第20話 初日は上々?
さぁ、狩りの時間だ。
グリムは森の中を歩いていた。
最初に奇襲を仕掛けて来た男性意外にプレイヤーは見つからない。
太く木々の合間を隔てる整備されたと思しき道。その上をただただ歩いていた。
格好としてはかなりイタイが概ね無防備を装えている。
武器を隠していることは勘付かれないようにして、警戒心を解いているのに、まさかの誰にも出会わなかったのだ。
「嘘だよね。誰にも出会わない?」
グリムは頭を抱えてしまった。
しかしすぐにそんなこともしていられなくなる。
急に話し声が聴こえたので、息を殺してジッと待つ。
「誰だろう……」
グリムは気の幹の裏に隠れた。
顔を少しだけ覗かせると、奥の法から男性二人が歩いて来る。
頭上に赤いピンが立っていた。如何やらイベント参加者らしい。
「あれは……私のことをカモだと言った人達だ。ムカつくな」
グリムは眉根を寄せ、気分を害された。
幸いにも向こうはまだ気が付いていないらしい。
呑気に武器も構えずに歩いているので、グリムは早速仕掛けることにした。
カモられる前にカモにする。そのためには奇襲が一番だった。
「この木に登って様子見を……」
グリムは素早く木の上に登った。
木の葉で身を隠すように真下まで来るのを待つ。
呑気に談笑をしていて、耳を一応傾けて盗み聞きしてみた。
「なかなかカモになりそうなプレイヤーも居ないな」
「だな。この辺り似る奴ら、結構レベル高めだぜ」
「チッ。あの初心者が居ればな」
「だな。楽にポイント稼げるんだけど残念だぜ。俺の剣が火を噴くって言うのによ」
如何やらかなり舐められているらしい。
グリムはあまりムカつかないのだが、如何にも相性が悪いのかムカつく。
外套の内側から大鎌を取り出すと、木の枝を使って早速やることにした。
「へぇー。それじゃあ見せて貰おうかな」
ガサガサゴソゴソ!
葉っぱが頭上から落ちて来る。
なんだと思ったのだろう。男性達は立ち止まると頭上を見上げた。
しかし葉っぱが無作為に落ちる程度。ただの小型モンスターとでも思って気にも留めなかった。
「チッ。モンスターか」
「無駄にHP減らしたくねえよな」
「だな。行こうぜ」
男性達はその場を立ち去ろうとした。
その瞬間、グリムは枝のたわみを利用して大きく飛んだ。
まるで跳ねる様に木の枝から降りると、持っていた大鎌を降り上げて背後から切り裂いた。
「まずは一人」
グサリと大鎌が男性一人の背中を切り裂いた。
あまりのことで動揺する間もなかったのか、背中を項から腰にかけてを無残にも切り裂かれてしまい、大絶叫を虚空に上げた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
男性は消滅した。VRの体が粒子に変換し消滅。代わりにポイントになる。
もう一人の男性も突然のことだったので振り返る。
仲間がやられ困惑しているのか、剣を抜く動作が一瞬遅れた。
その隙をグリムは決して見逃さず、右足を前に大きく踏み込んで距離を詰めると、大鎌で剣を握ろうとした利き手をやってしまった。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! くっ、よくも。何処から湧いてきやがったぁ!」
「さぁ、何処からだろうね?」
グリムは利き手を失い剣を握れなくなった男の首に鎌の湾曲した刃を掛けた。
そのまま後は腕を惹き込みと、男性の頭がグリムに近づく。
男性は恐怖した。しかしほんの一瞬の出来事で、男性は自分がやられたことにすら気が付かなかった。
グサリ!
男性は即死してしまった。
体が粒子に変わっていき、目の前から居なくなる。
代わりにポイントが合計で二つ加点された。
これで三ポイント。出だしは好調かも知れない。
「この調子で行けば一位狙えるかな?」
グリムはまだまだイベント序盤なのだが、早速乗り出していた。
肩の部分に大鎌を置くと、森の奥へと再び歩き出した。
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