閑話 母さんは貢ぎたいそうです(2)
本当にすいませんこの話を抜いてしまっていたようです
(´•̥ω•̥`)<スイマセン!!
その日の収穫は特になく、ソリアが店から全然出てこないので、エンディーが痺れをきらしたところで、家に帰ってきた。
「ただいま〜」
「....おかえり。」
家に帰ると、少し不貞腐れているカリーがいた。当たり前のことだろう。朝の洗濯から、今作ってくれている夕飯まで、全て任せてしまったのだ。
「ごめっ」
「ごめんね〜カリー...シャルがどうしてもって言うから....ひっ.....」
じろりと、私もカリーもエンディーを見ていることに気がついたのか、エンディーは素直に謝ってくれた。
「それで?母さんがおかしいことは最近思っていたけどよー何かわかったのか?」
「いや、全然だったーーー!!悔しい!!!」
(んー...あの店はそうだと思うんだけど...でも母さんに限ってあんなとこ....)
「シャルねぇちゃんは何かわかったみたいだけど?」
「えっそうなのシャル!!教えて〜」
「えっいや〜」
「ただいま〜」
少し言いにくいと思っていたが、いい所でソリアが帰ってきたので言わずにすんだ。
_._._._._._._
「ねぇねぇシエル〜あの噂聞いた?」
白百合の香水をいつもつけていたその彼女は、私の妓女仲間の1人だった。
(何これ...夢?)
「...噂?」
勝手に私から出たその声は、今とは違う冷酷な声だった。
(これは...夢というより記憶を見ているの?)
シエル。それが妓女だった時の私の名前だ。この姿はきっと一周目の私だ。エリオットの婚約破棄も素直に了承し、妓女となってもその中にある気高さを忘れなかった私。いや、エリオットへの想いを素直に出さずに、ただリリアーネと周りの貴族にしてやられたと言ってもそう変わりなかった。
(その事に気がついて涙したのは、梅毒にかかって死ぬ間際だったけど....はぁこの周期の私は馬鹿だったなー)
シエルとしては、何故かその気高く冷酷な部分が一部の客層に受け、高級妓女まで上り上がっていた。
「そう、でっその噂なんだけど...」
目の前にいるのは同じく高級妓女だった子だ。名前も顔も何故か思い出せないが、白百合の上品な香りをいつも纏い、噂好きだったことを覚えている。
(確かこの子は、洗礼の儀が終わった頃にはもうここで働いていたって言ってたな....じゃあもう今頃花街にいるのか...)
「ねぇ聞いてるの?!」
(....っ!?)
「...聞いてないわ。」
少し、シエルではなく、私に話しかけている感じがして驚いた。
「分かってるよ〜シエルがこんなこと興味無いってことぐらいね〜まぁいいよ、勝手に話すから〜、まぁとにかく黒髪の美青年があの店に入ったらしいよ〜それはそれは綺麗な髪に〜琥珀の目。ついたあだ名は、黒夜を照らす、満月の美青年。って、あっれ〜興味ないんじゃないの〜」
「別に、私と同じ髪に目の色。少し気になっただけよ。」
(あぁなるほど...この夢を見た理由が何となくわかった。)
その黒髪の美青年は私の、シャロル・エト・ヴァンビルゼの兄ジルベルト・フカ・ヴァンビルだった。最後まで、私を庇ってくれたジルベルトはおそらく私と同じように追放されたのだろう。
噂でしか聞けなかったが、ジルベルトが入った店は男娼を売る店だった。
男は大抵奴隷として力仕事をすることになるものだが、追放後顔が良ければ花街に送られてくることもあった。
(母さんが入ったのがその男娼を売る店なんだよな....)
_._._._._._._
私の昔の夢を見たその翌朝。私は、思い切って母に聞いてしまった。
「えっ...エナもシャルも付いてきてたの!?うそ....そう、、、」
あからさまに焦っているソリアに私の中にあったソリアへの疑惑は深まってしまった。
「その、母さん。あの店に...その..」
「....ん?あぁ〜、シャルが思っているようなことはないわよ...そもそも、私とドムリの中誰にもどんなことにも断ち切られないわっ♥」
「おはよ...朝から可愛い声で嬉しいことを言ってくれる女神は誰かな?」
「あらっ?聞かれちゃった〜」
ソリアは少し恥じらいう仕草をしながら、ドムリとおはようのキスをした。
(キスに対しては何の恥じらいもないのなんなん...)
結局、何故ソリアがあの店に行っているのかは聞けず、私は二人の雰囲気にため息をついた。
_._._._._._._
(ん〜...あの店の昼間の姿があるとか?それとも...)
「シ.....ル.....シャ.....シャル!!!」
「っ!?何?急に耳元に話しかけないでって言ってるじゃん!!」
「ごめん、ごめん。でも今回は何度も声掛けてるのにシャル気づかないから...ほらっ洗濯全部終わってるよ。早く干そう!!」
「あっ...」
ソリアの事を考えているうちにいつの間にか、洗濯が終わっていたようだ。
昨日、カリーに全てを任せたことにより、今日は私とエンディーが全てやることになったのだった。
「...男娼達にできること...か」
「えっ?!、...母さん男娼に会ってたの!?!?」
ガシャン...
「なん...だと...」
「「あっ....」」
何かが大きく落ちる音がしたと思ったら、それはドムリが自分の剣を落とす音だった。
「そんな...ソリア...が....」
ドムリはそのまま膝から崩れ落ち、動かなくなってしまった。
「あちゃー....」
(どうするよこれ...。)
「というかなんで父さんがこんな早くに帰ってくんの...」
「今日は...その...結婚記念日だから、...職場にフリをして....。」
(なるほど、...って)
「「結婚記念日!?!?」」




