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朝焼色の悪魔-第2部-  作者: 黒木 燐
第1章 浸蝕
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1.悪夢の明けた朝

20XX年6月11日(火)


 朝、多美山が目を覚ますと、そこは見慣れた自分の部屋ではなかった。一瞬自分の置かれた状況が理解できなかったが、昨日の一連の出来事を思い出し、さらに自分が隔離状態にあることを思い出した。

 多美山は身体を起こすと、昨日怪我をした右手を見た。綺麗に包帯が巻いてあり、過度に出血しているようには思えなかったが、化膿しかかっているような軽くズキズキとした痛みがあった。そのほかは特に熱もなくいつもどおりの至って良好な体調であるように思えた。多美山は、ふと、これは現実なのだろうかと思った。実は俺はまだ自宅で眠っていて、これは夢の続きを見ているのではないか?と。しかし、それが現実逃避であることは、多美山自身がよくわかっていた。

 彼は、起き上がると病室の中を少しうろうろとしてみた。昨夜は疲労困憊して、この部屋の確認をする余裕もなく眠ってしまったからだ。

 部屋はビジネスホテルのシングルルームに似ていた。ベッドが1床置いてあり、サイドデスクもある。トイレ付きのバスルームも完備しており、この部屋を一歩も出ずに生活できるようになっている。逆を言うと、この部屋から一歩も出れないということでもある。

 さらに、部屋全体の白さが否応なく病室ということを感じさせた。昨日の説明では、部屋は陰圧に保たれており、中の空気が外に漏れないようになっているということだった。さらに、ベッドの横には空気清浄機までセットされていた。『窓』はあるにはあったが、それは部屋から外を見るものではなく、スタッフステーションから患者の様子を見るためのもので、多美山はまだ発症していないので、プライバシーを守るために今はきっちりと閉じられていた。窓のない代わりに、美しい風景画の描いてある大きめの額縁が飾られている。

 要するに、少々消毒臭いのと、若干の閉塞感のあるものの、ビジネスホテル並みの快適さは補償されているようだった。ただし、病原体が外に漏れない構造故に、照明がすべて消えれば昼間でも暗闇になってしまうだろう。スタッフステーションの周りにはこのような第1類感染症用の隔離病棟が4部屋で、最大8人を治療することが出来、そのひとつに西原兄妹がいるという。4部屋というとかなり少ないが、旧センターでは2床しか用意されていなかったのだから、大躍進である。そのほか、2類用には最大100床の用意ができるようになっている(因みにこれらの部屋は平時は普通の病室として使われている)。しかし、強毒性の鳥インフルエンザのような感染力の強い疫病が発生した場合、それでも全く足らないのは明らかだ。

 秋山雅之の父、信之は1週間経った後発症しなかったということで、日曜夕方に「退院」した。もちろん、その後も経過の報告が義務付けられ、体調を崩した場合は再度感対センターに入院となる。退院にあたって、信之の姉が迎えにきた。母親と息子が死に、妻も行方不明のため誰かがしばらくついているべきだと病院側が身内に連絡したところ、すぐに姉がやってきたのだった。彼は、帰ったら息をつく暇もなく、母と息子の葬儀の準備に取り掛からねばならなかった。その翌日に妻の死を伝えられ、再び感対センターに姉と共にやってきた信之の姿は哀れなものであった。

 実はギルフォードの落ち込みのひとつはそれのせいでもあった。あの状態の信之を家に帰すべきではないと、ギルフォードは主張したが、信之自身が葬儀の準備ために帰りたがっており、人権上これ以上拘束することは出来ないということで、一晩様子を見ただけで帰されてしまった。もちろん、妻の遺体は感染の危険があるため連れて帰ることは出来なかった。

 多美山は検査室に向かう途中、待合室で姉と共に呆けたように座っている信之の姿を見た。

(俺がもっとさばけとったら……)

多美山は、自責の念に駆られた。

 多美山は昨夜の信之の姿を思い出して、サイドデスクの前に座るとため息をついた。しばらくそこでぼうっとしていたが、続け様に昨日のことがいろいろ思い出されて辛くなった。それで、テレビはないが、ラジオは聞けるようになっているようなので、ためしに点けてみた。ちょうどニュースが流れていたが、昨日の件については全く報道されていないようだった。

 しばらくすると、コンコンとドアをノックする音が聞こえて、「多美山さん、おはようございます」という声と共に、中背で細身の看護師らしき男が入ってきた。彼はゴーグル・マスクにガウンといった出で立ちで、それは多美山に自分が危険な病原体の感染の疑いがあるという現実を認識させるに充分だった。

「あ、起きていらっしゃいましたか。このような姿で申し訳ありません。しかし、これは規則なものですから」

 看護師は言った。

「私は今日からあなたの担当をいたします園山修二と申します。何かあったらお気軽におっしゃって下さい」

 若いが礼儀正しそうな男だった。多美山も立ち上がって言った。

「こちらこそ、お世話になります。ひょっとしたらこれから色々ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」

「あ、お気遣いなく。どうぞお座りください」

 園山は多美山を座らせると続けた。

「ご気分の方はいかがですか?」

「すこぶる良好です、と言いたい所ですが、昨日怪我をした傷がちと痛みますな」

「後で先生に傷の様子を見てもらいましょう。これから、どんな些細な体の変調でもいいですから、必ず報告してください。治療に於いての方向性もそれによって変わってきますから」

「わかりました。極力お伝えするようにします」

 と、多美山が答えた。


 由利子は、朝6時半に猫達のご飯ちょうだい攻撃によって起こされた。

 昨日は結局、帰り着いてソッコーでシャワーを浴びて化粧を落として床に就いたのが3時だった。ブログの更新も止む無く休んだ。流石に実質3時間ちょっとの睡眠時間では厳しい。単に夜更かししただけならなんてことはないが、昨夜は月曜ということである程度自粛はしていたもののそれなりに酒は飲んでいる。起きるのは大層辛かったが、自業自得である。由利子はなんとか布団から身体を引っぺがすと、の~っと起き出してトイレに入り、そのままバスルームに直行し熱いシャワーを浴びた。しかし、いつものように芯からしゃきっとしない。今日は日課としているジョギングをする時間もない。しかたがないので少しだけストレッチをしてお茶を濁すことにした。その前に、窓を開けて外を見ると、空はどんよりと曇っていた。

「ああ、梅雨の季節だなあ……。傘、要るかな」

 由利子はつぶやいた。沖縄の方はすでに入梅つゆいりしているから、こっちもそろそろだろう。由利子は憂鬱になった。彼女は雨の日は嫌いではない。しかし、梅雨は……。今年は陽性の梅雨だったらいいな、と由利子は思った。晴れた日が多くて降る時はどっかんと降る。

(あ、いかん、さっさとしないと遅刻やん)

有休消化のため、実質今日が由利子の最終出勤日となるので遅刻は出来ない。由利子は急いでストレッチを始めた。その後、由利子はメールとブログのコメントやトラバのチェックをし、スパム関連を削除すると、猫と自分の朝食の準備に取り掛かった。そして、なんとかいつもの時間に家を出、会社に向かった。

 会社では、感心にも昨日の送別会参加組の面子は全員無遅刻で来た。皆寝不足の顔をしながら仕事はしっかりこなしている。ただ、昨日何故か一番はじけていた古賀課長がひとりどんよりとしていた。机の上にはポカリスェットの500mlペットボトルが置かれており、ひどくキツそうにしていた。

「おはようございます。大丈夫ですか」

 と、由利子は声をかけた。古賀は由利子の顔を見ると苦笑いしながら言った。

「うん、昨日は調子に乗りすぎたけんね。やっぱ、歳には勝てんなあ。昔はあの程度の酒じゃなんてことなかったばってん」

 由利子はそれに答えずに、笑ってごまかした。古賀は続けた。

「篠原君は相変わらず強いなあ。ところで出社は今日までやったね」

「はい、お世話になりました。急なことで申し訳ありません」

 由利子は答えた。

「いやいや、会社の都合やけん君のせいやないもんな。余った有給は使わんともったいないし。ちょうど仕事も暇な時期やから心配せんでいいよ。で、こんなことを聞ける立場やなかけど……、これからの予定は決まっとぉとか?」

「はい」由利子は答えた。「とりあえずアルバイトをしながら次を探します。バイト先はもうあたりをつけてますんで」

「そうか、さすが決めたら行動が早かね。ま、身辺整理が終わったら今日はゆっくりしていなさい。あ、後、何がどこにあるかわかるようにしとってね」

「はい、ありがとうございます」

 由利子は、古賀に一礼すると自分の席に戻り、机の中の整理をすることにした。


 葛西は、ドキドキしながら病室のドアを叩いた。鈴木係長に言われて多美山の様子を見に来たのだ。2・3秒躊躇した後ドアを開けると、サイドデスクの前に座って本を読んでいた多美山が、顔を上げて葛西の方を見た。

「よお、ジュンペイ」多美山は葛西を見ると笑顔で言った。「なかなか素敵な格好やね」

 多美山に言われて、葛西は自分の対感染症の厳重な井出達を確認しながら苦笑いをして言った。

「もう、昨日からこういうカッコばっかりですよ。でもよかった。多美さん、元気そうで」

「おお、傷がちょっと痛むくらいで、あとはまったくいつもどおりで異常なかとたい」

「そうですね。こんなの着てるのがばからしく思えますよね。脱いじゃおっかな」

 葛西が言うと、多美山が真顔で言った。

「馬鹿なことを言うちゃいかん。それに刑事たるもの……」

「目先で判断しちゃイカン……でしたね」

 葛西は多美山の言おうとしたことを先に言った。

「それに、決まりは守らないといけませんよね」

「そういうこったい。でもなあ、正直相手の顔、特に表情がようわからんとは辛かばってんが……」

「そうですか……。でも、僕ってよくすぐにわかりましたね」

「そりゃあ、わかるばい。相棒やろうもん。あと、何でかギルフォード先生もわかっとたい」

「でかい上に足が長いですからね」

 二人はそういうと笑った。とりわけ葛西は多美山に「相棒」と言われ、嬉しかった。

「ばってん、元気なおかげで退屈でな。とりあえず看護師に頼んで適当に本を持ってきてもろうたったい」

「へえ、アガサ・クリスティですか。定番ですが、僕も高校生の頃一時期凝ったなあ」

「何十年かぶりばい、ゆっくり推理小説やら読むとは。やはりポアロのシリーズは面白かね」

「テレビドラマでやってましたよね、ポアロ。あれ、イメージにピッタリですね。声優さんの声がもうあの風貌にこれまたピッタリで……」

「あの声優がヒッチコックの声をあてるとまた絶妙でなあ……」

 それを聞いて葛西は『残念ですが亡くなられてしまいましたね』と言おうとして言葉を飲み込んだ。

「ところでおまえ仕事は?」

「はい、朝からここで、祐一君たちから事情を聞いてました。で、鈴木係長から多美さんの様子も見てきてくれと言われまして……」

「そうや。あん人も気を遣うけんなあ。そういえばコンビニ強盗事件の調書が途中やったけど、どうした?」

「あれから署に帰って書き上げました。書き直しナシで無事に受け取ってもらえましたよ」

「そりゃよかった。」

「それより、多美さん。聞いたらテレビを置いてもいいっていうんで持ってきたんですよ。激安店で特売品の小型の卓上テレビですが……」

「おいおい、激安ってもテレビやけんそれなりの値段のするやろ。ここは隔離病棟やけん持って出れるかどうかもわからんとに、もったいなかけん気を使わんでっちゃよかたい」

「いいからいいから。みんなでお金出し合って買ったんですよ。ちょっと待ってくださいね、持ってきますから」

 葛西はそういうと、テレビの一式を抱えて持ってきて、さっさとセットしはじめた。手袋をはめての作業なので、多少てこずっていたが、なんとかセットを終えた。

「小さいですが持ち運び出来るし、お風呂でも見れますよ。じゃ、点けてみます」

 葛西は電源を入れた。

「ほおお、小さいけど見やすかね。最近のデジタルもんの躍進はハンパやないなあ」

 テレビは午後のワイドショーを映していた。多美山はそれを見ながらしきりに感心していたが、急に眉間にしわを寄せて言った。

「おい、ジュンペイ、昨日の事件ばってん、なんか報道されとったか?」

「いえ、それが全然です。報道が規制されてるんかなあ。まあ、ローカルな事件だし、報道されるにしても地方のニュースだったでしょうけど、結局自殺で終わったというのも、報道されない理由かもしれません。」

「う~~~ん、そんなもんかなあ。まあ、事件に関わった人たちのことを考えたら、報道されんで良かったとは思うばってんが……」

 そういうと多美山は考え込んだ。

「そういや、病気をばら撒いた犯人からの犯行声明もまだなんやろ?」

「アメリカの炭疽菌テロ事件の時も結局正式な犯行声明は出されなかったようですから、なんとも言えませんね。犯人の目的もまださっぱりわからないですし……。それに、もし、もしですよ、病気を広めることだけが目的だった場合、犯人達がまったく表に出てこない可能性だってあります。でも僕は、彼、あるいは彼らが挑戦状メールを送ってきた事から考えて、いずれはなにかコンタクトを取ってくるとは思っていますが……」

「本当に気持ちの悪か事件やな」

 多美山は憮然として言った。多美山はしばらく腕を組んで黙っていたが、不意に葛西の方を見てにやりと笑いながら言った。

「ときにジュンペイ、おまえ先生のとこで、偶然篠原由利子さんに会ったって嬉しそうに言うとったな」

「ええ、お互いに指を指して驚きましたよ、……って、嬉しそうにって、そんなでしたか、僕?」

「おおよ。俺の言うたとおり、おまえのストライクゾーンやったろ、彼女」

「やだな~、多美さん。……じゃ、僕、仕事があるんで、そろそろ帰りますね。祐一君たちから聞いた話の調書を作らないといけないんで。夕方からは佐々木君たちの事情聴取です」

 雲行きが怪しくなってきたし、あまり長居も出来ないので葛西は退散することにした。

「そうやな。今日はありがとうな。こいつのおかげで退屈せんで過ごせそうや」

 多美山は少し寂しそうに言った。葛西はなんとなく後ろ髪を引かれたような気がして言った。

「明日も時間見て来ますね。それから、僕、あさっての木曜日にこの前の代休を取ることにしたんで、ここに来ようって思ってるんです。奥さん亡くなってらっしゃるし、多美さんの息子さん、東京だからすぐには来れないでしょ?だから……」

「ジュンペイ、俺なんかのために貴重な代休を使わんでよかけん、ゆっくり休め」

「いいからいいから。では、失礼します!」

 葛西は急に多美山に向かってびしっと敬礼すると、一礼して部屋から出て行った。残された多美山は、椅子に座ったままドアの方を見ながら、軽いため息をついた。病室が妙に広く感じた。白い室内に、ワイドショーの司会の大袈裟な声が空しく響いていた。

「こういうのも久々に見るが、そういや俺、こいつ嫌いやったったい」

 多美山はそう言いながらもう一度ため息をつくと、チャンネルを変えることにした。


 日ごろから整理整頓を心がけている由利子にとって、身辺整理はたいして時間もかからず、午前中には終えてしまった。昼休みには、また黒岩が弁当を持って遊びに来た。食べながら黒岩がしみじみと言った。 

「いっしょにおべんと食べるのは、今日が最後やね」

「そうですね。お互い入社して長いけど、こうしてお昼を一緒に食べだしたのって最近ですよね」

「あ、ほんとやね。なんか篠原さんって近寄りがたいイメージがあってさ~。こんな人ってわかっとったら、もっと早う親しくしとったのにって思うよ。残念!」

「あ、それ、私も黒岩さんのこと、そう思ってました」

「なんだ、お互い敬遠しあってたのか~」

 お互い様ということがわかって、二人は笑った。

「で、バイトはいつから?」

 と、黒岩が聞いた。

「先方次第ですが、来いといわれたら明日からでも行ってみようかなと」

 由利子が答えると、黒岩が言った。

「それ、確認しとったほうがいいっちゃないと?」

「そうですね。もう少ししたら電話してみます」

 由利子は、それもそうよねと思いながら答えた。


 ギルフォードは何となく落ち着かなかった。知事が直接電話をかけてきて、夕方頃ギルフォードの研究室に来るというのだ。何の用件か気になって、昼食のほか弁を食べながら紗弥に言った。

「いったい、何の用なんでしょうかねえ、サヤさん?」

紗弥は、カップのもやしみそラーメンを食べる手を止めて答えた。

「流れから考えても、昨日の事件を受けての訪問じゃないでしょうか?」

「やっぱりそう思いますか」

紗弥の答えに、ギルフォードはうんうんと頷きながら言った。

「しかし、サヤさん、お昼にカップラーメンなんて不健康じゃないですか? それも1.5倍って……」

「いえ、ちゃんとバランスを考えてますわ。この後に100%野菜ジュースと特保の『腸まで届くピチピチ乳酸菌入りヨーグルト』もいただきますもの」

「健康なんだか不健康なんだかよくわからないメニューですねえ…。でもサヤさん、野菜は市販のジュースで摂るより野菜サラダで摂ったほうがいいですよ」

「まあ、そうですの?」

「ほとんどの野菜ジュースは濃縮果汁還元ですからね、栄養価も食物繊維もあまり期待できませんから。お惣菜のサラダでも栄養価は劣るかもしれませんが、食物繊維はちゃんとありますから」

「そうでしたの。次回からサラダにしますわ」

 紗弥がそう言った時、ギルフォードの携帯電話が鳴った。例の笑い声が入ったワルツの着メロだ。

「あ、ユリコからです。バイトの件かな。……はい、ギルフォードです。……こんにちは、ユリコ」

 ギルフォードはニコニコしながら言った。

「え? バイトはいつから来たら良いかですか?」ギルフォードは紗弥に向かって、やっぱりそうだったよというようにウインクした。

「ユリコはいつから? ……。明日から有給取って休む? そうですか、ユリコがいいなら、明日、ウォーミングアップのつもりで出てきませんか? …………。そうですか、来てみますか」

 ギルフォードは嬉しそうに続けた。

「じゃ、明日は9時くらいに出てきてください。いいですか? OK? わかりました、じゃあ、明日、お待ちしていますね」

 ギルフォードは満足そうに電話を切って紗弥に言った。

「明日から来れるそうですよ。嬉しいですね」

「そうですか。じゃあ、由利子さん用の机とパソコンを用意しておかないといけませんわね」

 と、紗弥がいつものポーカーフェイスで答えた。

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