第79話 ギルドを作ろう!
お墓参りと神棚に備えている札の神社に参拝して来ました。
皆さんもお盆です。色々ですが、お気をつけください。
グリム達はギルド会館に足を運んだ。
するとたくさんの人達がギルド会館を出入りしている。
ほとんどがプレイヤーのようで、ギルド黎明期の雰囲気が出ていた。
「凄いね。初めの頃に来た時は、人の行き来が全然なかったのに」
「そうなんですか。凄いですね、ギルド会館」
グリムとDは行き交う人達を見ていた。
一人で行く人は依頼を受けるんだろう。複数人で束になる人達はきっとギルドを作るのだ。
そんな推測を立てていると、フェスタが暇になったのか、グリムの服の袖を掴んで引っ張る。
「ほらほら、そんなことより早く行こうよー」
「そうだね。それじゃあ行こうか」
グリム達はギルド会館の中に入った。
そこにはたくさんの人がいた。受付カウンターでは受付嬢が忙しなく働いている。
過去ののんびりとした何処へやら、NPC達は汗だくだった。
「かなり人が多いね。少し時間が掛かるかもしれないよ」
「そうですね。私、整理券取って来ます!」
Dは率先して行動してくれた。
あまりの人の多さゆえにギルド会館も整理券を発行している。
グリム達はDの後ろ姿を見守りながら、整理券を貰って大事そうに帰ってくる姿を眺めた。
「整理券取って来ました!」
「ありがとうD。それじゃあ少し待とうか」
グリム達はギルド会館のソファーに座って待つことにした。
二階にも休憩スペースがあり、そこのソファーに腰を下ろす。
ボーッと眼下を眺めると、たくさんのたくさんの人だかり。これはまだまだ掛かりそうだと、気長に待つことにした。
あれから一時間くらいだろうか。
徐々に人は減り始め、グリムも休憩スペースに置かれていた本を読み【速読】のスキルを獲得した。
丁度のそれに合わせる形か、整理券に書かれた番号が呼ばれ、グリム達は自分たちの番になったので受付カウンターに向かう。するとそこに居たNPCは疲れ切っていた。
「ようこそ冒険者ギルドへ。整理券をお持ちですか?」
「は、はい。これです」
Dは緊張した様子で整理券を手渡した。
金髪を三つ編みにし、後ろで止めた女性NPCは整理券を受け取ると番号を確認。
合っていたようで安心すると改めて口を開いた。
「改めましてようこそ冒険者ギルドへ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「ギルドを作りたいんですけど、大丈夫ですか?」
グリムはスラスラと説明した。
それもそのはずよく立ち寄って依頼受理の際にお世話になるNPCだった。
確か名前はN:ブル。このゲーム特有のNPCが持つ、アルファベットが入っていた。
「あっ、グリムさんでしたか」
「はい」
「ギルドを作るということは、両隣にいる方々が?」
「はい。私の頼もし友達ですよ」
グリムは本当のことを言った。
するとフェスタはニヤニヤした笑みを浮かべ、Dは恥ずかしそうにモジモジする。
その姿を見てもグリムはなにかに気が付くことはなかった。
心理学を学んでいるのに何という体たらくだった。
「ふふっ。相変わらずですね」
「なにが相変わらずかは分からないけど、とりあえず頼めるかな?」
「かしこまりました。少々お待ちください」
グリムは茶化されて怪訝な表情を浮かべた。
珍しい態度を取ると、N:ブルを急かす。
すると微笑みながら受付カウンターの奥へと消えていき、しばらく間を置くと何か持って戻って来た。如何やら書類のようで、まるで市役所だった。
「お待たせいたしました。それではこちらの書類に目を通したうえ、こちらの用紙に必要事項の記入をお願いします」
「ありがとう。それじゃあ行こうか」
受付カウンターから一度離れ、ゆっくり用紙を記入することにした。
気になっている節のあるフェスタに手渡すと、首を捻ってしまう。
「げっ。結構項目あるね」
「仕方ないよ。手続きなんだから」
「それにしてもさー、結構原始的じゃない?」
「そうかな? これからSFっぽくなるよ」
グリムはそう説明した。
それもそのはずフェスタはこのゲームを始めて、文字を書くような真似をしていない。
だから今から見せるのはちょっとした近未来の技術。
グリム達はスペースの空いていた卓上を見つける、その上に置かれた羽ペンを手にした。
「うわぁ、羽ペンだー。私初めて見たよー」
「私も使ったことはありません。グリムさんは?」
「私もこっちだけだよ。それじゃあ書こうか」
グリムは羽ペンを自在に振るった。
すると空中に蛍光グリーンの線が浮かび上がる。
もちろんこれは試し書きで、面白いことにこの世界には魔法のペンがあるのだった。
「凄い凄い! これがこの世界のペンなんだねー」
「そうでしょ? それじゃあ書いていくよ。えっとまずは……ん?」
「どうしたのー、グリムー?」
「グリムさん?」
早速書き進めようとしたグリムの手が止まる。
何故かは分からず気になった二人が用紙に目をやる。
するとそこにはこう書かれていた。[ギルドネーム:]とまだ決まっていないことだった。
少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。
下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)
ブックマークやいいねに感想など、気軽にしていただけると励みになります。
また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。