21話 前世の記憶(後編)
「 パパ 私ね・・・パパの子として生まれる前・・・・こことは全然違う世界で生活してたの・・・・商人の娘として生まれて、結婚して・・・・・幸せだったの・・・・平和な街だった・・・・・・でも突然数えきれないくらいの魔物の群れに街が襲われて・・・・私の旦那も防衛に駆り出されたんだけど・・・ 彼は強いから魔物から門を守ってくれたんだけど、別の門の方は魔物の群れを抑えきれずに・・・・護衛の人達も守ってくれてたんだけど魔物の数が多すぎて・・・・魔物の大群に対処しきれなくて・・・どんどん周りの人も殺されて・・・・・・・・ 」
「 アイラ・・・・・・・・ 」
娘のあまりに凄惨な話に前世の記憶なんて気のせいだと言いたいのだろうが、ゴブリンなんて見た後だけに否定しきれないのだろう。またアイラちゃんの真剣な表情から娘の話を受け入れようと決意を固めたようであった。
「 それで・・・・街の防衛に出てた彼も慌てて戻ってきたんだけど・・・・大量の魔物の群れに対処しきれなくて・・・・・そうしてるうちに魔物の攻撃が私に当たって・・・・・倒れて・・・最後の記憶は周りに魔物がいるのに泣きじゃくりながら私に縋りつく彼・・・・・・ 」
凄惨な話に沈黙が続いていたが、最初に沈黙を破ったのは父様だった。
「 おいっ! この話って聞いたこと無いか? 」
「 そうよね この話ってソウちゃんの前世の話と一緒じゃ・・・・・ 」
「 ・・・・・うん・・・・・一緒だ・・・・ 」
そう言って見つめてくる両親に頷くと恐る恐るアイラちゃんに近づいていき声をかけた。
「 アイラちゃん・・・・・ 」
「 あっ!! ソウイチ先生 助けてくれたんだね・・・ありがとう 」
「 ああ!! 聡一君のご両親も助けていただきありがとうございました。 」
魔物やら前世の話で俺達の事を忘れてしまっていた様で、慌てて二人して頭を下げてきた。
「 大丈夫ですから頭をあげてください・・・・それよりもアイラちゃんって、もしかしてソフィアか? 」
「 え? 何でソウイチ先生が、その名前を?・・・・・え? 」
再び混乱してしまったようで、アイラちゃんは固まってしまっていた。またアイラちゃんの父親は何が起こってるのか分からず周囲に説明を求めてキョロキョロしていた。
「 俺・・・・・アルトだよ・・・ 」
「 え? ・・・・・・アルト? あのアルト? え? ソウイチ先生がアルト・・・? え? え? 本当にアルトなの? え? ええ? ・・・・・・・・・・・・ アルト~~~~~~~! 」
そう言いながら抱き着いてくるアイラちゃんを抱き返すと抑えていた感情が堰を切って流れ出した様に涙が止まらなくなった。
そんな二人にもらい泣きをしながら肩を寄せ合ってる俺の両親と状況が分からず混乱するも一人娘に抱き着く俺に複雑な表情を見せているアイラちゃんの父親の姿がふと目に入ったが、今はどうでもよかった。
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