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レヴナント/レムナント  作者: 煇山 とぺもん
第一章 編集部と七課の長い一日 -Something hideous-
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P007 恐るべき者たち txt.KiRa

 

 ストリゴイイ……ノスフェラトゥの中でも太古から存在する恐るべき一族。

 見た目が人とさほど変わらない一般的な吸血鬼とは違った異形の者たちで、独特な価値観を持っているらしいのだが、あまり交戦歴がなくデータがほとんどない。

 それにしても25mm弾を受けて生きているとは……まったく、グールといい、非常識なヤツらだ。

 すでに鷹山の銃撃で衣服はほとんど破れ、青白い肉体が剥き出しになっている。

 しかしながら胸の傷は見事なまでに塞がれて、むしろ以前よりも頑丈そうに見えるほど。

 これではもう銃撃のダメージは残っていないだろう。

 大きく息を吸い込みながら我々を見据えるストリゴイイ。

 眼差しは破れ弾けたような角膜が禍々しさを一層際立て、背中には不気味な骨格だけの翼が蠢いている。

 それにしても大きい……変体したグールよりも一回り、いやそれ以上の大きさだなこれは。

 その異様すぎる光景は目の前の存在が、人類とはかけ離れた化け物であることを雄弁に物語っていた。


 {mina:き、危険です! 撤退を提案します! 一端下がって狭間さんたちの援軍を待ちましょう!!}

 {KiRa:美奈、そいつは無理だ。ストリゴイイがいなければそうしようと思っていたんだが、ヤツの追尾を逃れられるとは思えん。さらにマズイことに、わたしの魔力はさっきのグール戦でスッカラカンだ。あの技……八識で魔力を全力解放した五芒反射結界は強力だが、燃費が悪すぎてな}


 焦りと動揺がわたしの判断を鈍らす。美奈の言うとおり、撤退なのか?

 無理だ。逃げたとしても、指揮車の装備でどうにかなる相手ではない。美奈と西田さんを危険にさらすだけだ。

 それに援軍は……残念だが期待できない。仮に来たとしても到着まで持たせることは不可能だろう。

 この敵は"そういう"相手。人間基準の定石など通用しない。


 「参ろうぞ」


 そう告げると魔の者は一方的な蹂躙を開始する。

 高速でスピンする大岩のように境内を飛び回り、瞬時に千麒の顔面を掴む。

 鷹山がそれを阻止しようと狙撃するも、全弾を苦も無く回避。

 急降下して石畳に頭を掴んだまま叩きつけたあと、さらに近くの古い小さな売店へ剛速球の如く投げつける。

 その一撃で売店は崩れ、千麒はその建物の下敷きになってしまった。

 部下の安否を気にする間も無く、今度はわたしのほうへ突進。

 辛うじて残った力を使い防御用の結界を張るも力及ばず、強烈な体当たりで後方へ数10mほど弾き飛ばされてしまう。

 激突するものが無かったのが幸いだが、それでもこの一撃で左腕と肋骨を数本砕かれてしまった。

 この間、たったの数十秒。ここまで歯が立たないとは。

 鷹山の弾丸は確かにストリゴイイの左胸を貫いたのだが、サイドからの狙撃だったため、射角が甘かった。

 正面からの狙撃では、勘のいい不死者たちには気付かれてしまう。

 とくにストリゴイイは感知能力に長けていると、数少ないデータから判明している。

 おそらく、さっきの狙撃でさえも間一髪で急所を外していたのだろう。


 {yo:し、しまった。ストリゴイイ……まだ、生きていたのか。やはり、どの個体も一筋縄では行かないようだな……}

 {KiRa:すまない。私のミスだ。グールの不死性に執着するあまり、ヤツにも回復をする時間を与えてしまっていたとは。鷹山、うかつに動くな。今は、お前のスニーキングだけが頼りだ}

 {yo:……くっ! 美奈ちゃん! 少しの間だけ、広域 SSC(シックスセンスカット)でジャミングを頼む!! 急いで!!!}

 {mina:えっ? でも、古御門さん、ギリードゥの稼働時間は、まだ余裕がありますよ? 自前の機能で賄えるんじゃ……}

 {yo:いいから、早く! お願いだ!!}

 {mina:は、はい、今から2分ほど、ジャミングをかけます。その間に急いで目標を排除してください!! その間は阿部川さんの式神からの通信も途絶えますので、ご注意を}


 鷹山め何をやっている。2分程度のジャミングで、動き出したヤツを仕留められる訳が――


 「いい戦いであった。グール……しかも、彼奴は、数百年を生き抜いた古強者。アンフィビオは力こそ弱いが、不死性という一点においてはノスフェラトゥの眷属の中でも随一。人間風情では3人でも、勝ちの目は全くないとストリゴイイは思っていたぞ。しかし、お前達は技術と機転、そして力でそれをねじ伏せて見せた。なかなか面白い勝負であったとストリゴイイは感嘆する」


 くどめの話し方が鼻につく不死者は、わたしに向かって熱っぽく話しかける。

 こんなヤツにモテてもうれしくはないんだがね。

 わたしは先ほどの体当たりの衝撃で、まだ立ち上がれるほど回復してはいない。

 これでは次のラブコールは断れそうにもないかな……。


 「ははっ、それなら、すまないんだが、少し休憩させてくれないか? ほら、うちの大将は、ちょっとガス欠気味でね……」


 鷹山が信じられない行動に出た。

 ギリードゥを脱ぎ捨て、のそりとストリゴイイの目の前に進み出る。

 しかも、銃は持たず、手には対アストラルコート用のタクティカルナイフ一本のみ。


 {KiRa:鷹山、何を血迷ってる!? 下がれ!! お前まで巻き込まれるぞ!!}

 {yo:いいからそこで、少し休んでてくださいよ。ちょっとばかし、遊んでやりますから}


 鷹山はわたしの言うことも聞かず、無謀な状況に身を投げ入れている。

 一体、何を考えている!?


 「それはならん。すでにストリゴイイの血は流されてしまった。我らから神聖な血を奪い、それを流すということは決闘の証に他ならない。ストリゴイイ自身の回復と、無謀なるグールへの挑戦に敬意を払って今まで待っていたのだ。人間の武者たちよ。先ほどの気概を見せよ。ストリゴイイを落胆させないでくれ」

 「はは。ずいぶん惚れられたもんだな。美奈ちゃんから……いや、キララちゃんから聞きたかったかな、そいうのは。おっさんみたいな、ごついバケもんに言われてもグッと来ないね」


 こ、こんな時に冗談を言っている場合か!

 わたしは有らん限りの声を張り上げ、鷹山に退却を命ずる。


 「鷹山、なぜ銃を使わない!? そんなおもちゃでヤツにかなうか! いいから下がれ! 命令だ!! 引けぇッッ!!」

 「もう、弾なんてありませんよ。あの馬鹿デカイやつは予備を含めて10発しか撃てないんですから。さあ、とっとと決着を付けようぜ。石像の旦那!」

 「銃がないとは不本意。されど、その気概は剛気なり。ならば武者としての礼を尽くして葬ろうぞ」


 向かい合う鷹山とストリゴイイ。どう考えても勝ち目はない。

 狙撃手の鷹山が、化け物と格闘をするなんて自殺行為だ。

 ……いや、鷹山には奥の手があるか!?

 しかし、あの技は高速で移動する物理攻撃主体のストリゴイイとは相性が悪すぎる。

 くそ、どうするつもりなのだ!?


 {KiRa:美奈、なんとかしてくれ! もう、手がない!! 指揮車からの射撃は無理なのか? でないと、またあの時と同じように……}

 {mina:す、すいません……。階段の高さがありすぎて射角が合わないんです。阿部川さんの式神はどうです?}

 {KiRa:だめだ、まだ魔力が足りない。哨戒飛行がやっと……こ、これは!?}


 ヤタが何かを見つけている……。そうか、これで!


 「そらよっ!」


 意外にも先に動いたのは鷹山。

鮮やかな手首の返しを使い、脚の膝裏から手首、肘の裏、脇の下、首の頸動脈までを一動作で瞬時に切りつける。

 うまい……鷹山がこんなに強いとは。いつの間に腕を上げたんだ!?

 しかし、その強さは人間相手でという狭い範囲での評価。

 見事な技のキレを持ってしても、ストリゴイイの肉体には、薄い斬り傷が刻まれるだけで瞬間的に再生されてしまう。

 ヤツは、か弱く切りつけられる度に、ため息をついて落胆をしている。


 {KiRa:鷹山! アレを使うんでしょ。アシストする!}

 {yo:気付いたね。お願いしますよ!}


 鷹山はわたしの通信を聞き、再び果敢に攻めたてる。

 ブーツに固定した投擲ナイフで蹴り上げ、隠し持っていたカランビット状のナイフで不意を突く。

 しかし、どれも致命傷を与えることは無く、時間だけが過ぎていく。

 ストリゴイイも、いい加減に飽きてきたのか腕で鷹山を払いのけようとした瞬間……"鼻を触る"合図を確認。ヤタを急降下させ、ストリゴイイの顔面を覆った!

 不意の攻撃に態勢を崩すストリゴイイ。

 そのタイミングを逃さず、鷹山がビジによる遠隔操作を使い、美奈のジャミング中に仕掛けたエレオノーラを遠隔起動。

 そして覆った視界の後ろ――死角となっている藪の中から狙撃した。


 「愚かな……バレバレだ。人間よ」


 しかし、ストリゴイイはこの手を予測しており、既の所で弾丸を回避してしまう。


 万事休す。

 ――いや。ヤツは、その後の仕掛けには気付いてはいなかった。


 「……これは!?」


 ストリゴイイは仕掛けられた銃の手前にある物に気付く。

 しかし、視界に入った時点で、もう手遅れだ。

 バン、バン、バンと、3連続で鳴り響く爆音。

 そして一瞬、昼間になったかと思うほどの激しい閃光が走る。


 「旦那……デカイ図体なのに繊細すぎんだよ」


 ストリゴイイは千麒への援護で撃った弾のうち数発が、ペイロードではなくハンドガンの銃声であることに最初から気付いていた。

 この程度ならば戦い慣れた兵士でも聞き分けることができる。ましてや、耳のいいストリゴイイならば造作もないこと。

 また、美奈の仕掛けた広域SSCのジャミングにも気付いており、自分の感知能力が効かなくなった空白の2分を怪しんでいた。

 しかし、これらは鷹山がわざとストリゴイイを疑心暗鬼にさせるために仕掛けた罠。

 そのため、ストリゴイイは対面した鷹山が話したわざとらしい"弾切れ"の会話がなんらかのブラフ……誘導であると確信してしまう。

 ヤツは罠が仕掛けられていると予測し、ナイフを躱しながら感覚器官を研ぎ澄まし、その時を待っていたのだ。

 そして、先ほどの視界を塞ぐヤタによる奇襲から、塞がれた視界の先に銃があると予測。

 その方向に全感知能力を集中して、ついに遠隔操作の起動音を感知する。

 こうして射撃の弾道を特定できたストリゴイイは、凄まじい反応速度と身体能力をフルに使って見事に銃弾を回避することに成功したのである。


 ――しかし、ここに鷹山の狙いがあった。

 この回避行動を成功させるためにストリゴイイは銃があると予測した方向へ向けて聴覚、視覚を全力で研ぎ澄ましていた。これがアダとなる。

 エレオノーラの遠隔操作も囮。

 マイコネを使わず鼻を触る不自然な合図もワザと相手に気付かせるための動線。

 銃が置かれた藪の中には、同じく遠隔操作で起動させる閃光手榴弾(フラッシュバン)が3つも仕掛けられていた。

 全神経を集中させた方向からの閃光と爆音。

 感覚器官の感度がいいほどフラッシュバンの効果は絶大なものとなる。

 しかも、夜の境内は明かりも少なく閃光の効果は増大。

 全ては視覚も聴覚もズバ抜けているストリゴイイならば、間違いなく銃の位置を見破るであろうと予測した鷹山の計画だった。


 ――ストリゴイイは判別不能の呻き声を上げながら、涙とも唾液ともつかない液体を撒き散らして暴れ回る。

 周囲に腕を振り回して威嚇をするが、いかにストリゴイイとはいえ、視認できない相手にそれを当てるのは至難の業だ。

 鷹山は余裕でこれを避けながら、エレオノーラを回収してそのスコープ越しにストリゴイイを捉える。


 「ノクトビジョンなんかの暗視装置には、不意のフラッシュを緩和する機能が付いてるんだがね。アナログでそれをやってるおまえさんじゃ、防ぎようがないよな。残念、無念……っと。さぁて、残弾は何発だっけ? まあいいや。全部お前にやるよ」


 そう言うと鷹山はストリゴイイの胸に向けて引き金を引く。

 銃声とは思えない爆発音を響かせて銃弾は心臓部にヒット。

 しかし、直撃にも関わらず、さっきよりも胸部の破損が少ない。

 改めて調べるとAC.Lvが75まで引き上がっている。


 {KiRa:鷹山、そいつはダメージを受けて回復をすると、AC.Lvが跳ね上がるらしい。グールと同じく短期決戦だ!}

 {yo:ok。次で終わりだ}


 そう言うと鷹山は、肉体が弾けて露わになった吸血鬼の心臓――"心核"に狙いを定める。

 一部の吸血鬼は、この心核を潰さないと完全に倒すことができない。ストリゴイイもそういった吸血鬼の一種。

 古くさい伝承にもある吸血鬼の弱点として知られる儀式、"心臓にクイを刺す"のはこのためだ。


 「そんじゃま、こいつでお終いっと……」


 鷹山が心核に狙いを定め、最後の引き金を引く。

 ――いや、引かない。

 なぜ? なぜ、引かない!?

 よく見ると鷹山の右手が、指から手首までスッポリと薄く光る透明な箱の様なものに包まれている。


 {KiRa:おい、慈悲をかけるような相手じゃないぞ! 再生されたらお終いだ!!}

 {yo:ええ、そうなんですが……くそ、指が動かねぇ! なんだ? これストリゴイイの奥の手なのか?}


 「違うよ。私の児戯……ちょっとしたイタズラだよ。防魔七課のみなさん」


 全員に再び悪寒が走る。

 な、なぜだ? なぜ、最新の秘匿通信であるマイコネの会話に、"通常の会話"で返事をすることができる!?


 「ああ、それはね。ボクがスーパーかっちょいいエリートノスフェラトゥ――だからかな? だってさ、見るからに気品が違うでしょぉ?」


 こ、今度はわたしの心が読まれた!? わたしと鷹山は同時に声のするほうに顔を向ける。

 ――寺の屋根の上にはピンクのスーツを着たスラッとしたスタイルの男性が腰を掛けて足をバタつかせている。

 月明かりに照らされて映し出されるオレンジ色の頭髪はモップ・トップに整えられている。

 さらに奇妙な化粧が施された端正な顔には、吸血鬼特有の赤黒い虹彩が輝いていた……。


{mina:これです! 最初から微かな反応しかなかった個体。相手の思考を読み取る能力……恐らく純血直系の吸血鬼か最上級クラスの覚醒ダンピール! 他の個体よりも格上です!!}

{KiRa:ば、馬鹿な……これでは勝ち目など最初から無かったではないか……。くそっ! 美奈! 逃げろ!! そしてなんとか一課と四課の精鋭を呼んでくれ!!}


 まずいぞ……こんなの……。

 隠れ潜む者は二人では無かった。三人いたのか!!


 「へぇ。美奈ちゃんっていうんだ。大丈夫だよぉ〜。ボク、今日はねアーティストとして参加してるだけだから。そこのハナ糞くんたちとのお遊戯には参加してあげない」


 やはりマイコネは確実に傍受されている。対策を練ることも難しくなってしまったか……。


 「……マルシオ。貴様。いまさらしゃしゃり出て、我らの戦いを汚す気か! 普段からの態度、物言いといい、ストリゴイイの我慢は限界である。これ以上、手を出すというのであれば許さんぞ!!」

 「負けそうになっておいて、何威張り散らしてんの? 上の命令だから仕方なく助けてやってんのにさ。うっわ、めっさカッコわる。ゆるさんぞ〜て」


 閃光から視力を取り戻したストリゴイイが、マルシオとかいう吸血鬼と仲違いをし始めた。

 せっかくの逆転チャンスは潰えてしまったが、この仲間割れは利用できるかもしれない。

 言い争う隙に対策を練らなければ。


 {mina:狭間さんから連絡です。あと10分ほどで到着します! どうにか生き延びてください!!!}

 {KiRa:りょ、了解した。引き延ばしてみる}


 ――とは言えどうしたものか。頭がショートしてしまいそうだ。

 打つ手がもう……いや、考えるんだ。何だ? どんな手がある?

 どんな策があると!?


 「マルシオよ、お前の力は認めている。しかし、ストリゴイイの生き方を否定する者は何人も許さん。ストリゴイイは全員でひとつのストリゴイイ。全てのストリゴイイを敵に回したいというのであれば、その勇気をストリゴイイは賞賛しよう」

 「そういや、あんたらそういう面倒臭い集団主義だったっけね。ゴイイ、ゴイイ、うっさいんだよ。

 わかった、わかった。でもさぁ、キュビズム様の命令に逆らうのも恐いし、既成事実だけは作っておくよ。ちょっとゴメンなさいねぇ」


 マルシオは、そう言うと寺の屋根から飛び降り、ゆったりくるくる回って踊りながら鷹山に向けて手を伸ばす。

 そして右手の指を小指から人差し指まで順番に折曲げて……。

 一言。


 「Box!!!」


 すると突然、鷹山の右手から鮮血が吹き出し、骨の砕ける音が響き渡る!

 鷹山は理解不能のまま、唸り声を上げながら、その場に崩れ落ちた。

 な、何をしたんだ一体!?


 「フォアアアアアッッッ、Box! Box!! Boxッッッ!!! い、いつ潰してもビクビクしちゃうねぇッ!! 閉じ込めてプッシュ、クラッシュゥ、スプラッシュ!!! ふ、ふぁ、ファアアアアアアアアッ!!!!!!! ファンタスティコォォォォッッッ!!!!!!! …………ふぁああぁ……しょんべん漏れそ」

 「マ、マルシオ! 貴様、何を聞いていた!!」


 鷹山の右手を粉砕し、恍惚の表情で歓喜絶叫するマルシオ。

 さらに吸血鬼特有の怪力で腹を蹴り上げて追い討ち。

 空高く舞い上がる鷹山を見て、またも奇声を上げている。

 ……こ、こいつは、真性のド変態だ。

 一方、その行動で戦いを汚され、怒り狂ったストリゴイイはマルシオの顔面に向かって鉄拳を走らせる。

 ――が、マルシオはその巨大な拳を左手を添えるだけで静止させてしまう。


 「おっさんさぁ、お前らの"生き方"とやらを尊重してやってんだからよぉ……。ボクの"性癖"も認めてくんなきゃ……不公平だよね?」

 「……ぬぅっ。くっ!」


 拳を止めたマルシオからは、それまでのふざけた笑みが消え、上級吸血鬼のみが持つ気迫が溢れ出す。

 然しものストリゴイイも、これには気圧されたようだ。


 「べつに命までは取らないよ。ボクは"手伝った"って証拠が欲しいだけなんだから。まあ、やりすぎて死んじゃったら勘弁してよね。……さぁて、あともう一人っと。こっちは、かわぁいい、お嬢さんでいらっしゃる。いいなぁ、創作意欲が湧いてきたよぉ〜」


 ストリゴイイを黙らせたマルシオは踵を変えて、わたしに話しかけながら近寄ってくる。

 く、来るな……来るな!!


 「ボクはね"華炎のマルシオ"。すぐ死んじゃうから自己紹介はムダかな? まあ、いいや。それよりさぁ、キミ、スタイルステキだねぇ。とくにお尻が、キレイだなぁ〜。花のようだ……ああ、いい! 華にしたい!! ぜひ、モデルになって貰えないかな? どう?」

 「わ、わたし……ピンクのスパンコールでラメラメしている殿方はちょと……」

 「ああぅっと!!! そんなことをいう悪い口はどこだい? だめだ、だめだ、だめだ、だめだ、だめだめだぁ! マドモアゼル!? セニョリータ!? コンチーーーータ!!!!! ……おっと、最後のはドラァグ・クイーンだったね。失礼。ボク、"彼女"のファンなんだ。"同性"として。ん? またまた失礼。ボクはバイセクシャルだったよ。安心してくれたまえ。だからキミのこともちゃんと、愛してあげられるから」

 「…………ぁ、ぅ」


 恐怖。

 私の心には、もうこの2文字しか残っていない。

 ――この男にはかなわない。どうすればいいの。押さえ込んでいた感情がこれ以上は持たない。

 涙が……自然と滴り落ちる。


 「どしたのかな? 恐怖で言葉が出ないのぉ? ボクはキミの口から、ハイって聞きたいダケなのに。いやはや、そんなお尻で誘惑しておいて、ボクのお誘いを断るとは本当にキミは気まぐれな娘だな。それじゃ、お仕置きとしてボクを魅了するかわいくてわがままな、そのお尻を……Box! していいかな? そうしたら気が変わってくれるかもしれないしね。どうだい、どうだい? ねぇねぇねぇ?」


 ――こ、声が出ない。

 これまでずっと強がってきた。今日は特に辛かった。

 グール戦の時だって、本当は涙が出そうで逃げ出したいくらい恐かった。

 でも、もうダメ。軽口はさっきので弾切れ。こんなことなら、礼衣無さんにもっとレパートリーを教えて貰っておけばよかったな。

 たぶん、助からない。ううん、絶対無理だ。

 鷹山も千麒もみんな倒れてる。わたしだって、すぐにでも卒倒しそう。

 まるで、あの時みたい。あの時、助かったのは奇跡みたいなもの。

 今回は無理。でも、まだ死にたくない。

 だって、まだ仇も取れてない。助けて……助けてよぉ誰か。

 助けて。(たく)……。


 ――えっ!?


 ガスッと大きな音が聞こえた。

 目の前に鷹山がいる。

 鷹山が……左の拳をマルシオの顔面にメリ込ませて叩き伏せていた。

 そして、腰をついた変態に向かって凄まじい形相で睨み付けながら言い放つ。


 「悪ぃな。先約があんだよ。大昔からな」

 「鷹山! 馬鹿!! わたしなんか放っておけ!!」

 「……卓さんに。卓さんにね。頼まれていたんです。守ってくれって。だから守らなきゃって思ってた。でもね。今はちょっと違うんですよ……。今は……ね」


 鷹山……!? 何を言って……るの。卓の願いで……守る? でも、今は……?


 「…………Box」


 無情にも囁かれたその一言で、鷹山の左拳と左右の腕、両脚から爆発したように血液が吹き荒れる。

 あまりの大量さのため、辺り一面に血煙が漂い、ミストシャワーのようにわたしの顔にへばりつく。

 光の箱……すでにマルシオは鷹山の体中にあの技を仕掛けていたのだ。

 当たり前だ、マルシオはそんじょそこらの吸血鬼ではない。

 人間に全力で殴られたからって、どうということはない。

 そんなことは局員なら、当然すぎるほど分かっているはずなのに。

 それなのに! わたしの前に立って……守るって。

 そう言って、また犠牲になってしまった。

 なんで? これが運命なの? 大事な人は全て目の前で――


 「……………………ぁ」

 「……………………あぁ」


 徐々に遠くから何かが聞こえてくる。


 「……………………ああぁ」


 近い! もしかして狭間さんたち!?

 でも、まだ到着に5分は掛かるはず……。

 急いでヤタを使って広域サーチをかけてみる。

 ――とてつもなく巨大なノイズと、それに先行して高速で移動する小さいが力強いノイズ。


 自分の力を悟らせないタイプが二番目に厄介な相手だとしたら、一番厄介な相手はどんな者だろうか?

 それは巨大な力を隠しもせず、臆するものは何もなく我関せずと好き放題に振る舞える者。

 現在、東京には二人こういった者が存在している。

 巨大な反応はおそらく、これの内のどちらか。

 でも、ここに向かっているなら間違いなくあの人。

 それにこの反応の感覚は忘れない。

 恐くて禍々しいのに、どこか悲しげ。そして温かくてやさしくて懐かしい。

 沢山の雰囲気と感情が混ざり合ったこの感じ。


 「……悲しい。悲しいよベイブ共。Boxはさ。Boxは少しづつ開けるから楽しいんだ。お誕生日会でさ、プレゼントをいっぺんに開けちゃったらつまらないだろ? プレゼントをくれた人の笑顔を見ながら、ひとつずつ開けて確認するのが、お作法じゃないのかな? それがさ! ドバっていっぺんに開けちゃったら! 苦痛に歪む顔とか、泣き叫んで懇願する様とか確認できなぁいぃぃっ!! そういうの見られなくなっちゃうじゃないのぉぉぉっっっ!!!!!! ねえ、バカ? バカなのキミたち!? パカですか、パカなのですかぁ!???」

 「……うるせぇぞクソピンプ。こちとら、おめえとお楽しみ会を開いてんじゃねぇ。そんなにオープンセサミー楽しみたかったら、ひとりで、てめえのケツの穴でもパカパカ開いてろ」


 ば、ばか! 鷹山!! 挑発なんてするな! おとなしく寝ていろ!!

 なんでそんなマネを……いや。分かっている。

 わたしからマルシオの気をそらすためだ。

 でも、わたしは。わたしの心は……。


 「だから。そういうこと言うな。キレっとさ、ひとつづつ開けらんねぇって言ってんだろ。……もういいや、お前ら全員Boxだ。FULL Box……で終了だ」


 マルシオはそう言うと、この場にいる全員のありとあらゆる部分に光の箱を発生させる。

 わたしはもちろん、後ろで眺めていたストリゴイイにまで。

 光の箱が付いた部分は、まるで自分の物ではないかのように動かせない。

 そしてマルシオは、ゆっくりと右手の指を小指から折り始める。


 「ああ、一気に全員をBoxするのも悪くはないかな。FULL Box……うん、これはこれでキモチよさそ……」

 「………………ああぁぁぁ」


 あの声が近づいてくる。この声には聞き覚えがある。

 当然だ。

 あの人と一緒に行動しているなら、この小さな力強い反応は……あの子に決まっているのだから。


 遠くから走る姿のシルエットが見えてきた。

 しかし、地面ではない。

 空中を……夜空に浮かぶ大きな満月を背にしてバカみたいに足をバタつかせて走っている。

 その滑稽な見た目とは裏腹に、スピードはちょっとしたジェット機並。

 そしてその人影が……今、目の前に舞い降りた。


 「な……あに?」

 「だだああああぁぁぁらっしゃぁぁぁぁぁぁっっい!!!!!」


 飛び降りた人影の足先は声に気づいて振り返ったマルシオの顔面を見事に捉え、地面へ豪快に押しつけながら吹き飛ばす。

 地面に叩きつけられた力があまりにも強烈だったため、反動でマルシオは横向きの姿勢のまま跳ね上がり、空中に浮いたまま高速で錐揉み回転をしている。

 そして何か土のような粘着物を細かくそこら中に撒き散らしながら、しばらく滞空した後、再び石畳に顔面から激突した。


 ピチャっとその粘着物が頬につく。

 何これ? 顔についたものをぬぐって嗅いでみる。

 ――くさっ。


 「あたしは、今、非常に機嫌が悪いです!!!」


 空中から着地して腕組みをしながら仁王立ちをしている女の子。

 長い黒髪が月明かりに照らされながら、ゆったりとなびいている。

 パッと見は中学生ぐらいに見えるが、間違いなくあの子だ。

 わたしと鷹山は寄り添いながら、口を開けてその姿を眺めている。


 「先に言っておきますっ! わたしはここに来る途中、う○こを踏みましたっっ!!!」


 {yo:な、何を言ってるんだコイツは!?}

 {KiRa:プッ、クククっふふふ、あはははははっ!}


 「なので、逆らうと容赦なくこの足で蹴ります!! ……以上!!!!!」


 もう、間違いない。

 この緊張感のないバカっぽい発言。志津華だ。彼女が来てくれた。うれしい。

 後で思いっきり抱きしめてやる。


 「志津華。エーテル・ウォークに磨きがかかったじゃないか」

 「キ、キララさん! だ、大丈夫ですか!?」

 「わたしは大丈夫。ただの魔力切れだ。それより、鷹山……。こいつを助けてあげて。もう……ボロボロなの」


 そう言うと、志津華が来てくれた安心感からか、再び涙がぽろぽろとあふれてしまう。

 ああ、情けない。でも……よかった。


 「お、おまえらぁぁぁ!!! よくもキララさんを泣かせたなぁっ!!!!!」


 ――志津華の体にとてつもない魔力の奔流が見える。

 この子、少し見ない間にこんなに成長してたんだ。まあ、礼衣無さんと行動しているなら当然か。

 あの人の周りでは、こんなことは日常茶飯事だろうから。


 「ク、クソだと? 顔にクソだと? ボ、ボクの私の俺のおいらのきみとボクのシャインフェイスに、う○こぉ〜〜!? ああわわああわ、は、早く洗わないと……!?」

 「おう。デカかったぞ。間違いなく大型犬のだ。まだ温かくてな……その感触をおめぇにも分けてやる」

 「てんめぇら、全員即消滅だっ! 全員入るデカイBoxにまとめてブチ込んで、One Boxだあぁぁっっ!!!」


 泣きべそをかきながら、志津華に指を向けるマルシオ。

 ――だが、もう遅い。彼が来た。


 「あ、無理。時間切れ」


 志津華がそう言うが早いか、突然、辺り一帯に猛烈な暴風が巻き起こる。

 それと同時にマルシオの体は弾丸のように弾け、お寺の本堂まで超高速で突き刺さってしまう。

 その距離、優に300m以上。

 数々の重要文化財を巻き込みながら、お寺は見事に半壊していた。

 ――西田さん、ゴメン。

 そして、この暴風を発生させた主は志津華と同じように、わたしたちの目の前で仁王立ち。

 耳を劈く音量で怒鳴り立てている。……少し涙声で。


 「私は今、ひっじょおおおおおおに機嫌が悪いです! なぜならぁ! ここへ来る途中で、う○こを踏みました!!! しかも、両方に……同時ではありません、別の犬のやつです!!! いいですかぁ!? 逆らうヤツには今みたく、もれなく完璧、確実にっ! ドロップキックで、なすってやるからな! 覚えておけっ!!! ちっくしょぉおおぉぉっっ!!!!!!!!」


 ――重傷なはずの鷹山が爆笑している。わたしも釣られて声を上げて笑ってしまった。

 あのストリゴイイでさえ、呆気にとられ、何が起きているかも理解できていない。

 首の皮一枚で繋がった……いや、形勢逆転だ。

 ただ、マルシオもストリゴイイも感知タイプ。

 目の前の強烈なアストラル反応に気が付かないはずがない。油断は禁物か。


 「編集長、志津華……。貴方たちだったんですね。援軍って」


 わたしはうれしさのあまり、礼衣無さんに駆け寄って話しかける。


 「阿部川くん、無事だったかね? まったく、遅れてしまって申し訳ない。ちょいと無粋な客が来ていたもんでね。さっきケータイで美奈くんから聞いたよ。かなり面倒な連中が相手みたいじゃないか」

 「は、はい。わたしの油断から、待ち伏せに引っかかりまして……。大型キメラと上級吸血鬼1体、さらに特殊な覚醒をした強力な吸血鬼が1体です。油断なさらないでください」

 「なるほどね。確かに面倒そうだ。キミたちは応急手当をして休んでいるといい」

 「ですが、志津華をサポートなしで戦わせるには相手が……」

 「大丈夫だよ。志津華くんも随分成長しているし。彼女は見違えるほど強くなったよ。安心して見ていたまえ」

 「む、無茶です! 編集長はともかく、志津華ではあのレベルの敵には……」


 言葉の途中で、編集長はにこりと笑いながらわたしの肩をそっと叩く。志津華も私の顔を見て、余裕だと言わんばかりに微笑んでいる。

 礼衣無さんは、こんなことで嘘を付くような人ではない。

 いや、しかし……さすがにあの連中を相手にするには早すぎるのでは……。


 {yo:へ……編集長? し、知り合いなんですか?}

 {KiRa:鷹山! け、怪我は大丈夫なの!?}

 {yo:だ、大丈夫ですよ……。いてて。あの野郎、人の体をバカスカ爆発させやがって。しかし、勿体ぶらせたご到着だ。本当に2人であの3体を倒せる気なんですかね?}

 {KiRa:編集長……礼衣無さんなら一人でもおつりがくるさ。昔、話をしただろ。わたしが防魔局に勤める前に、雑誌の編集をしていたって。そのときの編集長があの人なんだ。そして編集の技術だけでなく、化け物相手の戦いを教えてくれたのも礼衣無さんなんだよ}

 {yo:へぇ。師弟って訳ですか? でも、さすがに全員が相手じゃ無理でしょうよ。よりによって敵が只者ではないし}

 {KiRa:只者ではないのは、あの人だよ。何せ編集長は……}


 ――と、その時、何者かが2mはあろうかという庭石を中央で沈黙していたカエルのようなキメラに放り投げてブチ当てた。

 マルシオ! まだ、ぴんぴんしていやがるのか。

 ヤツは乱れた頭髪を手櫛で直しながら、平静を装うかのように礼衣無さんに話しかける。


 「……ナニよオッサン? やたらデカイ反応で同族かと思ってたら、あいつらの味方すんの? しかも、反応だけは大げさだけど、中身はスッカスカ〜スッカスカ〜? ……もしかして、おめぇ、弱ぇんじゃね?

 なあ、なあ、そ〜でしょ〜? どうでしょ〜? ろーどしょ〜?」

 「ふざけるな。私は種族など気にはしないがド外道の類いではない。お前なんぞと一緒にするな。もう一度、ケツにドロップキックを食らわせるぞ小僧」

 「へへっ、そいつは恐いなぁ〜。恐い恐い。だからさ、加勢頼んじゃった。ストリゴイイのバカがとっとと起こせば、すぐに終わったのにィ。カッコつけてタイマンとか一人で全部倒すとかさ。流行んないよねぇ。ほら〜、もう起っきした」


 まずい。コイツの……キメラの存在を忘れていた。

 庭石をブチ当てられ、地面に埋まっていたカエルがもそもそと動き出している。


 「アイツねぇ、この土地のマナプールが気に入っちゃって、ずっと地中に潜りながら体にミアズマやエーテルを蓄えてたんだ。ムリヤリ起こしたから機嫌悪りぃぞぉ。はい、これで3対2。あんたはともかく、そっちのお嬢ちゃんは、即……Box! あの世行きになっちゃうんじゃないかなぁ!?」

 「……いや。3対3だろ?」


 そう言った礼衣無さんの視界の先には……崩れ落ちた売店。

 そこに幽鬼のようにぼやけた人型の何かが立っている。

 あ、あれは千麒!? まずい、身体が"ぼやけ"てしまっている。

 あの状態を彼はまだ制御することができない!


 「起こしてマズかったのはあっちの方じゃないのかね? 私ですら、アレにはゾクゾクしてしまうよ」

 「人間の武者か……。マルシオ、そちらの偉丈夫を頼む。あの武士(もののふ)を叩き伏せたのはストリゴイイだ。因縁のある者が、あの武者と戦うべきであると考える」

 「なんだい。ようやくヤル気になったのかい? いいよ。その男……八つ裂きにしてあげる」

 「それと……もうひとつマルシオよ。先ほどの攻撃はストリゴイイに勝負を挑んだと判断した。お前とは、後でキッチリ決着を付けさせて貰う。よろしいか?」

 「けっ! 好きにしろよゴイゴイちゃん!!」

 「こちらも、かまわんよ。志津華くん! ちょっと面倒だが、そのキメラ、少しだけ抑えておいてくれないか? 後で加勢するから、みんなで片付けちまおう」


 礼衣無さん、いくらなんでも志津華一人で大型キメラ相手なんて無謀な!

 ――いや、しかし、成長した彼女なら少しの間を持たせるくらいならできるということなのか?


 「ええ〜。あたし一人で十分ですよ〜。でしたら、どっちが早いか競争しましょうか?」

 「あはは、そいつもいいな。じゃあ、私に勝てたら明日の昼食を驕ろう。お向かいの"志摩国"で好きなものを頼んでいいぞ」

 「よっしゃ! 海鮮丼海賊盛り予約ぅっ!!」


 な、何を言ってるんだ志津華……。あの大型キメラを一人でどうにかできるとでも!?

 いや、しかし、あの礼衣無さんが諫めることもなく昼飯を賭けるということは、本当にそれだけの実力があるのか?

 一体、あいつどんな成長を遂げたんだ!?



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