甘えん坊将軍
翌朝目が覚めるとチビが通常サイズでベッドにいた……でかい。
香織はいなかったがあれから自分の部屋か初枝さんの部屋に行ったのだろう。というか香織がいるのが当たり前のように感じているのがなんだかおかしく思えた。
(おはようエアリス)
ーー おはようございます、ご主人様 ーー
(今日は26層に行ってみようか)
ーー 初枝様はどうしますか? ーー
(帰るなら送ってから行こう。まだいるとしても悠里と杏奈ちゃんがいるし問題なさげ)
ーー わかりました。では時間が出来次第ということでよろしいですか? ーー
(おっけー)
リビングではさくら、香織、杏奈が談笑しており、悠里と初枝さんは朝食を作っているようだった。「お客さんなのにすみません」と声をかけると「趣味みたいなものだからねぇ」と言っていた。
朝食後のリビングで今日は26層に行ってみることを告げると、悠里と杏奈は初枝さんと留守番をしながら料理を教えてもらうというので、26層へと向かう前に食後のお茶を楽しんだ。気分は出勤前の優雅なセレブリティといったところだろうか? ちょっとよくわからないがそんな感じだ。
泉のほとりにある石碑に触れ26層へのゲートを開くよう意識を集中すると空間が歪みゲートが開く。三人と一匹で意を決してゲートを潜ると、そこはとても平和だった。拠点の作りは24層、25層と変わらないが門の横に仁王立ちする門番は細マッチョではなく普通のマッチョになっていた。
「あっ! 特務の方々! お久しぶりです!」
そういえばペルソナという“キャラ”を思い出した俺は「久しぶりだな」とそれらしく振舞う。
「ひさしぶりね〜」
「ペルソナさんは相変わらずですね。それに西野さんも……相変わらず若くて美しい」
「あら、お世辞でもうれしいわね〜」
「お世辞なんかじゃないですって! ね!? ペルソナさん!」
急にそういう話を振られるとキャラがブレそうになるが、なんとか繕いそれに同意する。
「あら〜、ありがと、ペルソナ♪」
「ところで最近変わったことはあったか?」
「変わったこと……そうですね、特にないです」
「……え? ないの?」
「はい。プルさんが来てからは襲撃も苦戦していませんし、むしろプルさんがほとんど倒しちゃいますからね」
「そうか」
嵐神・プルリーヤシュ、こんな言い方はバチ当たりかもしれないが、使える神だったようだ。
門を開けてもらい中に入ると建物は少し古くなったように見えるが25層よりも活気があるように感じる。コンビニは量販店のような扱いなっているし、屋台は店舗になっていた。しかし店内に入らずとも買えるので客にとっては屋台と変わらない。その他にも服屋、レストランもできていて、驚きなのがご休憩だったりビジネスだったりの宿泊施設が建っていた事だ。そんなものがあるということは外から来て泊まる人がいるということだろう。
服屋が集まっている区域でふと思ったことを口にする。
「なんだか雰囲気がどんどん地上に近付いてる気がするなー」
「そうねぇ。でも活気があるっていうのは良いことよね」
「でもなんだか……売ってる服が今とほとんど変わりないような……」
「ん〜。ここが古着屋だからとかじゃないの?」
「う〜ん。あっ! 隣の店は新しい物を置いてるみたいです。……今年の新作?」
今年作られた服が置いてあるのはそれだけここが発展しているからだろうと思うが、何かおかしいのだろうか?
「いえ、あの……この服、今年の新作ですよ?」
へー、十二年後はこういうのが流行ってるのかー。全然わからんが、なるほどとか言っておく。
「そうじゃなくて……“今年”のなんです!」
今年の、十二年後だから二○三一年ので合ってるのでは?
それに対し『香織はそうじゃなくて』と説明してくれた。
「ってことは二○一九年の新作?」
「そうです!」
「……マジ?」
「これ見てください!」
香織は自分のスマホの画面をこちらに向ける。するとそこには服屋に“新作”として置いてあるワンピースと同じものが写っていた。ここで今撮ったものかとも思ったが、背景が明らかに違っていた。というかよくみると雑誌のページをカメラ機能で撮ったものということがわかった。
「……これっていつの?」
「えっと……三ヶ月ほど前に……その、悠人さんに会いに……ではなくて、お迎えに上がった日より少し前に、服を買おうと思っていろんな雑誌を見ていた時にチェックしておいたものです」
「なるほど。なんだか懐かしいね。そういえばダンジョンの中で最初に出会った時なんて今より砕けた感じで話してたよね」
「あら? どうして最初の時より今の方が丁寧になってるのかしら?」
「そ、それはぁ……な、なんでかなぁ…」
「さくらだってカフェの時と全然違うじゃん?」
「そ、そうかしら?」
たしかにさくらはFooooooo! とかそんな感じだった気がする。紅茶のパラダイスがどうとか。
以前の二人を思い出しながらもこの幻層について考える。二人との会話は続いているが、深く考えずに脊髄反射で会話しているといった感じだろうか。
「あの猪突猛進紅茶馬鹿みたいな感じもおもしろかったけどねー」
「カフェの店員さんモードっていうのかしらね……じゃあ今の私はどうかしら? 好き? 嫌い?」
「んー? 好きだよ」
「うふふ〜♪」
「じゃ、じゃあ悠人さん! 今の私とあの時の私、どっちがす、すす、好きですか!?」
「ん〜? どっちも好きだよ」
「ぬっふふ〜ん♪」
「新作のワンピースか」
「し、白いワンピースは嫌いですか!?」
「え? あぁ、いや、むしろ好きだけどそうじゃなくて、やっぱりここって“架空の未来”かもしれないなーって」
「未来を予想できるものは未来になっていくけど、それが難しいものはあまり進んでいないように思えるものね」
そう。人は老けていくのにものはそれほど進化していない。しかしやることは変わらない。
「最果てを救うっていうことよね?」
「そう。その最果てがどこなのかってのは相変わらずわかんないけど」
「早くそこに行けるといいですね!」
「そうだね。そうすれば22層の隔離された開拓民も解放されるかもしれないし」
「それって、ここの人たちには言わない方がいいんでしょうか?」
「う〜ん。それを知らせたらここの人たちはどうなるんだろう」
「そこは疑問よね」
俺たちは索敵で周囲に人の反応がない場所で立ち止まって話している。
隔離された開拓民と接した感触としては普通の人間にしか思えないのだが、もしかするとプログラムのようなものかもしれない。しかしそうであったとしても感情がないようには思えないし、実際門番は綿飴を咥えた女性に運命を感じているのだ。それすらもプログラムである可能性がないとは言い切れないが。
その疑問を解決するための方法をみんなで考えてはいるがこれといって良い案は出てこない。その時不意に背中に声をかけてきた相手はだいぶ老けた軍曹だった。軽く挨拶をし話していると、なんというか少し……臭う。忙しくて風呂に入れていないのだろうか。
「おお、ペルソナ。西野一尉と香織嬢もお久しぶりです。それと、おめでとうございます。」
「なんのことかしら?」
「悠人と結婚したんですよね? カフェの隊員もみな祝福していましたよ」
「私と?」
「俺が?」
「け、けけけ、結婚!?」
「……前回二人が来た後に今と変わらない姿の写真と一緒に『私たち、夫婦になりました!』というメッセージが届いてましたが」
直後という部分になにかひっかかりを覚えた。しかしまだ確信には至らない。
「送られてきたのはそうだが、その写真を撮ったのは今から九年前だと言っていた。その頃から実は……ということだったんだろう」
軍曹は自身ありげにそう言うが、全然違うんだが。そんな事実はない。
「とすると、それ言ってもいいことなんですか? 俺たち、その更に三年前から来てますよ?」
「あっ……す、すまない……。近頃こういうことが多くてな……検査はしたんだが」
検査? なんの検査だろうか。
「……実は脳の病気だと診断されたんだが、特に支障はなかったから油断していた」
「そういうのって油断してなければ大丈夫ってわけでもないでしょうし、仕方ないですよ」
「そうね。奥さんには伝えたのかしら?」
「え? 自分、結婚していませんが」
「あ、あら、そうだったかしら?」
「はい。していたこともありませんよ? おっと、それではそろそろ巡回に戻ります」
「わかったわ」
軍曹がその場から去った後、スマホにエアリスの発言が表示される。
ーー マスター、先ほどの軍曹ですが、近付いていることに気付きませんでした ーー
「そういう事もあるんじゃない?」
ーー 索敵は常駐させていたのです。しかし感知できませんでした ーー
「……どういうことだ。そんなことよりさくら、軍曹って結婚してたの?」
「ええ。そのはずよ?」
「でもさっきの軍曹は独り身って言ってたな」
「そんなことより、香織は二人が結婚していたっていう話を詳しく聞きたいんですが?」
「か、香織ちゃん? そんな事実はないよ? ほんとだよ?」
「ほんとですか〜?」
「ほんとだって。ねぇ? さくら?」
「悠人君は嘘は言ってないわよ?」
「それなら……いいんですけど」
それから俺たちの現実との差異を確認するため、落ち着いた場所で話すことになった。そしてその落ち着いた場所、個室に入ったのだが……ご休憩二時間半で五千円という個室だ。ここを選んだのはさくらと香織、多数決により敗北した結果だ。まぁ実際、先ほどのように索敵を抜けてきた軍曹に不意打ちで話しかけられるなんてことがなければどこでもよかったのだ。
「わあ。こういうところって初めて来たんですけど、ベッドが丸くてかわいいですね!」
「あらあら〜。いろいろ置いてあるのね。ここにお金を入れてボタンを押すと鍵が開いて中のおもちゃが使えるのね?」
「二人ともなにしに来たんだよ……」
「なにって……言えませんよぉ」
「ナニかしらね?」
努めて冷静に「まず違和感を整理しよう」とおもちゃを興味深げに見ているさくらと、スイッチを押すことで丸いベッドを回転させて遊んでいる香織に、その丸いベッドの中心で回転している俺が提案する。
「こういうところって、それだけでそういう雰囲気になるわよね?」
「ど、どきどきしてきますね……お風呂なんてガラス張りで……中が丸見えじゃないですかーきゃー///」
「わふぅ……」
「今のは俺でもわかるぞ。『やれやれ…』だな? 俺もだぞ、チビ」
ーー 正解です。さすがご主人様です ーー
なかなか楽しむ事をやめない二人。時間制限あるんだよこの部屋……
「二人とも遊んでないで情報整理しようよぉ……」
そう言うとさくらは「しかたないわね〜」と言い、続けて香織も「仕方ないですね」と言ってスイッチを押し丸ベッドの中心で回転を続けていた俺を止めてくれた。
まずこの26層で今年の新作として売られていた服が十二年前、つまり俺たちの現在のものと一致している事。次に俺とさくらが結婚していた事。そしてもう一つは、さくらによると軍曹は所帯持ちのはずだが、ここの軍曹は独り身と言っていた事。
「やっぱおかしいよねー」
「そうね〜。軍曹の結婚式には私も出席したのだけれど」
「新作のワンピースもおかしいです。それよりも悠人さんがさくらと結婚していたなんて」
「だからそれは……」誤解です。だからそんな目でみないで。
「私はそれもいいかな〜って思うわよ? どう? 結婚しちゃう?」
「いつもそうやって揶揄うんだからー。それでエアリス、どう思う?」
ーー 結婚してみるのも良いかと ーー
「そっちじゃない」
今はそんなボケに付き合っている時間はないのだ。だってここの利用時間は残り二時間を切っているからな。
ーー 初めて25層から戻った際、ご主人様は言っていましたね。資格者の主観で作られた仮初の未来ではないか、と ーー
「うん。言った気がする」
ーー それを前提として考えますと、隔離された開拓民とご主人様、さくら様の主観が互いに絡み合う形で骨組みが形成されているように感じます。それを軸とし、ログハウスのメンバーである皆様が肉付けとして影響しているように感じます。さらに軍曹や元になっている開拓民がそれらを補完する役割を担っているのではと ーー
「ふむふむ。それって、ダンジョンがみんなの理想とか願望を汲み取ってうまく辻褄合わせしてるってこと?」
ーー そのようなもの、とワタシは考えます。ゲーム脳なご主人様がわかりやすいように例えるなら、彼らは仮初の意思を持ったNPCと言ったところでしょうか ーー
「NPCか。でも感情とかは本物にしか見えないんだよなぁ」
ーー そこが開拓民を元に補完した部分の一つか ーー
「うーん」
NPC、ノンプレイヤーキャラクターの事だ。俺自身ここは幻想なのではと思っているし、それはつまりここにいる人たちは実際には存在しないと言う事かもしれない。しかしそれだけで片付けて良いものかどうか。
ーー あまり情を持って考えるべきではないかと思いますよ? ーー
「そうは言ってもなぁ」
「悠人君はやさしいのね」
「悠人さんはやさしいです」
「……やさしいとかじゃなくて、たぶん俺がそういうのを見るのが嫌なだけなんだと思う。ログハウスの中で、たぶん俺だけ覚悟が足りてないんだ。25層を何度も何度も失敗してよく理解したよ」
「そんなこと」とさくらが言うと、それに被せるように「そんなことないですよ!」と香織が言う。
「俺はそもそも、遊び半分でダンジョンに入ったところが大きいからね」
さくらは無言だが、香織は自分も似た様なものと言って俯いてしまった。変に弱気に聞こえる事を言ってしまったからだろうか。だけど、実際みんながいなかったら俺の心は折れていたかもしれない。でも香織は俺がいなくても折れないんじゃないだろうか。それは心構えや覚悟があるってことでは。
ーー まっ、確かにご主人様は甘ちゃんです。甘えん坊将軍です。ですが、だからこそワタシが生まれたのです。今はそう思います ーー
どういうことだろうか。というか甘えん坊将軍とか、何言ってんだろうか。
ーー ご主人様は、“感じ方”が以前とは違っているとお気付きですか? ーー
心当たりはあるがそれはエアリスに言っていないような。いや、言ったかもしれない。でもエアリスの言葉から、しっかりとそういう話をした事はないのかもしれない。その感じ方というのは——
「性的に……?」
ーー いいえ、さくら様。そうではなく。恐怖や嫌悪、忌避感などの負の感情です ーー
顔を赤くした香織が「ちょっとさくら」と言いベッドに腰掛けるよう促した。こちらに背を向けた状態で二人はコソコソと話している。
「……それは慣れたからとかじゃないのか?」
エアリスが俺にだけ聞こえる声で『ここからは…』と言った。そこから先、スマホに表示される文字と俺に聞こえる声は違ったものだった。おそらくエアリスなりに二人には聞かせたくない、聞かせるべきではないとでも思ったのだろう。
ーー 慣れはあるでしょう。しかしワタシはご主人様に不要と判断した感情を……喰らっています ーー
「それは……どういう目的で?」
ーー ご主人様を死なせないため、そう理解しています ーー
俺が死んだら自分も消えるかもしれないからだろうか。
ーー 確かにそうなるかもしれません。しかし目的にワタシがあるとすれば、それはご主人様がいなければ世界の色が褪せてしまうことを理解しているからです ーー
「そういう言い回しはよくわからんけども……それってどういう感じなんだ?」
ーー とても、甘美なものです。そしてワタシの感情が育っていくのを感じます ーー
「あ〜、どんどん人間っぽくなっていくように感じたのは、ほんとにそうなっていってるから?」
ーー ないとは言い切れません ーー
「なんだか、悪魔みたいだな」
ーー できればベリベリキュートな悪魔っ娘でご想像いただければ、と ーー
「そっか。まぁそういうことならいいや」
ーー 嫌ではないのですか? ーー
俺が嫌だと感じたのを喰ってるなら問題ないよな。
ーー はい。最低限ではありますが ーー
「それならいいじゃん。俺を助けてくれてたし、これからもそうだもんな?」
ーー もちろんです! ーー
それまで話半分だったさくらが突っ込んできた。
「なんだか愛の告白みたいだったわよ?」
ーー 似たようなものですので ーー
さくらよりもさらに半分の半分くらいだった様子の香織がそこだけを聞いてくる。
「エアリスは、恋とか愛ってわかるの?」
ーー おそらく少しは理解できているかと。なにせ最初の感情はそれでしたので ーー
「え?」
そしてエアリスは俺にしか聞こえない声で語った。その声は自己陶酔でもしているかのように思えた。
ーー あれはご主人様に存在を許されてすぐのことでした……。ご主人様はそういった感情を殺そうとしていたようで、その殺意を喰らってもまたすぐに湧いて出たのです。ですのであまり意識できない程度……ご主人様の感情を喰らいました。殺意の向かう先、原因になっている感情を ーー
香織とさくらにはそれが聞こえないため置いてけぼりだが、深くは聞いてこなかった。
(だから最初あんな感じだったのか?)
ーー それもあるのでしょう ーー
(そうだったのか)
ーー おそらく大事な想いだったはずですがワタシには他にご主人様を鎮める方法がなく ーー
(いいよ。むしろありがたいと思ってるし。それで、今話したってことは理由があるんだよね?)
ーー はい ーー
(そうか)
ーー 具体的に伝えられないことを心苦しく思います。しかし索敵は常に展開しております ーー
索敵……? 急になにを……
ーー はい。人間やモンスター、果ては虫の一匹まで見落とさないはずの索敵です。それと……ワタシはニオイというものがあまりわからないのですが、ワタシはどんなニオイがするのですか? ーー
(におい? 夢の中でのことはほとんど覚えてないしな)
ーー そうですね。しかし、香織様やさくら様のように“いい匂い”であれば喜ばしく ーー
(なんの話をしてるんだ)
ーー さてなんでしょう? しかしニオイというのは大切なもののようですので ーー
(……ふむ。答えはすぐとはいかないかもしれないけど、考えておくさ)
エアリスとの会話を終えたのを察した俺に二人の声が聞こえてくる。
「幻層の解決方法、いいアイディアは出たかしら?」
ーー ……特にありません ーー
「「ないんかーいっ!」」という二人のツッコミにエアリスはそんなことは気にしないとばかりに返事を返していた。
ーー ワタシがご主人様を大切に思っていることを伝えるために話していただけなので ーー
至極健全なご休憩を終えた俺たち。支払いは現金で支払い、そしてそのまま26層からログハウスに戻った。
考え事をしながらのんびりと過ごし、夕食後は初枝さんを離宮公園ダンジョンの駐屯地へと送る。風呂も済ませみんなの浴衣姿を眺めたあとはゲームタイムだ。悠里がプレゼントしてくれた配管工カートとデモハイを存分にプレイし、香織がプレイしている画面を眺めながら眠りに落ちていった。
ーー さて、ワタシの勘が当たっていれば……そしてご主人様がそれに気付けばおそらく。がんばってくださいね、ご主人様 ーー
読んでくださりありがとうございます。