蝶の魔法
芋虫戦の後、俺たちは新しい敵を探し回っていた。全然新種の敵が見つからず、一匹でいるスライムや芋虫を見つけるたびに倒していっているので、レベルは既に2に上がっている。レベルアップの際に手に入ったステータスポイントは2だったので、素早さに1ポイント、体力に1ポイント振り分けた。
「あっいました。新種の敵ですよ!! 蝶みたいですね。芋虫が孵化したものでしょうか。やっとおもしろそうな敵ですね。」
「そうですね。今度はどちらが襲撃しますか?」
「<天地雷鳴>さんがいいのなら、ぜひ、私にいかしてください。」
「分かりました。では俺が注意を惹きつけます。」
また俺が注意を惹きつけることになった。まったく、俺はいったい何のために<隠密>をとったんだか。そう思いながらも、俺は彼女が背後に回り込むのをまってから蝶に近づいていく。
いつもどおり恐怖を感じながら、ゆっくり、ゆっくり近づいていく。気づいた。蝶がこちらに気づいてゆっくりと近づいてくる。ある程度近づいてくると移動をやめ、小刻みに羽ばたきだした。なにかの予備動作だろうと思った俺は、警戒を強める。すると蝶のまわりをキラキラしたものが覆い始めた。その直後そのキラキラが全方位に向かって発射された。
「うおっ。あぶねー。」
ぎりぎりで避けた俺だが、どうやら彼女はまともに食らって死に戻ったようである。これは俺も死に戻らなければいけないパターンか?あーあ。死に戻りのときのあの不快感はなかなかなんだよな。これから死に戻ることに恐怖を覚えつつ俺はゆっくりと瞼を閉じた。その10秒後くらいに、またも鉄球のような衝撃が、今度は腹に伝わり俺の意識は消えた。




