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幼馴染が元婚約者の出戻り修道女を迎えに来ました  作者: 田鶴


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45.プロポーズの手紙

 アントニアはゴットフリートに自分の気持ちを正直に吐露する手紙を出して以来、返事が待ち遠しくて毎日そわそわし、郵便物保管室に自分宛の手紙が来ていないか、聞きに行っていた。


 聖グィネヴィア修道院では、個人宛の郵便物は各自が修道院内の郵便物保管室に取りに行くことになっている。郵便配達夫が来るのは午前中で、郵便物保管室も午前中だけ開いている。郵便配達夫は、聖グィネヴィア修道院に出入りできる数少ない外部の男性なので、修道院の郵便係は、将来的に修道院からの自立を目指す世俗の女性が担っている。


 その日もアントニアは郵便物保管室へ足を向けた。開室中の郵便物保管室の扉は開けっぱなしになっているので、アントニアは声をかける前に郵便係の女性と目があった。


「今日はまだ配達夫は来てませんよ」

「そうですか。それじゃ、また後で来ます」


 アントニアはがっくりと肩を落として戻っていった。


 その後、アントニアは午前中の開室中に余裕を持ってもう1度行くつもりだったが、孤児院の子供達のための絵本朗読が長引いて、昼食時間の直前になってしまった。彼女が部屋の前に着いた時には、郵便係はもう席を立ってカーテンを閉め、部屋を閉めようとしていた。アントニアが声をかけると、郵便係はあからさまに不機嫌そうな顔をした。


「来るなら、もうちょっと早く来てくれない?」

「すみません。孤児院の仕事が長引いてしまったんです。大事な手紙なんです」


 アントニアが懇願すると、郵便係はブツブツと文句をたらしながらも配達された郵便物の束の中から、アントニア宛の手紙を見つけてくれた。


 封筒を裏返すと、差出人はゾフィーになっていた。それならゴットフリートからの返事も入っているに違いないと思い、アントニアの顔は綻んだ。


「ああ! これです! ありがとうございます!」


 アントニアは大事そうに手紙を胸に抱えて独居房に戻った。昼食時間がもう始まる頃だったが、アントニアは食べそびれるとしても手紙を読むのを優先させた。


 アントニアは、胸の鼓動が一段と早くなっているのを自覚しながら、手紙の封を切った。いつものようにゾフィーからの短い手紙が入っていたが、そちらは後回しにして、もう1通の手紙を開いた。


「ゴットフリートからだわ!」


 心が急きながら最後まで読むと、アントニアは感激の涙を抑えられなくなった。


「ああ……ゴットフリート! プロポーズをお受けします! ありがとう!」


 ゴットフリートからの手紙には、懸念される諸問題の解決案も記されていた。アントニアがそれで納得できるなら、プロポーズを受け入れてくれると嬉しいと書いてあった。


 アントニアには、ゴットフリートのプロポーズを受けない選択肢はなく、ゴットフリートの努力と未来の義弟夫婦の協力に感謝した。


 その後、アントニアはゴットフリートと相談の上、自立を目指す女性が住む別棟に引っ越して修道院を出る準備を進めていった。

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