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第129話 六日目に得られたもの

3章も佳境です。

大事な伏線を張りました。

「ふぅ。とりあえず私の方はこれでいいかな?」

 

 グリムは肩をグルグルと回すと、勝利の余韻に浸りつつ、ポイントを獲得した。

 とは言え、奇襲されただけなので、そこまでポイントは得られない。

 如何やらあまりポイントを稼げていなかったようで、グリム達から奪おうとしたのだ。

 けれど残念ながら返り討ちにされてしまい、グリムは孤立してしまった。


「おーい!」

「ん? あっ、フェスタとD。二人共無事だったんだね」


 しかしそんな時間は長くなかった。

 踵を返して振り返ると、向こうから手を振っている仲間の姿。

 フェスタとD。奇襲で分断されてしまったけれど、こうして無事に合流できたのは、お互いに難なく対応できた証拠だった。

 それが分かっただけでお互いに安心すると、ホッと胸を撫で下ろした。


「お疲れー、グリムー。そっちはどうだったー?」

「どうだったもなにも無いよ。こっちはこっちで倒しただけかな」

「そっかー。やっぱりグリムだねー。で、なにか手には入った?」

「なにも手には入ってないよ。成果は(ぜろ)


 グリムは何の成果も得られなかった。

 ただ敵プレイヤーを倒しただけで、正直時間の無駄にさえなる。

 けれどそれはグリムだけだったようで、フェスタとDはにこやかな笑みを浮かべていた。


「あのグリムさん!」

「どうしたの、D?」

「こ、これを見てください。実は一人逃がしてしまったんですけれど、その足元にこんなものが落ちていて……」

「ん?」


 グリムはDが持っていた一枚の紙切れが気になった。

 何やらズラズラと書かれているようで、グリムは受け取って首を捻る。


「えーっと、なになに? 〔砂の魔人は黄金にあり〕?」


 私は大々的に書かれていたタイトルを覗き込んだ。

 このカッコの付け方は、恐らくはイベントのタイトルだ。

 イベントの合間のイベント。きっと運営からのメッセージだ。


「ど、どう思いますか?」

「どう思いますかって言われてもね……少なくとも、これが運営側がもたらしたなにかしらってことかな?」

「な、なにかしらですか?」

「うん。答えでは無いよね。でも、答えは出せないよね」


 グリムは逃げ回っているつもりは無かった。

 むしろ自分の答えで結果を出していた。

 あくまでもこれは運営がプレイヤー側へのアクションを取ろうとしているということ。

 イベントの様相を担うことで、蟻地獄的に誘導しようとしていた。


「ふーん。砂の魔人はってことは、モンスターかな?」

「だろうね。この文章的に、砂の魔人がモンスターでそれが黄金に関連しているのかな?」

「砂の魔人が、黄金? もしかして、ゴールドラッシュ・イベントの!」

「その点はそうだね。きっとこのイベントがゴールドラッシュ・イベント一番の醍醐味ってことだと思うよ」


 全員がそのことに気が付くことはできた。

 しかしながら、問題はこの先にある。

 この文章だけが手渡されても、グリム達には如何にもできない。

 何故なら何もできないからで、情報も洗えないからだ。


「正直、この先の情報はなにも無いんだよね?」

「そこが問題なんだよねー。だからグリムに訊きにきたのにー」

「それは流石に私を買い被りすぎだよ」

「だよねー。ごめんごめん」


 フェスタは少し辛辣な態度だった。

 けれどグリムは自分のことを卑下されていないと素早く気が付くと、にこやかな笑みを浮かべて切り替えた。


「でも、私達が知らないだけで詳しく情報を入手している人がいるかもしれないよ」

「どういうことですか?」

「単純だよ。なんの手がかりもないものを追っても、結果は出ないだけだよ?」

「それは……そうですね。グリムさん!」


 急にDは納得したのか、グリムの手を掴んだ。

 熱くてたぎっている。如何したのだろうかと思ったが、興奮した様子である提案を持ちかける。


「グリムさん、ピジョンさんならなにか知っているんじゃないですか?」

「ピジョン? 確かにそんな気もするけど……行ってみる?」

「行ってみるー!」

「どうしてフェスタが食い付いたのかな? まあいいけど。そうだね、分からないままにしても面白くないから、今回は試しに訊いてみようか」

「「はい!」」


 Dの突飛でもなんでもない発想。

 グリムとフェスタはそれに乗ることにした。

 コクリと互いに首を縦に振ると、ピジョンの下へと向かった。

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