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 西の街。


 夕日が照らす屋上で、雪妃とカミノ(の身代わりである使い魔である)の二人が向かい合う。



「他の街では、私の放った魔物と共に、仲間達が反乱を始めている頃だろう」


 二人は、まだ静かな街の景色を眺めながら会話を続けた。

  


「残る準備はこの街だけだが、どうも様子がおかしい。魔物を保管している基地のひとつから、連絡がない」


「ど、どういう事ですか? それは大丈夫なのですか?」


 雪妃が不安そうな顔を浮かべる、



「安心しろ。その為にここへ"救世主"を連れてきている。想定の範囲内だ」


「えっと・・・では、私はどうしたら良いですか?」


「私は連絡の取れない基地に向かう。雪妃、君は向こうの基地で皆と合流するといい」



 カミノは手のひらに収まる程の容器を数個、雪妃に手渡す。


「これは・・・なんですか?」


「私お手製の魔法の水だ」


 その容器には、無色の液体が入っている。


「街に放つ魔物共は私が洗脳しているが、敵味方を区別する為にこの液体を使っている。まぁ、私が戦況を監督している限り、魔物は私の魔法で操れるがな。万が一、魔物が暴走したら使ってくれ」


「ありがとうございます」


「その液体を、私の代わりに仲間達に渡してくれ。これが君の、最初の任務だ。簡単だろう?」


「わかりました」 



「宜しく頼んだぞ、雪妃。この戦いに勝った時には"彼"を助けると約束しよう」


「はい」



 カミノが雪妃にした約束、それは魔神具を使い、雪妃の想い人を生き返らせる事である。


 魔神具は強力だが、その範囲の中でしか効果を発揮できない。

 

 つまり死人を生き返らせたとしても、魔神具の内部でしか存在は出来ない。


 だが、そうであろうと、雪妃は彼にもう一度会いたかった。



「・・・カミノさん、私のお願いを聞いてくれて、ありがとうございます」


「こちらこそ。また君が私に力を貸してくれて、嬉しいよ」

 

 

 そう言って微笑むカミノへ、雪妃はひとつ礼をして立ち去ろうとした。 


 その時。



 屋上に、何者かが降り立った音が響く。



「待ってください、雪妃さん」



 聞き覚えのある声に、雪妃はぴたりと脚を止めて振り返る。



 そこには、コハクと式利の二人が立っていた。


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