16話 幼稚園では保育士不足なようです。
3歳になり幼稚園に行きだしたのですが、当然周りは幼児ばかりな分けです。
前世の年齢を足すとアラサーな俺にとって同じ年の子供と遊ぶというよりは幼い子のお世話って感じになってしまっちゃってます。
だって目の前で幼児が泣いてたり独りぼっちで寂しそうにしてたら放っておけませんよね?
絵本の読み聞かせや喧嘩の仲裁とかしてたら自然と行動が保育士さん側の様な感じになってます。
前世で26歳で亡くなったので29歳ですよ実質!
まぁ肉体年齢に精神が引っ張られてるから頭と心が一致しない感じで混乱しちゃいます。
「 聡一先生 ありがとねぇ 」
「 ちょっと 陽子先生 俺は先生じゃないですって 」
「 でも実際、私たちと同じくらい園児の面倒見てくれるから助かるのよねぇ うちの園、保育士不足してるしねぇ 」
そうなのだ、園児の数に対して保育士さんの数が絶対的に足りてなく全部の園児に目が届ききってない状態となってしまってる。その為、先生達が動くより先に俺が動かざるを得ない様になってしまってるのも、園児の世話を俺がしてう原因の一つだ。
「 ソウイチしぇんしぇー えほんよんで~ 」
「 アイラちゃん 俺は先生じゃないって! そもそも俺と同い年でしょ~ 」
「 そうだっけ~♪ 」
「 まぁ いいけどさ 何を読んで欲しいのかなぁ? 」
「 ん~ えっとねぇ シンデレラ~ はやくはやく~ 」
そう言って駆け寄ってきたアイラちゃんは俺の手を取ると絵本の置いてある本棚のある場所へと引っ張りながら走って行った。
「 ちょっと 待って転ぶって 」
「 だいじょうぶ だいじょうぶ~ 」
そうやって本棚にたどり着くとシンデレラの絵本を取ると周りにいた園児達も集まってきたので、いつもの様に絵本を読み聞かせしてあげながら、シンデレラの絵本でも魔法が登場するんだなぁこの世界にも昔には魔法が存在してたのだろうか
そう思っていると、部屋の隅に黒いモヤの様なものが漂っているのが見えたのでクラーテへ魔力を送ると浄化の魔力を込めた光の玉をソレに向けて投げると、ソレは光の玉に当たると消滅していった。
まただ!と思う 最近アレが幼稚園によく現れる様になってきている。
人の負の感情と周囲の魔素が結びついた時に生まれるソレは悪霊と呼ばれていた。さっきの様な生まれたばかりの悪霊であればさほど危険ではないが見つけたら倒しておくのが一番だ。負の感情を受け取り続て自我を確立してより強い悪霊となってしまっては厄介だ。
そう思いながら読み終わった絵本を閉じたのだった。
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