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第29話 通帳にお金が振り込まれていた件

とりあえずジャンル別で日間ランキングに入れました。

ありがとう、でもまだこれから。

 ある日のこと。いつも通りゲームを遊んでいた。

 今日もモンスターを討伐中のグリムは大鎌を振るい上げ、サクッと一撃必殺を決める。


「そりゃぁ!」

「シュシャァッ!」


 緑色の蛇のモンスター、モクネークは絶叫する。

 若干赤紫色の舌がグニャグニャ蠢く。気持ち悪い。

 目が今にも飛び出しそうでグリムは引いてしまった。

 するとモクネークは空気を読んだのか、パチン! と弾けて粒子に変わり消滅した。


「ふぅ。今日はこのくらいかな?」


 グリムはモンスターを討伐し、フォンスに戻ることにした。

 いつも通り安全な場所でログアウトすると、数秒の間を置いて目の前に天井が見えた。

 ログアウトを終えた童輪はベッドから起き上がった。

 スマホを手繰り寄せると、ポチポチといじり始めた。


「ん?」


 すると上部メールが届いていることを知らせてくれた。

 誰からだろうと思い、メールを開いてみた。

 すると知らないアドレスからだった。

 不穏に思った童輪は削除してしまおうと思ったが、一応URLを開かなければ良いと思いメールだけ読んでみた。


「なにこれ、PCOの公式から? なにか私、不正行為をしたのかな?」


 別に不正を行ったつもりはない。

 童輪は不安になってしまったが、メールの文章を読んでみた。

 意味は分からないのだが、とりあえず口に出したい所を繰り返し読む。


「えっと、PCO公式配信にて新条童輪様の映像を使わせていただきました。今後、注目プレイヤーとして都度紹介されるかと思われますがご了承ください。またこの配信に身体的・精神的被害を被られた場合はPCO公式によって保証いたします。へぇー、規約とはちょい違うんだ」


 PCOを遊ぶ際には規約に合意する必要がある。

 その中にPCOのゲーム中に何かしらの障害を被ったとしても保証はしてくれない。

 またPCOで得られた個人に関する情報は公式が責任をもって管理し、得られた情報の一部を転用する許諾が記載されていた。

 けれど配信に関する項目は関係無いと思いスルーしていたが、配信に関しては如何やら別件のようだ。

 難しいネット社会だと思いつつ、続きを読むと気になる文章があった。


「今回一部のシーンを使用させていただきました。それにより得られた収益額の一部を新条童輪様の指定の銀行口座に振り込ませていただきましたこと、なにとぞご確認してください。今後ともPCOでの活躍をご期待しております。えっ?」


 童輪は目を丸くした。

 確かに銀行口座は設定している。

 ゲームが有利になるような課金アイテムは無いのだが、限定の装飾品などを欲しがる人向けにクレジットカードや銀行口座の設定がされていた。

 もちろん童輪は手順の一つとして口座を登録した。

 それがまさかこんなことになっているとは思わず、不意に通帳を確認すると確かに振り込まれていた。


「振り込まれてる。一万円……」


 怖い、怖すぎる。童輪は恐怖してしまった。

 これが誰から振り込まれたか知らなかったら、きっとパニックになっていたはずだ。

 けれど一万円も臨時収入で得られるのは嬉しい。

 童輪はありがたく思い、そっと通帳を閉じた。

 その通帳に刻まれていた全額は三……億を超えていた。それとはまた別でほっこりした。

【ちょこっと解説】


 童輪は実はお金持ち。

 稼いだ理由は株。中学生の頃からお金を貯め続け、倒産寸前のアメリカの銀行を買い取り、得意な直感を使って見事に経営を立て直しオーナーとなった。=何もしなくてもお金を稼げる人になった。

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