表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

四話


バンブルの町に入ってすぐに俺は盗賊達を警備隊に連れていくことになった。ダンは商談に向かうらしく、俺が一番適任だったからだ。


「ふむ、此処だな」


地図を書いてもらい、道を歩く人に聞きながらやっとたどり着いた警備隊の施設。大きな門があり、その奥に何棟かの建物が見える。


(とりあえず入るとするか)


門をくぐり抜けようとすると一人の男が駆け寄って来た。


「ちょちょちょ、ちょっと!何入ろうとしてるんですか!困りますよ!用事も無いのに入ろうとしないでくれませんか!?」

「用事ならあるぞ。盗賊の引き渡しだ」

「へ?何を言って…ってうわあ!?」


空間魔法でしまっておいた盗賊達を引きずり出す。ぽいぽいと積み上げたら男は慌てて誰かを呼びに行った。

空間魔法は魔王だった時一番得意の魔法だった。今も使えるみたいで安心したが、ダンに話すととても驚かれ、関心された。

魔界では使えて当然の魔法ではあったが、人間からするとそうでも無いらしい。使う場所も限定されるかもしれないな。

足音がして顔を上げる。先程の男とその後ろに屈強な黒髪の男が歩いていた。同じ制服を着ているが黒髪の男は上背もあり威圧感がある。


「すみません、お待たせしました!隊長、よろしくお願いします」

「ああ。全員縄で縛ってくれているのだな、助かる」

「ダンガン商店の荷馬車を襲ってきた。これがダンからの手紙だ」


ダンガン商店の紋章入り封筒を渡す。隊長と呼ばれた男はそれを受け取り、入っていた手紙に目を通していた。


「間違いないようだな。俺はこの町の警備隊隊長、ビル・ゼラニムという」

「グレンだ」


握手を交わすと、ビルは胸元から紙を出し何かを書き手渡してきた。


「これは?」

「盗賊討伐の報酬だ。傭兵組合に持っていってこれを見せたら報酬を貰うことが出来る。ダンガンからも何か礼をされるかもしれないが、それとは別だと考えてくれ」

「分かった、ありがたく受け取ろう」


便箋を受け取りビルに背を向けた。歩き出そうとしてふと気づく。


「すまない、傭兵組合はどこにある?」






ビルに書いてもらった地図を頼りに歩いているとダンが立っていた。俺の姿を見て手を振ってくる。


「偶然だな、グレン。無事引き渡せたのか?」

「ああ。報酬を貰えと言われて紙も持たされたぞ」

「じゃあ傭兵組合で引き換えてもらうといい。そうだ、所属したい組合は決まったか?」

「そうだな…」


友人達を探すには色々な所を見て回るのが一番いいだろう。そうなると傭兵組合が良さそうだが、魔法は今も使えるから魔法士組合も捨て難い。探索者組合も悪くないがちまちま薬草を集めたりするのは面倒だ。折を見て所属した方が良さそうならその時でいいだろう。


「二つ所属することは出来るのか?出来るのなら傭兵組合と魔法士組合に所属したいのだが」

「もちろん出来るぞ、登録してもらえ」


ダンについて行って傭兵組合に向かう。ダンはこの近くで

建物の中は広々としていて開放感があった。入って右手の壁には大きな掲示板がかかっていて何枚も紙が貼られている。

正面にはカウンターがあり、左手にはテーブルと椅子が幾つか置かれている。


「いらっしゃいませ〜あら、ダンさん!」

「よう、久しぶりだな」


ダンの姿を見たポニーテールの女性が話しかけてきた。顔見知りだろうか。

傭兵組合というから厳つくむさ苦しい感じを想像していたがそんな事は無く、女性もいるし小柄な人もいる。意外と爽やかな雰囲気だ。


「コイツの報酬の受け取りと登録をしてやってくれないか」

「かしこまりました!では、こちらへどうぞ。お名前は?」

「グレンだ」


ついて行くと、カウンターに案内された。アトマに貰った紙を手渡すと、女性は驚いた顔をして奥へ消えた。しばらくして戻ってくると、カウンターの上に小袋を置いた。


「お待たせしました!ええと、盗賊討伐の報酬ですね。一人につき銀貨十五枚、十三人でしたので金貨一枚と銀貨九十五枚となります」


袋を受け取り中を見ると金色と銀色の硬貨が入っていた。これがお金というものか…。

実のところ俺はお金に触ったことがない。全て補佐官が管理していて実物を見たのは初めてなのだ。どれもすべすべして輝いている。なかなか綺麗だ。


「次に組合への登録をさせて頂きますね」


組合に所属する人には階級が付けられる。仕事の実績に応じて階級が上がり、その階級を目安に依頼を受ける事が出来て、きちんと依頼を完遂させれば実績が上がるというシステムらしい。

最初はEから始まり、階級を上げていくとD、C、B、A、そしてS級となる。依頼の階級も同じで、難易度に合わせて上がり同じまたはそれ以上の階級の人がその依頼を受けられるらしい。

出された書類に名前を書く。それが登録の手続き書類になるようだ。


「グレンさんは既に盗賊討伐の功績がありますので、D級で登録致しますね 。これが証明証です。無くさないようにしてください」

「これがか」


名前と階級、発行した日にちと場所が書いてある手のひらサイズのカードを渡された。あとでしまっておこう。


「依頼を受ける時は各組合の掲示板に貼られている依頼書から依頼を受けてください。複数人でないと受けられない依頼もありますので、注意してください」

「うむ、分かった」

「これで登録完了となります。分からないことがあったら気軽に訪ねてくださいね!」


女性に礼を言いカウンターを離れる。ダンはいなくなっていて、代わりにジェイが立っていた。


「ごめんなさい、ダンさんは別の場所での商談に向かいました。なので私が案内させてもらいますね、グレンさん」

「ああ、よろしく頼む」

「魔法士組合ですよね、この建物の向かいにあるのですぐですよ!」


向かいにあるのなら一人でも行けるのだが…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ