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第31話 友達が本格参戦するぞ!

 今日はいつもよりもワクワクしていた。

 童輪はPCOにログインする前から気持ちが高まっている。

 それもそのはず、ようやくソロ活動から脱却できるから、楽しくなりそうだった。


「そろそろ行こうか」


 童輪はPCOにログインした。

 意識が遠くなり、一瞬暗闇に飲み込まれる。

 まるで宇宙空間。電脳世界に飛び込むと気が付けばいつもの噴水だった。


「さてと、祭理はいつ来るかな」


 とりあえず待ち合わせはフォンスの噴水広場になっていた。

 噴水の目の前のベンチは今日も空いていて、グリムが腰を下ろすと他のプレイヤー達はそそくさと逃げていく。

 実際はそんなことないと思うけど、なんとなく視線を感じたのだ。


「やっぱりイタいのかな?」


 これくらい普通にありそうだけど、グリムはイタいと思っている。

 それが伝播しているのかしていないのか、よく分からない。

 とにかくベンチに座れてラッキーとだけ思い「なんだかな」と吐露した。

 その様子を聴かれていたのか、ポツリと声を掛けられた。


「なに落ちて込んでるのさ。らしくないよ」

「えっ?」


 顔を上げると、そこに居たのは知らない女性。

 多分年齢は同じくらいだが、背は少し低め。

 髪は真っ赤で、後ろで三つ編みにしていた。

 目を大きくはっきりしていて、ニヤリと笑む表情から知らない人じゃなくなった。


「あっ! もしかして……」

「そのまさかだよー。えっと、グリムでいいんだっけ?」

「うん。えっと……」

「私はフェスタ。こっちじゃフェスタって呼んでよねー」


 間違いない。この女性は祭理だ。

 グリムはパッと明るくなりせっかく座ったベンチから立ち上がる。

 身長差は約五センチ。若干見下ろす形になってしまったが、ニヤニヤした笑みを祭理ことフェスタは止めなかった。


「それにしても、グリムその格好は無いよ」

「それは言わないで欲しいんだけど、お願いできないかな?」

「無理だよ。そんなイタい格好の子と一緒に居たら、私もイタい奴になっちゃうでしょ」

「ごめん。これ呪いの装備だから変更不可なんだ」

「マジ? ……そっか。んじゃ仕方ないね」


 フェスタは理解してくれたようで、残念ながら諦めた。

 それでこそ親友。グリムは明るい友達に恵まれて救われると、キョロキョロと視線を右往左往させるフェスタが気になった。


「如何したの?」

「いや、マジでリアルだなって。これがPCOの世界。この街は……」

「フォンスだよ」

「フォンスの景色、ヨーロッパのどっかみたいで綺麗だよねー。これいいね」


 フェスタは早速満喫していた。

 その様子にホッとしたグリムはふと気になった。

 フェスタはステータスを確認していないのだ。


「フェスタ、ステータス確認しなくても良いの?」

「ステータス? OK」


 フェスタは何も無い空間にスッと手を動かした。

 するとステータス画面が表示されたらしい。

 確認すると、グリムにも見せてくれた。



■フェスタ

性別:女

LV:1

HP:50/50

MP:20/20


STR(筋力):100

INT(知力):25

VIT(生命力):20

MEN(精神力):20

AGI(敏捷性):60

DEX(器用さ):20

LUK(運):25


装備(武具)

メイン1:〈普通の大剣〉 ATK:15

メイン2:


装備:(防具)

頭:

体:〈普通のシャツ〉

腕:

足:〈普通のパンツ〉

靴:〈普通のシューズ〉

装飾品:


スキル(魔法を含む)

【筋肉増強】



「まあ、こんな感じだね」

「うーん、この【筋肉増強】って?」

「これはね、ほれ」


 フェスタは分からないグリムにスキルを教えてくれた。

 一瞬で【筋肉増強】が表示されると、スキルの説明を読んだ。



スキル【筋肉増強】

条件:STRのパラメータをゲーム開始時点で100以上であること。

説明:一時的にSTR(筋力)を1.5倍にする。素手・武器による接触攻撃に効果がある。



「だってさ」

「流石フェスタ。極振りしてるね」

「伸びるパラメータを伸ばさないと伸びしろ無くなるでしょ? その分他を削ってるけどさー」


 フェスタのステータスは全体的にSTR(筋力)とAGI(敏捷性)が高かった。

 グリムとは全然違うパラメータ配分に性格が出ていると感じた。

 フェスタはゲームだとかなり暴れるタイプだ。そのために攻撃力の高い武器、大剣を選択していると感じた。


「グリム。早速だけど付き合ってくれる?」

「レベル上げでしょ」

「さっすがフェスタ。私のこと分かっているじゃん」

「付き合い長いからね。それじゃあ行こうか」

「OK! ちゃんと私を先導してよね」

「はいはい」


 グリムはフェスタとフレンド登録した。

 それから一緒にパーティーを組むと、テクテク歩いてフォンスを後にする。

 早速レベル上げ。楽しくなってきそうだと、グリムは満足感に浸っていた。

ついにフェスタがやってきました。予想通り、パワー系のキャラクターです。

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