7話 両親への告白(前編)
半年が経過しました。
文字の読み書きを日々頑張った結果『ひらがな』や『カタカナ』を覚える事が出来た。また、文字をきれいに書くこともできる事もできるようになった。これは、前世の記憶があるため最初からペンを使って文字を書くイメージがしっかり出来ていることで成長速度がはやいようだ。
そしてついでに、自分や両親の名前の漢字を教わった。
父様の名前は『恩田 翔太』で母様は『恩田 亜希』というらしい、そして俺の名前は『恩田 聡一』というようだ。漢字は難しいので名前だけ教わった。
畑や池への魔力供給もかなりの効果が出てきた。畑からとれる大根やジャガイモ トマトといった野菜に含まれる魔力量も豊富になり、さらに美味しさまで向上した。また、池の魚も魔力の豊富な水の中で育った結果、成長速度や繁殖力が跳ね上がり食卓に上る回数も増えてきた。
このことについては、両親も不思議に思っている様だ。そろそろ魔力や前世の記憶について打ち明けた方が良いかもしれない。というのは、畑や池の魔力量や大気中の魔素量が向上した結果、土や水の下級精霊が誕生してしまったからなのだ。
まぁ、両親とも魔力量が増えたとはいえ魔力操作を覚えないと魔力を目でる見る魔力視が使えないので気づかないだろうが、せっかく精霊が生まれたのだから畑の水やりや畑の管理を精霊と契約してまかせたいのだ。
さすがに、そこまでして気付かない事はないだろう。
丁度いい事に今日は父様は仕事がお休みなので両親そろって自宅にいる。
そして、ペンをうまく使って文字を書くことが出来るようになったので、今までできなかった魔法陣を書くということができるのだ。
ステータスの魔法陣を作って自分のステータスを早く知りたい気持ちもあったが、まずは両親に打ち明けて精霊契約を行いたいのだ。
その為に、水の下級精霊と土の下級精霊へのそれぞれの契約用の魔法陣が必要なので、ボールペンのインクへ魔力を込めノートに魔法陣を記入した。
朝食後、TV(魔道具かと思ったがこの世界には魔道具は無いみたいだ)を見ながらリビングで寛いでいる両親に声をかけた。
「とーしゃま かーしゃま だいじなおはなしがあります。」
「おうっ! どうした聡一」
「なーに? そうちゃん」
力強い父様と優しい母様の返事に、この両親ならきっと受け入れてくれるはずだとドキドキしながら唇をかみしめ口を開き話し始めた。
「お話をする前にうらにわで見てもらいたいものがあるのです」
裏庭という言葉に両親の顔は真面目なった事から、恐らく野菜や魚について不思議に思っていたのだろう事がわかった。
その両親の反応を確認すると裏庭に向かって歩きだした。
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