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第130話 ピジョンにも分からないこと

砂の敵って、考えるの大変です。

実際どうしたらいいんですかね?

 グリム達はピジョンの下へと向かった。

 デンショバトは相変わらずと言うべきか、残念なことに客の数はほとんどない。

 けれどそれ故に内密な話ができるので、今日のグリム達にとっては好都合だった。


「ってことがあったんですけど?」

「そう言われても困りましたね。実は私の所にも同じそのイベントのことは伝わっているんです」

「その言い方ってことは……手がかりは無しってこと?」

「はい、残念ながら」


 如何やらデンショバトにもこのイベントの噂は伝わっているらしい。

 けれど肝心の手掛かりは全く無いようで、残念なことに目を逸らすしかない。

 とは言えグリム達も責めたりはしない。分からないことならば、それはそれで仕方ない。


「あの、お役に立てないみたいですみません」

「そんなことは無いよ。得意不得意があるように、分からないことがあってもいいんだからさ」


 グリムは気さくにピジョンの気持ちを宥めさせた。

 如何やらグリムも半信半疑だったようで、デンショバトに来ても納得のいく情報が転がっている保証は最初からしていなかった。


 むしろ分からないことの方が面白みも出る。

 グリムは腕を組んだまま「さてと」と呟く。

 後ろではフェスタとDがキョロキョロ視線を配ると、「どうしよう?」と疑問を呈していた。


「グリム、本当にどうする?」

「どうするって言われてもね……」

「このまま放置にするの?」

「それも一つの手かな? それに私達の獲得ポイントを加味すれば、他のプレイヤーを襲った方が早い気も……ああ」


 ふとグリムが視線を傾けると、Dの横顔が映り込む。

 あまりにやって欲しくない提案だったようで、表情に影が落ちる。

 もしかすると、いや、もしかしなくても、Dは嫌悪していた。


「ごめんね、D」

「大丈夫ですよ。確かにその方が確実だとは思います」

「それはそうだけど……もう少し情報を洗ってみるしかないのかな?」


 グリムはポツリと呟き、事態を好転させようと画策する。

 しかし今ある情報だけだと、“砂の魔人”と“黄金”の二つしかない。

 恐らくこの二つの単語は繋がるがある。だけどこの中で、一番食い付けるのは“砂”と言う一面だ。


「砂ってことは、砂漠? 砂丘? それとも砂浜?」

「グリム? もしかして、砂の魔人って……」

「恐らくはそうだろうね。だから行くべきは、砂のある場所だと思う。とは言え、時間もないから虱潰しって訳にも行かないかな」


 正直、一番の問題は後一日しかないことだった。

 六日も過ぎてしまい、ここから七日目の一日に全てを託すのはあまりにもリスクが高い。リスクヘッジもまともにできておらず、唇を噛んで考えを巡らせる。


「せめてもう少し絞れれば……」

「グリムさん、あまり思い悩まないでください。考えすぎると頭が痛くなってしまいますよ?」

「ありがとう、D。でも、もう少し情報が広がれば……」


 グリムはある程度絞れるだけ絞っては見たが、地図を見ても首を捻るしかなかった。

 これ以上は埒が明かない。考えるだけ時間の無駄だ。

 グリムの中で、ある程度の予想が立ってしまうと、首を横に振ってしまう。


「ダメだね。これ以上は流石に無理かも」

「そっかー。お疲れ、グリムー」

「ありがとう。ピジョンもありがとう」

「いいんですよ。私もなにもできなくてすみませんでした」


 ピジョンは役に立てなかったことを気にしてしまい、頭をペコリと下げた。

 しかしグリム達は気にして欲しくなかった。

 自分達にできることを全力でやる。その結果がこれならば、それ以上できることは無いので、グリム達はデンショバトを後にする……のだが、店を出た瞬間、グリム達は見知った人物に出会った。


「ん? なに浮かない顔してるんじゃ!

「その声は……」


 顔を上げると、そこに居たのは額に鉢巻をした男性。

 NPCではなくプレイヤーのようで、かなりの大柄。

 筋骨隆々なその姿は、グリム達とフレンド登録しているプレイヤーなのだ。

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