雨
昔書いた詩です。
雨が降る。
俺の中で、雨が降る。
その雨は静かに水かさを増し─…
最初に靴が水に浸り、膝が浸り、胸が浸り…
気づけば俺は、雨でできた大きな水溜まりの中で溺れてる。
やがて息が苦しくなり、俺は水面に向かって手を伸ばし助けを呼ぶために声を出そうとする。
が、かえって大量に水を飲み、余計に苦しさが増すばかり…
助けが呼べずどうすればいいのか困っていると、苦しさがピークに達し、死が頭の中でちらつく。
──────────…なのに。
いつまで経っても、死なない。
あまりの苦しさに生きることを諦め、手を伸ばすこともやめ、俺は死を決意する…
なのに、死なない。
猛烈な苦しさを保ったまま、俺は底へと沈んでいく。
水面を見つめながら俺は…
「苦しい…死にたい」
と、何度も心の中で呟く…
どんなに待っても死は訪れず、猛烈な苦しさが延々と続く。
そうこうしてるうちに。
水は引き、気づけば俺は地面に寝そべった状態になっている。
めいっぱい息を吸い、ほっとした。
のも、束の間。
また…雨がぱらつきはじめた。
俺はまた、延々の苦しみに踠かなければならないのかと思うと、恐ろしくてならない…