20話 前世の記憶(前編)
泣きながら抱き合っているアイラ親子を尻目に落ち着いて父様の足元を見ると、父様の右足がゴブリンに引っかかれた傷から血が流れていた。
「 父様 大丈夫ですか? 」
「 ああ 大丈夫だ! クラーテ ちょっと来てくれ 」
「 承知しました。 父上様 」
俺の近くで漂っていたクラーテに声をかけ呼び寄せるとクラーテへ魔力を渡して右足にクラーテに治療をして貰うと、右足の傷跡が徐々にふさがっていった。
父様や母様は、まだ精霊から属性変換された魔力を扱えない為、精霊に頼った魔法の使用となっている。通常人間は無属性の魔力しか保持していない為、精霊の力を借りるか魔法陣等にて属性変換する必要がある。その為、魔法陣を用いる魔術ではなく魔法を使う際は精霊の力を借りる必要があるのだが一般の精霊は戦いに使用できるほど魔力を通常は保有していない為、契約者から受け取った魔力を使用する必要がある。
しかし、一般の精霊は一度に放出できる魔力量が多くない為、強い魔法を使用しようと思えば精霊に渡した魔力から変換された属性魔力を体内に留めておき使用する必要があるのだ。
そんな事を考えているとアイラ親子の会話が聞こえてきた。
「 ひっく・・・ 魔物がきて パパが襲われたのを見たら怖くなって・・・・・ 」
「 あんな化け物に襲われたら仕方ないさパパが付いてるから大丈夫だよ アイラ 」
何とか落ち着かせようと優しく話かけるのだが、アイラちゃんの混乱収まることはなく興奮したまま話し続けた。
「 でも・・・ 魔物が・・・・・沢山・・・・・殺されて・・・ 」
「 アイラ? 何を言ってるんだ? もう魔物はいないぞ・・・・ 」
「 あれ? そうだよね・・・・ でも・・・・何でだろ・・・昔に本当にあった気がする・・・住んでた街に魔物の群れが表れて・・・・沢山死んで・・・友達も・・・・私も・・・・愛する人も・・・・・・私・・・・・私が弱かったから・・・・ 」
「 アイラ? 落ち着いて・・・お家に帰って休もう!魔物に襲われて混乱してるだけだよ 」
「 大丈夫だよ パパ もう・・・平気・・・・急に色々思い出して混乱してただけ 」
まるで取り憑かれたかの様に話し続けるアイラちゃんの話すその話の内容が、俺と同じ異世界を思わせる事と急に3歳児とは思えない話し方になった事に気づき前世の記憶が覚醒したのだと確信したのだった。
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