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第186話 見えない視線4

ここに来て初めてわかる真実。

 白い空間が広がっていた。

 コーヒーを片手に、キーを打ち込む少女。

 眉間に皺を寄せながら、フシギがプログラムを書き換えていた。


「後はここだな」


 ここ数日はいつもこれだ。

 大学の単位を飛び級で獲得しているからこそ、時間に余裕がある。

 そのせいか、連日見直しばかりだったが、ようやく終われる。


「よし、これでいいな」


 最後にEnterを押すと、プログラムを完全に直し終えた。

 ここまで長かった。

 とは言え、充分早い方で、フシギはダランとさせた。


「一回寝るか」


 ログアウトして睡眠を摂ろうと思った。

 眉間にを指で摘まみ、少し辛そう。

 顔色もいつものことだが悪く、ゲッソリしている。


「よーす、フシギー」

「こんばんは、フシギ」


 そこにやって来た二人の少女。

 今日も元気いっぱいなユカイと、いつも通り秀才なアイ。

 

「あれ? 今から帰るの?」

「そのつもりだが?」

「えー、せっかく来たのにー」

「うるさい。私は今の今まで調整をしていたんだ。もう寝るぞ」


 フシギは素っ気なく、ログアウトしようとする。

 しかしユカイはフシギを引き止めた。

 如何しても気になることがあったのだ。


「ねぇねぇ、アイに聞いたんだけど、あの屋敷を買ったプレイヤーがいたんでしょ?」

「ああ。誰かさんのせいでな」


 フシギはアイのことを睨み付ける。

 もちろんアイは目を泳がせた。

 もちろん悪気は無かった。あくまでも候補として伝えたまでだ。

 別に運営がプレイヤーを贔屓したわけではなく、あくまでも選択肢を一つ与えたに過ぎない。


「まあ、別にいいんだが」

「いいんだー」

「ふぅ」

「よかったね、アイ―」


 フシギは別に咎めたりしない。

 その行動にアイはホッとすると、ユカイに背中を撫でられる。


「それはさておき、直しておいたぞ」

「直したってー?」

「モールス信号だ。ログから確認できるが……これを見てみろ」


 フシギはログを見せてくれた。

 ありとあらゆるプレイヤーの情報が表示される。

 その中で、モールス信号を表示すると、若干変わっていた。


「なにが変わったのー?」

「ユカイ、ここ見て。—がーになってるよ」

「ええっ!? そこ、そこなの!?」


 唖然としてしまうユカイ。まさかの地味な部分が変更されていた。

 目を見開き、ポカンとするも、フシギはここまでの労力を称賛する。


「おい、ここまで修正するのは大変だったんだぞ」

「大変だったって……」

「クソッ。AIがモールス信号を使う仕様は面白かったが、失敗だったな。処理が面倒だ」


 モールス信号を使うアイデアはかなり良かった。

 けれど一つコードを間違えると、修正が面倒になる。

 多忙だったのもあるが、失態だった。


「でも、よかったね。シRキーさんも、これで救われたかも」

「ふん。本当の救いなんて、何処にあるんだ?」

「うわぁ、面倒な哲学―。そんなのいいから、もっと喜ぼうよー」


 ユカイはフシギの肩を揺すった。

 頭をブンブン振り回されると、クラクラして倒れそうになる。

 疲れが極限に達したのか、フシギは口元に手を当てた。


「うっ、揺するな」

「あっ、ごめーん。めーん」

「ウザいな、ユカイ。はぁ……お前達、明日も一限からだろ」

「「そうだけど?」どー?」

「もうこんな時間だ。そろそろ寝た方がいいんじゃないのか?」


 フシギは時刻を表示する。

 リアルタイムで、もう深夜二時を過ぎている。

 明日は九時から一限だ。ヤバい、アイとユカイは悟る。


「ヤバッ、じゃあ私先に落ちるねー」

「あっ、待って。フシギ、また明日ね」

「ああ、また明日。……今日なんだがな」


 フシギは結局最後まで残ってしまった。

 大きな欠伸をすると、ログを消す。

 同時にシRキーのことを考えた。


「まあ、どんな形で救われようが、それを救いと捉えるかは、本人次第だな」


 哲学みたいなことを口にする。

 自分でほくそ笑むと、ログアウトすることにした。

 白い空間は今日も広がる。しかし誰も居ない亜空間は、一人でに仕舞われた。

【ステータス】


■グリム

性別:女

LV:25

HP:250/250

MP:145/145


STR(筋力):80

INT(知力):86

VIT(生命力):77

MEN(精神力):184

AGI(敏捷性):79

DEX(器用さ):134

LUK(運):88


装備(武具)

メイン1:〈死神の大鎌〉ATK:-X

メイン2:


装備:(防具)

頭:

体:〈死神のシャツ〉〈死神の外套〉DEF:-X

腕:

足:〈死神のレギンス〉DEF:-X

靴:〈死神のブーツ〉DEF:-X

装飾品:〈死神のネックレス〉ステータス:-X


スキル(魔法を含む)

【精神相殺】【観察眼】【看破】【ジャストガード】【眼光】【緊急回避】【速読】【読唇術】


ユニークスキル

【マイナス固定】



■フェスタ

性別:女

LV:21

HP:240/240

MP:145/145


STR(筋力):177

INT(知力):74

VIT(生命力):71

MEN(精神力):65

AGI(敏捷性):123

DEX(器用さ):64

LUK(運):67


装備(武具)

メイン1:〈戦車の大剣槍〉 ATK:X

メイン2:


装備:(防具)

頭:

体:〈戦車の軽鎧〉 DEF:X

腕:

足:〈戦車の軽脚〉DEF:X

靴:〈戦車の軽靴〉DEF:X

装飾品:〈戦車のスカーフ〉敏捷性:X


スキル(魔法を含む)

【筋肉増強】【ジャスト回避】【馬術】【アニマルフレンドリー】【潜水】【納剣】【抜剣】【威圧】


ユニークスキル

【万能騎乗】



■D

性別:女

LV:23

HP:230/230

MP:185/185


STR(筋力):55

INT(知力):77

VIT(生命力):92

MEN(精神力):94

AGI(敏捷性):55

DEX(器用さ):71

LUK(運):80


装備(武具)

メイン1:〈運命の腕輪〉 ATK:X

メイン2:


装備:(防具)

頭:

体:〈運命の祭服〉 DEF:X

腕:

足:〈運命のスカート〉DEF:X

靴:〈運命の皮靴(パンプス)〉DEF:X

装飾品:〈運命のペンダント〉敏捷性:X


スキル(魔法を含む)

【光属性魔法(中)】【高速詠唱】【投擲】【気配察知】


ユニークスキル

【未来予測】

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