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権力ってのは難しいもんだな

 歴史には多くのターニングポイントがある。


 例えば日本はじめての大きな戦争である倭国大乱


 聖徳太子による遣隋使派遣


 平清盛による武家政治の始まり


 源氏による平氏討伐


 足利氏による鎌倉幕府討幕


 織田信長による室町幕府滅亡


 薩長による江戸幕府討幕


 日本が大国への道を歩み始めた明治維新


 日本が大国であると世界に認めさせた日露戦争


 日本を破滅へと導いた日中戦争、太平洋戦争


 日本再興への一歩となる朝鮮戦争


 高度経済成長


 今自分たちが住む日本はこのような歴史が結びついてできたものだ


 もしこれらのポイントが少しでも変われば、その後の歴史は大きく乱れるのである


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 権力が欲しい‥ 


 単なる厨二病を拗らせた人間の独り言だと思う人も多くいるだろう


 権力とは勢力,影響力,説得力などと同様,社会的な〈力〉の一種で,通常,制度化された強制力


 このように表されている


 簡単に言えば社会から見た自分の影響力みたいなものだ


 権力さえあればこの世の中をどのようにだって変えられる


 しかしその権力を手にすることも、仮に得たとしてもそれを保持し続けることも歴史が語るように

 とても難しい


 世の中の常人には到底手に届かないところに権力は存在するのだ


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 生徒会長になった


 案外簡単になれた


 そりゃ一人しか出願していないのだから当たり前だが


 え?なんで生徒会長なんかになったって?


 面倒くさいし、生活は縛られるし、どうせ内申目当てなんだろ?


 別にそう思われたっていい


 でも僕は絶対にこの学校を変革するんだ


 この学校の歴史に革命を起こすんだ


 


 「この学校は腐っている!!!!」


 僕が生徒会長になって初めての全校集会で放った言葉


 本心を打ち明けたまでだ


 今僕には色々な視線が飛び交っているのだろう


 きもい うざい 吐き気がする


 そんなふうに思われているのだろう


 「部活動は誰も参加せず、授業中は誰も話を聞かない。学校行事は形だけ。ほぼ遊びじゃないか!」


 「生徒だけではない。これは教師陣にも言えることだ。なぜ授業をしない?なぜ部活動に顔を出さない?

  舐めているのか!」


 「こんな学校は今日でおしまいだ。今日から僕が指揮を取りこの学校に革命をもたらす」


 自分の本心を言えてとても満足だった


 これから自分が改革の中心なんだと思うと興奮がおさまらない


 全校集会は解散し、各自自分の教室に戻る


 その時までは自分は独裁者にでもなったかのような幸福感を得ていた


 しかし教室に戻り、座席に座っているといかにも頭の悪そうな餓鬼どもが近づき話しかけてきた


 「何お前。カッコつけてんじゃねえよwww。こんな底辺校で何が変革だw。勘違いもほどほどに

  しておけwww」


 「俺は本気だ」


 この言葉にクラスが湧いた(悪い意味で)


 「キメェーーーーーーーーーw」


 クラスのほぼ全員から罵倒を浴びた


 こいつらはお子ちゃまだな


 この時自分はそんなことしか考えていなかった

 

 「お前らだってこんなクソみたいな生活はうんざりだろ?俺についてくれば全て変えられるんだ

  黙ってついてこいよ」


 この時クラスの不良が俺に殴りかかってきた


 「何命令してんだよ、死にテェのか????」


 「おいおい暴力以外で解決するっていう発想なねぇのかよ??」


 呆れながら挑発した


 その後も相手は殴りかかってきた


 自分に武道の心得などなく、まんまと殴られ続けた


 それにクラスは大歓喜だった


 流石にやばいと思い助けを求めても誰も来やしない


 先生が来て、止めてもらえると思っても死なぬふりをしてパソコンをみてる


 やばい意識飛びそうだ


 「ゴベン゛ナサイ、」


 「おいおいw、学校のトップが情けねぇなw」


 「裸になって腹踊りでもしたら許してやるかw」


 その時の屈辱は今でも忘れない


 あいつらの要望を次々と聞き、実行した


 リンチをくらってから数時間後にやっと止めてもらえた


 もう俺は挫折していた


 一体何がダメだったのだろうか


 何一つ俺は理解ができなかった


 あいつらが馬鹿なだけだろう


 そんなことを思いながらふらふらと家に帰っていたら、事件は起きた


 赤信号だと気づかずに横断歩道を渡っていたら軽トラとぶつかってしまったのだ


 ただ俺は痛みなど感じなかった


 こんなふうになったのは全部あいつらのせいだ


 屈辱だった


 あまりの屈辱に脳が焼き切れた


 ただあいつらを憎み、恨み、蔑んだ


 死因は事故死になっていると思うが、これは俗にいう憤死だったと思う。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 なんだここ眩し


 ゆっくり目を開けるとそこには神々しい爺さんが立っていた。

 

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