9話 家族皆で強くなります。
声をだして泣いてしばらくたち両親から離れ再び二人と向き直った。
「それで聡一はこれからどうしたいんだ?」
「この世界に魔物がいるのかは分かりませんがもしもの為に二人にも魔術や魔力操作を覚え強くなってもらいたいです。」
「やったー 魔術覚えれるの?それは大歓迎だけど でも魔物とかはいないわよ?」
「俺も魔術覚えれるのは大歓迎だ 魔術って魔物相手にしか使えないのか?」
「魔物はいないのですか? モモタロウのお話に出てくるオーガみたいな鬼ってやつとか」
「あぁ あれはお話の中の存在なわけだが・・・・・お話の中の異世界とか前世とか精霊とか見た後じゃあ絶対いないなんて否定しきれないな」
「そうよねぇ あれを見た後じゃぁ 空想の世界のお話なんて言えないわよねぇ」
「そうなのですか・・・まぁもしもの時の為に強くなってほしいです。」
「わかった それで俺たちは何をしたらいいんだ?」
「取り敢えず、魔力操作を覚えてもらいます。」
「あっ!! ラノベでよくあるやつね!! 体内の魔力を動かせばいいのよね」
「よく知ってますね! 学んだ事があるのですか?」
不思議に思ってそう質問すると
「お話の中でそういう方法がでてくるのよ」
そう母様は胸をはって答えた。
「まぁその辺はまた後するとして、目の前の精霊と契約して土の下級精霊には畑全体をみてもらいつつ、水の下級精霊には畑への水やりを頼みたいです。」
「畑の水やりを勝手にやってくれるのは助かるが土の精霊はなにか意味があるのか?」
冷静に落ち着いた風に質問する父様だが表情からは興奮が隠し切れないようだ。
「土の下級精霊は畑の内に魔力を送ってもらってまた水の下級精霊には魔力の豊富な水やりを行ってもらう事で魔力の豊富な野菜として育つのです。そうすると、野菜を通して体内に魔力が取り込まれて魔力が体に定着するのです。そうやって取り込む事で最大魔力量が増えてしまえば、魔術を使って魔力を消費しても時間がたてば大気中の魔素を取り込んで最大値まで回復するのです。とはいえ一度の食事で得られる魔力量は微々たるものなので取り続ける事が大事なのです。」
「へぇ それで野菜や魚の成長が早かったのか!」
「それに凄くおいしかったわよねぇ」
今までの不思議に思ってた事の理由がわかり、また不思議な物語の様な世界に自分たちが踏み込んでいくワクワクが止められないといった感じで頷いていた。
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