悪役令嬢は愛の重さを知るようです(2)
久しぶりに出てくるキャラ:
フィル:カリーの体を借りている精霊
ララ:シャロルの使役精霊、水属性
ノノ:シャロルの使役精霊、火属性
「どうですぅ?逆ギレの理由も分かって...なっえっ!?なんでガン泣きなんですぅ二人ともぉ〜てかこっちもですぅ!!」
「「「「だってぇー」」」」
大鏡の映像が終わるとそこには涙を流す4人がいた。いつの間にかソリアとドムリも見ていたようだ。
エンディーがあんなに思い詰めていたとは思っていなかった。しかも気が付かなかったのだ。こんなに近くにいたのに。
お姉ちゃん。その事がこんなにもエンディーを苦しめていた。
「エナねぇちゃん..いっつも、笑顔でっ...全然気が付かなかった...。」
「そんなん....俺もだよっ!!ずっと、シャルばっか気遣って...エナねぇちゃんに..頼ってばっかだ。本当は妹なのに...。」
「そうなのね。私たちも理解できていなかったわ。エナの気持ち。」
「ソリア...そうだな。俺たちはエナにお姉ちゃんを押し付けてしまったんだな。」
全員言いたいことを言い切って、今度は全員で干からびた。
「あのぉ〜反省は終わりましたかぁ?スィーピア思うのですがぁ〜大事なのはこれからなのですよぉ〜」
スィーピアのその言葉に皆がハッとした。そう、エンディーが出ていった理由はもうわかったのだ。だから、もう自分たちが何をするべきかは決まっている。
「「「「向かいに行こう!!!!」」」」
こうして作戦会議は開かれた。
「でもね〜問題があるの。」
ソリアのその言葉にまだ何かあるのかと、その場に緊張に走る。
「ほら、隠密スキル。あるでしょ?エナは...」
その言葉にドムリとカリーは何かを思い出したようだった。
(は?隠密スキル??えっ、この状況で?)
「そうだったな。」
「しかも、エナねぇちゃんめっちゃ使いこなしてるから隠密スキルレベル高いし...いやMAXになってるかも..」
ドムリとカリーが頭を抱えた。その姿が似ており親子だなと感じ...
(てる場合じゃないね!!なんで隠密スキルMAXなの?おかしいんじゃない!?どういう状況生きてくればMAXになるの??)
「しかも見つけても逃げ足も速いでしょう?シャルを産む前までは旅をしていたから、やっぱりそこでの訓練が聞いてるんでしょうね…」
話についていけてない私にそう言ってソリアはまたありえない話を聞かせてくる。
(何やってるの?この親!!)
「いや〜エナは随分才能があったよな〜」
「感心してる場合じゃないでしょ!!」
さすがに机を叩いて私は立ち上がった。
「そっそうね...」
「すっすまん。」
エンディーに逆ギレをくらったばかりからか二人は顔を強ばらせながらそういった。
「このスィーピアが手伝ってあげてもいいのですよぉ〜」
「あら〜スィーピアちゃん、まだ現れてたの?あなたがもっと早くにエナのこと教えてくれたらこんなことにはなってなかった共におもんですが??」
「あっアリ、いえ!!ソリア様!!それは..そのっこの問題は突っ込んではいけない気がして...」
「ふ〜んそのくせ盗撮はしていたわけですか?」
「えっと、いやあの〜」
(スィーピアお疲れ様でした。)
心の中でスィーピアの冥福を祈った。
_._._._._._._
「じゃあまとめるわね。とりあえず、この作戦全てスィーピア便りになってしまうわ。失敗したらスィーピアのせいね。」
「えっ!?そっそんな〜ひど...くないですぅ〜全然やってみせますぅ!!」
「じゃあ、いきましょ!!」
作戦はこうだ。
「音?」
「そう、風邪魔法の応用で音を拾うことで目標を探知できる魔法よ。それをこの街全域にかけるの!!ってことでよろしくねスィーピア!」
「ちょっと待ってくださいぃー!!えっ?この街全域ですかぁ?区画だけじゃなく??それってどれだけ難しい」
「スィーピアにはできるわよね?」
「やらせていただきマース!!」
「あっ他にはバレないように隠密かけながらやるのよ!!」
「えっ.....」
さすがに絶望が見えた顔だった。
チリン
小さな鈴の音が鳴った。スィーピアがエンディーにマークをつけたんだろう。これからはエンディーが動く度この鈴がなるようになる。
「よしっエナねぇちゃん、待ってろよ!!フィル。」
「はいは〜い。全く手荒だな〜。」
「いっつもいいとこ取りしてんのはそっちじゃねーか!」
「わかったよ。じゃいくよ!!へーんしん☆っと」
フィルの言葉によってカリーの体には半透明の羽が生えた。
「よっしゃじゃいくぞ!」
そう言うと、低空飛行で路地を慣れたように飛んだ。
チリンチリン
(こっちね!!)
「ソリア!」
「ドムリ!!」
「近いぞっ」
「わかってるわ!!」
ソリアとドムリは合流し、二人は屋根の上を飛び移った。
チリンチリンチリン
「あー!!もう無理ですぅ!!でもここでやめたら殺されるですぅ!!!」
街の上空ではスィーピアが疲労の顔を浮かべつつ、真上に大きな魔法陣を幾つも展開していた。
チリンチリンチリンチリン
で、私はと言うと...
「お留守番って...」
もしかしたら帰ってくるかもしれないからというソリアの言葉によって私は家に置いていかれた。
「確かに足で纏いかもだけども!!」
『本当だよ。僕らだって頑張れるのに!!』
『それこそ本当かな?』
『なんだって?』
『だってノノは火を出すしか能ないじゃん!!』
『うぐ...それはそうだけど...それはララだって同じだろ。』
『....そうね。』
珍しく、ノノもララもしゅんとなって私の肩にもたれかかった。
ガチャ
「えっ!?」
I˙꒳˙)ちなみに...
・今回スィーピアの使った広範囲魔法、とてもレベルの高いものです。その上魔力量もかなりかかる。普通は数十人で取り掛かる魔法をやってしまうスィーピア。さすがは上級精霊です。
・フィルの設定ですが、今のところはスィーピアやノノたちとは別物だと(精霊ですが...)考えていただけるとありがたいです。
面白かったらブクマと★5つよろしくお願いします
<(_ _)>




