悪役令嬢は名前を呼ばれるそうです
久しぶりに出てくるキャラ
獗獄柊風: 獗獄家三男、薊の双子の兄、17歳
獗獄柳風: 獗獄家公爵、50歳
ジルベルト・フカ・ヴァンビルゼ:シャロルの元兄、19歳
リリアーネが初めて城に来る日の朝、獗獄家ではまたまた揉め事が起こっていた。
「それで、どうして私が護衛をする理由になるのよ?!」
「それはお前がこの間サボったからに決まってんだろ?そんくらい考えろ。」
お互いがお互いの赤いマフラーを掴んだまま、喧嘩をしていた。
「まぁまぁ二人とも〜」
その間で、場違いな程和やかに、茶をすすりながら正座をする者が一人。
「「何だって!?」」
「あぢぃぃいい!!」
二人の怒りは迷うことなく、柳風へと向き。柳風が茶をまたすすったところで、湯のみは二人のくないによって割られた。
もちろん湯のみの中のアツアツのお茶は、柳風の太ももへと落ちていった。
「二人とも!!酷くない!?」
「「父上が悪い。」」
敵対する相手ができた時だけは、とても息ピッタリに合わせはっきりと柳風を罵った。
「うっ...分かったよ〜消えるね〜」
「「あっ....」」
さすがの素早さで、瞬きをする間もなく、目の前から柳風は消えていた。
「「はぁ....」」
自分の父の実力にはまだまだ追いつけない事を、知らしめられた二人はそんな柳風を追いかける事を諦めた。
そして結局、今回の護衛は薊がすることとなった。
「あ〜あ〜、もうちょっといたかったのに〜、てか、エリオット殿下?だっけあんまタイプじゃなかったな〜、」
そんな上から目線なことを呟くリリアーネの後を、怒りを漏らしながら、薊はついていた。
「てかっなんで今日は柊風じゃないの?」
急にくるりと薊の方を向いてそう、薊に投げかけられた。
(知らないわよ。私だってあんたの護衛なんてしたくないってば...)
薊はそんな悪態をつきつつ、彼女なりの頑張りで言葉にすることは避けた。
「まっいいや〜...それにしても、神官長様めっちゃ怖いよね〜もうちょっと優しくしても良くない??」
「お前が馬鹿だからだよ。」
「ん?なんか言った?」
思わずポロリと出てしまった、言葉を誤魔化すように、薊は全力で首を横に振った。
一方その頃、執務室では。
「はぁ〜疲れた〜。ありがとう、エリ。彼女といるとやっぱり疲れるんだよね。」
「だろうな。それで、イアン。裏口入学はどうにかしとくとして、イアンも新学期からは学校に戻ってくるんだろう?」
「まぁね。学校ではやることもあるし…」
何かありげに、イアンが目線をそらすのが気になったが、それよりエリオットには聞きたいこともあった。
「そうか。なら学校が始まる前にジルも含めて集まらないか?色々聞きたいこともあるしな。」
「う〜ん....分かったじゃ。今からジルを呼ぼう。実はここのところ忙しいんだ。」
「、そうか?じゃ、ウィル...コネクト...ジルベルトへの伝令を頼む。」
エリオットが連絡魔法を詠唱すると、エリオットの手には金色の小鳥がちょこんと現れた。
「ジル、すまないが急ぎ用がある。来てくれ。」
そう小鳥に話すと、小鳥はすっと消えてしまった。
刻みました。またまた次回も、シャロルは出てきません。
急ですが、挿絵をつけてみました。(できてるかわかんないですが…)
柊風と薊の双子ケモ耳っ子です
イラスト:堀田 真夜
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