プロローグ
どこまで書けるかどうかわかりませんが、どうぞよろしくお願いします。
「ねえねえ、聞いてよお兄ちゃん!」
「なんだよ、翼・・・」
「『End・World・Online』って知ってる?」
「まあ、知ってるけど…」
『End・World・Online』、通称『EWO』は明日から正式サービスが始まるVRMMOだ。まあ、興味はあるがやろうとは思わない。そもそもVR機器とソフト買うお金がない。
「そのゲームやろうよ!」
「断る」
「えー!」
「『えー』じゃない。そもそもお金ないし」
そこまで言ったとき玄関の扉が開かれた音がした。こんな暑い夏休みに家に来るのは一人しかいない。
「夏休みの宿題を写しにきたぞー、悟」
「いい加減にひとつぐらい自分でやったらどうなんだ。翔」
「だが、断る!」
「ドヤ顔になるとこじゃないぞ、それ」
親友の翔が俺の宿題を写しにくるのは毎年恒例だ。ちなみに、翔はゲーム廃人。妹の翼もだ。もう、ヤダ、この2人。
「あ、翔さん。あれ持ってきましたか?」
「もちろん、抜かりはない!」
「なに、持ってきたんだよ」
「テッテレー、VRギアと『End・World・Online』のソフト~」
「帰れ」
「辛辣!」
「つーか、なんで持ってきたんだよ」
「いや俺、βテスターでさ、テスターにはギアと正式版のソフトが二つ貰えるから」
「それで、翼に頼まれて俺がゲームやれるように持ってきたってところだろ」
「Exactly」
「ムカつく、死ね」
「辛辣!」
「とりあえず、俺はやらねえぞ、絶対に」
「それが廃墟の世界でも?」
ちょっと気持ちが揺らいだ。
「へ、へぇ~。でも俺は…」
「今の都市が廃墟になったのが好きなんだろ。大丈夫、第一の街は『緑に覆われた街・トーky」
「よし、やろう!今すぐやろう!」
決めた。このゲームは俺が絶対にプレイする!
「ね、言ったでしょ」
「本当に一瞬で陥落しやがった…」
翼と翔がなんか言っているが関係ない。今は翔からVRギアを強だt…ゲフン、ゲフン、貰わなければ。
「宿題を見せてくれるならこの一つ余ったVRギアと『EWO』ソフトをあげるんだけどなー」
「今すぐ宿題を持ってくるー!」
かくして俺はVRギアと『EWO』を手に入れたのだった。
ふふふ、明日のログインが楽しみだ。
次回はログイン&キャラメイクです。