30話 園長先生との対話(前編)
翌日、幼稚園の迎えの時間に母様が来ていた。
もちろん、ただお迎えに来たのではなく昨日相談したように、園長先生達に訓練について相談をする為だ。幼稚園に到着した母様が先生に挨拶をすると、既に連絡をしていたらしく応接室へと母様と共に行くことになった。
「 失礼します。 」
「 どうぞ! 」
応接のドアをノックして中に入ると、吉田園長先生が部屋の中央にあるソファーに腰かけていた。
吉田先生は、50歳前後のおばさんらしいのだが、見た目は30代くらいにしか見えない優しい綺麗なおばさんだ。他の保育士の先生達からは美魔女って呼ばれているが、本当に魔法が使えてもおかしくない様な不思議な雰囲気を醸し出している。
部屋に入りふとそんな事を考えながら園長先生を見ていると、ソファーへ腰かけるように言ってくれたので母様と一緒に園長先生の向かいの席に腰かけた。
「 こんばんは! 亜希さん 今日は相談があるとの事ですが? 」
「 えっと何から話せばいいのか・・・・・ あっ!そうそう 半年くらい前から魔物が現れる様になり出しましたよね? 」
「 そうですね! 警察や自衛隊の方々が禁止区域内へと封じ込めを行ってくれているおかげで被害は無いですが、怖いですねぇ? 今日の話はその事と関係が? 」
「 はい! その魔物ですが段々と強くなってきているらしく、もしもの時の事を考えると警察や自衛隊の防衛を突破して街中に入ってきてしまうという危険性があると思うのです。 そうして街中に入ってきた魔物達がこの幼稚園を襲う事も想定すると現状では魔物達から園児達どころか先生達の身すら守り切れるとは言えないのが現在の幼稚園の防衛の現状だと思いまうす。 」
「 そうねぇ! でも魔物達を撃退する様な人を雇うほどうちの園には余裕がないのよ 」
「 それで、これからが本題なのですが・・・・・ そうちゃん いつものアレ お願いね! 」
「 わかりました。 母様! 園長先生! ちょっと手を前に出してもらえますか? 」
「 え? 何? いいけど これでいいの? 」
そういうと、園長先生は両手を前に出してきたので俺は席を立ち上がると園長先生に近づいていき いつもの通りに連れてきている光の精霊であるクラーテを園長先生に見てもらうべく、魔力操作をして園長先生の両手から魔力を流していき魔力視が使える様に両目へと魔力を送って行った。
「 え? 何か不思議な暖かな感じの力が流れてくる? って・・・ え? なにそれ? 」
どうやら園長先生は通常の人よりも魔力量が多くまた、魔力の知覚も既にできているようだ。この分なら魔力操作もすぐに覚えるだろう。
「 えっと 今、園長先生が見えているこの子は光の精霊の『クラーテ』っていいます 」
そう言って精霊について告げると、他の人達でもよくある様に園長先生もまた固まってしまって、会話を続けるのにしばらく時間がかかってしまった。
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