてしまって防がれる。

 むしろ好都合だ。目を瞑ったその一瞬、それこそが隙になり、グリムが顔目掛けて大鎌を振り下ろすチャンスに繋がる。


「掛かったね! そらぁ」


 大鎌を振り下ろし、イシヘンライノスの目を切り裂こうとした。

 けれどイシヘンライノスは重たい体を捻りながら、ようやく角による反撃をグリムにも行う。それ即ち敵として脅威として微かに見られた合図だ。


「私に攻撃の矛先を向けるなら……容赦しないよ」


 振り下ろした大鎌が角に触れた。

 その瞬間、両腕に痛みが走った。

 だけど私はスキルを使って軽減する。このタイミングだからこそ、【ジャストガード】は真価を発揮する。


「それっ!」


 グリムは簡単に打ち返した。

 【ジャストガード】のおかげで本来ならできないはずの無茶もできた。

 角を打ち返したことで顎の下に隙間ができる。当初の予定とは違うが、グリムは前に出て大鎌を突き上げようとした。


「仕方ないね。ここを突かせて貰おうかな」


 グリムは攻撃を仕掛けた。

 けれどイシヘンライノスもただでダメージを受けてはくれない。

 グリムの動きに合わせて首を縦に振ると、ギャグみたいに大鎌を放り投げられて、グリム自身がてこの原理で転んでしまった。


「うわぁ!」


 流石に予期していなかった。

 前に倒れ込むように転ぶが、受け身をすぐさま取って立ち上がろうとする。

 そんな油断をしたグリムに追い打ちを加えようというのか、イシヘンライノスは分厚い鎧の皮膚で覆われた前脚で踏み付けようとする。

 流石に避けられない。グリムはそう悟った。


「スタンプ!」


 大鎌を使って抑え込もうとする。けれど当たり前だが、体重の差で無理だった。

 頑張って耐えるグリムだったがイシヘンライノスの重さには全く敵わない。

 ジリジリと腕のスタミナを持って行かれてしまい、不安定な体勢も相まってドンドン地面にめり込んでしまう。


「くっ……」

「グリムさん!」


 Dは叫んだ。フェスタも気が付いて間には入ろうとする。

 だけど遅かった。遅すぎた。イシヘンライノスの踏み付け攻撃をグリムは後ちょっと耐えきることができず、地面の中に体が埋まっていき、しっかりスタンプを決められてしまうのだった。

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