???? ??月??日 ??:?? とある会話記録-2-
ノイズが晴れ若干ぼやけた映像が画面を分割し映し出される。
??月??日 ??:?? 白い部屋/研究室
分割された画面のうち片方はいつもの真っ白な部屋で真っ白な少女が座っていた。
今日は白衣はおらず少女はただ虚空を見つめている。その真っ赤な瞳はさながら、空中に宝石が二つ浮かんでいるようにも見える。
一方、もう片方の画面の部屋は薄暗く、その闇の中にいくつかの光があった。
その光の正体はなにやら装置じみた物でアクリル製の容器には溶液が満たされており、その中には人型のようなモノが浮かんでいた。
そして、その映像の中に白い人影があった。黒い髪を無造作にバッサリ切った、男とも女とも取れそうな体型の白衣を着た人影。そう、例の白衣だ。
机に向かいなにやらせっせと書類を集めている。なぜだか、今回も画面に背を向けている。
2012「ねぇ…」
少女は定点カメラの方を向き、話しかけてきた。
M「どうしました?」
すると、白衣は少女の声に反応し近くにあったパソコンの前に座った、どうやら定点カメラの映像はこのパソコンに送られているようだ。
2012「前に何かするって言ってたよね?えっと…」
少女は考え込むようなポーズをとる、多少わざとらしく見えるが本人は本気で思いだそうとしているのだろう。
M「あぁ、ゲームの事ですね。どうしました?準備は着々と進んでますが。」
2012「私も参加したい。」
少女の言葉に白衣は頬をポリポリと掻いている。いつか話すと思ったが、やはりか。
M「そう言うと思いましてちゃんとあなたの駒を用意しましたよ。」
白衣の返答に対して少女は首を横に振る。
2012「違うの、私自身が出たいの。」
白衣は困ったように笑いやがて、口を開く。
M「残念ですがそれはできません。
あなたをそこから出せないのです。」
その答えに少女はムッと不機嫌そうに顔をしかめ、少し唸った後、
2012「わかった、我慢する。」
と嫌々返事を返した。
M「そうですか、それでは私は仕事に戻りますので。」
と言い残すと立ち上がり白衣から携帯電話を取り出した。
白衣はボタンを押しやがて耳に当てる。
M「私だ、今すぐ地軸の位置を確認してくれ。
それと、そちらの準備はどうなっている?…………そうか、それでは人材のデータを後で送ってくれ。」
そこで映像は途切れた。
???? ??月??日 ??:?? とある会話記録-2- -了-