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Guilty judge  作者: 六甲寺
6/8

紀之元 晴久 7月16日 5:24 異変-1-

■■

7月16日 5:24 晴久の部屋


 最近聞くことがほとんど無かった聞き慣れたアラームが部屋に鳴り響く、それに連られプログラムされたかのように意識が覚醒していく。


のそのそとベッドから這い出る、若干眠気が尾を引くがここで二度寝したらバイトは遅刻、来月の給料は減り、鼎に金を恵んでもらうという屈辱が待っている、そんなヒモまがいな状況はできれば回避したい。

実際はギブアンドテイクなのだが、鼎から物を恵んでもらうのがなぜだか飼い主がペットから餌を貰ってるみたいでなんか絶望感がハンパない。



「はぁ…よっこらせっと」


 いまだに睡眠モードの重い身体を持ち上げ無理やりスイッチをオンにする。本日のスケジュールは午前中はバイト三昧で、午後からは大学で勉学に励むという見事なハードワークっぷりだった。


「えーと、コンビニでバイトした後、和菓子屋で配達か、移動量多いなー。」

 バイト先のコンビニと和菓子屋はかなり離れていて、更に配達で美咲市内を行ったり来たりする。

まぁ、寝ぼけた身体をちゃんと叩き起こすにはちょうどいいか。


服を着替え、冷蔵庫にあったサンドイッチを腹に詰め込み、財布と携帯電話をポケットにねじ込む。


 さて出発しようかと思った時ふと、机の上の黒い端末が目に入った。


昨晩の謎の端末、できれば夢であってもらいたかったが…


「ひとまず持っとくか…」


 必要な物はとりあえず持っておく質だ、いや必要になるとは思えないが。


「やべっ、そろそろ時間か」



 ひとまず端末をポケットに押し込み部屋を出る、光が射し込み眩しさから目を細める。外は相変わらず変化の無い日常に見えた。


「はぁ、本日もバイト日和デスネ。くそったれ」


鍵をかけ、桐谷たちの部屋を一瞥した後俺は駐輪場へと歩き出す…が、鍵がかかったか心配になり再び部屋の前へ、数回ノブを引くが扉は開く心配は無い。


 しっかりと鍵のかかっている感覚に少し感動を覚え、そんな自分に少し呆れながらも駐輪場へ向かう、自分の自転車の鍵を外し、混雑している駐輪場から引っ張り出し跨がる。


「あぁ…だるい。」


 などと愚痴りながらもバイト先のコンビニへ向け自転車を走らせた。


■■

7月16日 11:25 デパート前


「よっし、ここで終わりっと」



 太陽が上りだんだんと気温が上がってきた昼頃、コンビニでそつなく仕事をこなし和菓子屋のバイトで配達を終えたところだ。

予想したとおり配達量は少なかったがその分配達先が離れていた、いちいち店に戻りながら市内を行ったり来たりだったので総移動距離は軽く2、30キロぐらいだろう。


「あー、疲れた。」

 デパートの裏口で従業員に礼儀正しく商品を押し付け、かくして仕事を終えた俺は駐輪場付近のベンチに腰掛けた。

和菓子屋の親父さんに連絡するといつもながらの渋い声で「配達終わったんなら帰ってもいい」だそうだが今の俺にはそこまでのやる気ゲージは残っていないため現在回復中である。


 ベンチに力無く腰掛けつつも周りの人を眺める。俺のように休憩で座っている人や、仲むつまじく買い物をする親子、夏だというのにびったりくっついてイチャイチャするカップル、こんなクソ暑い中で見るからに暑そうな神官服のようなデザインの服を着た人………人?


「……………は?」


 俺は目の前約50メートル程離れた所に未知の生命体らしきモノがウロウロしていた。

真っ白い神官服のようなデザインの服を着ていて、手には身の丈を越す程の長さの白い十字架を模した杖を持っている、更に服から出ている皮膚らしき部位は布でも巻いているのか真っ白で、頭の先から完全につま先まで真っ白な人型がいた。


朝8時から3時間市内を走り回って、頭も身体も完全に目が覚めたと思ってたがまだどこか熟睡してる部位があるのだろうか…または頭がまだ寝たままなのだろうか。


 その白い人型は周囲を見渡した後テクテクと歩き出した。

人型は近くにいた親子の後ろを通り過ぎる、がその親子は人型に気付いてない。


人型との距離約35メートル


イチャイチャしていたカップルの横を通り過ぎる。あのカップルも気が付いてないみたいだ。



人型との距離およそ20メートル


休憩がてらに座っている人の目の前を通り過ぎる。

いや、お前は気付かないとおかしいだろ。


人型との距離大体10メートル


 ここまで近づかれるとより細かく観察できるようになる。

見た限り完全に人間ではない、布でも巻いているのかと思った手足は布ではなく単に皮膚が真っ白なのだ、そして顔は凸凹の無いツルッとしたマネキンのような頭をしていて、手に持っている杖はよく見ると十字架の部分に刃がついている、杖というよりは槍のようだ。俺は未知の生物を見つける才能でもあるのだろうか。

そんな生物を眼前に俺は一見冷静を装っているが、実際生命の危機をビシビシと感じている。


「冷静になれ…これは…そう、夢だ…」




そして未知の生物は杖…ではなく、槍を両手で構え残り数メートルのところで俺めがけて振り下ろす。



これは夢、そう夢だ…きっと昨日のチョコレートケーキを見たからそれで頭が混乱して――――



「んな訳あるかぁぁーー!!」


 俺は全力でベンチから飛び退く、ベンチは俺の座ってた時のちょうど脳天のあたりから真っ二つになっていた。


「アホか俺は!!なにが夢だちくしょう!!普通に死ぬとこだったわ!!」


 後少し生存本能が鈍かったらあのベンチと仲良く真っ二つだったのだろう。


 人型はのっぺりとした顔でゆっくりとこちらを確認する、そして槍を再び構える。こちらを仕留める気だ。


「やばいやばい、なんだよこの状況…」


少なくとも今逃げ出せば背中からグッサリだ、ひとまず様子を見て…


「――――って、うおぅっ!?」


 人型は槍で真横に薙いできた、それを伏せてギリギリ回避する。


「危ねぇえーー…」


人型の槍は俺の後ろの木に刺さり抜けなくなっている。


「ざ…ざまぁ見やがれ…!!」


ひとまず自転車に乗り全力で逃走。人型はまだ槍を抜けずにいる、今のうちに…


 ちらりと人型の方に目をやると、人型は槍を持って佇んでいる。

抜くのを諦めたのかと思ったその時、ブスブスと槍が燻り始めたかと思うと、突然青い炎が燃え上がった。

一瞬にして木は燃え尽き、白い槍だけが残された。


「おい…嘘だろ!!」


 人型は槍を持つと、さっきとは段違いのスピードでこちらに迫ってくる。


どんどんと距離が詰まりついには併走する。人型は走りながらも槍を構え身体をひねる、まさかと思ったが人型はそのまま真横に薙いだ。


「ちょ、待て待て待て待―――」


真横に放たれた一閃はいとも簡単に自転車を引き裂いた。すんでのところで横に飛び退いたが、横薙を受けた自転車は見事な鉄くずだった。


「くっそ、なんだってんだよ!!」

 人型はまたゆっくりとした動作でこちらを確認、補足する。


最初はこの動作にどうとも思わなかったが、今になって凄まじい不気味さが蛇のように全身を這いずりまわる。


とりあえず逃げなければ。そう考えた俺の目に細い路地が入った。


「あ…あそこだ…!!」


 一歩ずつ近づいてくる人型に背を向け一目散に路地へと走る。路地は人一人通るのがやっとなぐらい狭苦しくとてもあの人型がもっていた身の丈を超える程の槍を振り回せるものではない。


「はぁ…はぁっ…!!」


 ひたすら入り組んだ路地を走り抜ける。ここまで来れば流石にあの人型も巻いただろうと後ろを確認する、と同時に暗い路地の奥から何かが飛んできた。


ヒュオッ――――


そんな風切り音を感じたと同時に左の脇腹を冷たい物が通り抜ける感覚と強い衝撃で足がもつれ倒れ込む。


何かあったのかと左の脇腹を見る、脇腹を通り抜けた冷たい感覚は消えズキズキと熱を持ち痛むみだす、左側の脇腹はどくどくと必死に強く脈を打ち無くなった部分に血を送ろうとするが虚しくも身体の外へ放出するだけだ。


 簡単に言うと、俺の左側の脇腹は人型が投げた槍に抉られていた。


「ぐ…ぁああ゛ああぁあ!!」


耐え難い痛みと現実が脳を襲う、脇腹は肉が抉られピンク色の〝中身〟が覗いている。

俺は必死に脇腹を押さえ込む、人型はゆらゆらと陽炎のように、というか本当に陽炎を纏いながら迫ってくる、恐らくあの青い炎だろう。


「あ…はぁ…あぁ……」


 ここまでの重傷でも逃走本能が働くもので、立ち上がり路地の外へと走る。


路地から出て道路を渡る、ちょうど信号は赤だし車通りは皆無なため、ヨロヨロと路上を横断する。人型はちょうど路地から出てきたところで、手には回収してきたのだろう槍が握られていた。


人型は今までと変わらずゆっくりと距離を詰めてくる。だんだん人型との距離は短くなり諦めかけたその時、突然ブレーキ音が響いた。何事かと思いブレーキ音の方を見ようとした途端、衝突音と共に身体が宙を舞い歩道に落下した。俗に言う事故だ。


「うわっちゃー、やっちまった。大丈夫かー?」


 凄まじいエンジン音を轟かせる黒くいかついバイクに跨がったままライダーがメット越しの籠もった声で質問する。ちなみにその質問は俺へのもので、この事故の被害者は俺である。


失いそうになった意識をギリギリつなぎ止める。ライダーに何か言ってやろうかと思ったが完全に虫の息で呼吸をするだけで精一杯なので諦める。

 ライダーは人型には目もくれずバイクから降りこちらへ歩み寄って来て俺の近くにしゃがみこんだ。


「うわー、ひっでぇ。皮膚どころか内臓まで抉れてら、こりゃ縫合するだけじゃすまねぇなー。見た感じ出血も凄いし骨も数ヶ所イってるね。」


 いや、骨はお前のせいだろう。ライダーは傷口をまじまじと観察する。


するとライダーの後ろから人型が迫ってきていた。人型は槍を持ち上げライダーを両断しようと槍を掲げ振り下ろそうとした時。


「あーもう、お前邪魔だよ。」


ライダーが人型の前に手を突き出した。


 まるで「止まれ」 と言わんばかりに開いた手を前にした人型は振りかざしていた槍をピタリと止め、やがて苦しみ出した。


「診察中なんだから、ちっと黙ってろ。」

人型は槍を手放し悶え始めた。バタバタともがいた後、いきなり糸が切れた人形のように地面に倒れ込んだ。



死んだのだろうか?倒れ込んだ人型はそのままピクリとも動かない。恐らく死んだのだろう。


するとライダーはさっき人型にしたのと同じように俺の目の前に手を突き出した。


あぁ、俺も死ぬのか。



「ふぅーー、せいっ!!」


 死を覚悟した俺にライダーは目の前に出していた手を力強く握りしめ、目一杯引いた後。思いっきりばっくり開いた脇腹を殴りつけた。


「うぐっ!?……ゴバッ!!」


 口から大量の血を吹き出す、放っておいても死ぬ人間をわざわざ殴るとは…このライダーはサドなのか?


目の前がだんだんと暗くなっていく、もう無理だ俺の人生ここまでか…後少し裕福に暮らしたかったな…


視界がブラックアウトしていき完全な暗闇に包まれ―――――


「おーい、寝んなよー、起きろやー。まだ昼間だぜー?」


―――そうになったところで目を覚ます、目の前には俺の頬をビシバシとビンタするライダーの姿。


流石にここまでくると腹が立ってきた。怪我人をなんだと思ってんだコイツは!!


「おい!!アンタいい加減に―――」


 ライダーの手を払い、胸倉を掴もうと手を伸ばす。


「おいおい、あんまり動くなよ傷口治んないぜ?」


とライダーは俺の手を地味に強く払いのける。


コイツは何を言っているのかと傷口を見る。相変わらず脇腹は痛みを発していたが、傷口はぐじゅぐじゅと蠢き塞がっていく。


「は…ぁ?なんで…」


 やがて傷口はぴったりくっつき、痛みは全くもってなくなった。


突然の不思議現象に目を白黒させ、傷口のあった所を触る。


「おい、兄ちゃんもプレイヤーだろ?そんなんで驚いてんじゃねえよ。」


 ライダーは呆れたように言う。っていうか今コイツ…


「お前、プレイヤー…って」


「あぁ?だから昨日黒い端末届いたろ?変な力とか身に付いてるだろ?今朝から街で襲われなかったか?」

 頭に手をやり考えられないがひとまず思考する、黒い端末は届いた。変な能力もついさっき見た。街で普通にさっき襲われた。

まさかと思うが。


「手の込んだイタズラじゃ無いっすよね?」


「残念ながらイタズラじゃねぇよ。駅前行ってみな?阿鼻叫喚の超能力者パーティーだから。」


「アンタの能力はいつ手に入れたんだ?」


「端末起動してすぐだよ。

ありゃ、痛かったわー」


「メールにあった美咲市から出られないってのは?」


「本当だったよ、バイクで出ようとしたらいつの間にか戻されてたよ。」


 この話が本当なら目的はわからないが殺し合いをさせられているということになる。


「くそ…なんなんだよ…」


「まぁ、俺もなにが起きてんのかよくわからねぇんだ…よっと。」


 ライダーは止めていたバイクからヘルメットを取り出しこちらへ投げてきた。


「ひとまず死にたくなかったら自宅に籠もってな。とりあえず家まで送ってやるからよ。」


と、ライダーはバイクに跨がる。


「そこまで言うけど、あんたはどうするんだよ。」


受け取ったヘルメットを被りバイクの後ろに跨がる。


「うん?まぁ、その時に考えるわ。俺が死のうが困る奴はいないしな。」


バイクは轟音を轟かせ、制限速度ぶっちぎりで走り出した。


■■

7月16日 13:04 大学


「本当にここでいいのか?」


 ライダーは大学敷地内でバイクを止めエンジンを吹かす。もの凄い轟音が響くが周りの学生は見向きもしない。


「あぁ、家でウジウジ考え込むより勉強しながら片手間に適当に考える方が俺に合ってるわ、後なんか食堂の海鮮丼が食いたくなったしな。」


 ライダーは呆れたように肩を竦める。


「切り替えの早い野郎だな。


まぁ、お前が言うんなら別にいいか。死ぬなよ?」


ライダーはそのまま180度ターンし颯爽と走り去っていった。


 ライダーを見送った後時間の確認をする。現実午後1時04分、すでに5時限目は始まってしまっている。



「まぁ、ひとまず6限から出るか、その前にメシメシ。」


 既に非日常に放り込まれているというのに、ここまでのんきにしている自分に我ながら呆れる。


「えー、端末端末。」


今朝の黒い端末を探す。あのライダーの話によるとルール説明のメールの後自分の能力についてのメールが届くらしい。ルール説明を読んだ後に放り投げていたため気付かなかったが、ひとまず読んでおいた方がいいだろう。


「えーと…お、あったあっ――だっ!!」


 端末を取りだそうとした時、後ろからの衝撃を受け倒れ込む。


何事かと辺りを見回すと白衣を着てマウンテンバイクに乗ったチビッコがいた。


「おっと、何か轢いたようだ。おや、お前は…まぁいいか、誰であろうが関係ないな。」


「おい。」


 俺を轢いたチビはどこかに行こうとするが頭を鷲掴みにして引き止める。


「人轢いときながら謝罪もなしに逃走かよ、それって轢き逃げじゃねえか?松川ぁ。」


頭を鷲掴みにされながらも器用にこちらを向くチビ改め生物学の教授、松川(まつかわ)(しのぶ)


「なんだ、誰かと思えばあの進化して獲物を捕食し始めた発光カビを提供してくれた…えーと、紀之元?じゃないか。」


 涼しい顔をしながらも凄い上から目線で話しかけてくる松川。小さいくせにこの死んだ魚みたいな目で見下されると正直精神的にくる。ていうかあのカビ本当に捕食してたのか。


「それでなんだ?この私に頭を下げろと言うのか?」

「あぁ、お前が起こした事故だからな。」


「なる程、中学二年で生物学、物理学の博士号を取得したこの私にその天才的な頭を地べたに擦り付けながら謝罪の言葉を吐けと命令するのか。


別にやってもいいが明日辺りには私の憂さ晴らしのせいでまるまる国一つがバイオハザードにより地獄に変わるかもしれんな。」



「スケールのデカい憂さ晴らしだな!!あぁ、いいよ謝んなくて!!」


 それにこいつの場合本当にやりかねない。


「そうかそうか、なら邪魔だからとっとと退いてくれ。私は忙しいのだ。」


 シッシッと汚い物でもって見るかのような目で避けるようにジェスチャーしてくる。殴り飛ばしたい衝動にかられるがそこは我慢だ。


 松川はそのまま自分の研究室の方へ走っていった。ドッと疲れがきたがようやく嵐が過ぎ去った。さて、端ま―――


「すまん、一つ忘れていた。」


「つうっ!!?」


本日三度目の事故である。俺は松川の頭を握り潰しそうな勢いで鷲掴みにする。


「お前なぁ………」


「そう怒るな、お前に一つ頼みごとを忘れていたんだ。」


まるで効いていないかのような涼しい顔で松川は話す。


「で?頼みごとって?」


「うむ、このパーフェクトな女教授である私がついムラムラしてしまったから、性的欲求の処理の手伝いを―――」


「さようなら、またこの大学内で合うことはないでしょう。」

スタスタと立ち去る、そして本日四度目の事故


「冗談に決まってるだろう。むしろ、喜んでくれても良かったのだぞ?」


「俺は残念ながらロリコンじゃないんでね。てか、なんだその冗談!!女性の間で流行ってんのか!?」


昨日の鼎といい何のブームだ。


「なにやら傷つく言い方だな。まぁいい、頼みごととはこれだ」


 松川はバックから紙の束を取り出した、なにかの資料だろう。


「それを資料室に戻しておいてくれ。」


「結局パシりかよ…」


「頼んだぞ、放置した場合明日以降お前の家が地図上から消滅するからな。」

ペナルティーがとてつもなく重かった。


「ったく…」


 しかたなく資料を脇に挟み黒い端末をいじりながら資料室へ向かった。


紀之元 晴久 7月16日 13:20 異変-1- -了-

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