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Guilty judge  作者: 六甲寺
1/8

???? ??月??日 ??:?? とある会話記録

 ある程度のノイズ画面が続いた後映像は鮮明になった。


??月??日 ??:?? とある部屋


 天井から床まで、家具すらも真っ白な部屋を見下ろすように定点カメラの決して良い画質とは言えない若干ノイズ混じりの映像が映し出される


 その部屋には二人の人影があった。

片方の女の子は床にへたり込むようにして座っている。

容姿はまだ幼さがありおそらく11~2歳ぐらいだろうか

髪の毛は混じり気のない完全な白で長く、目は宝石のように赤く輝いている

顔立ちも整っていて、肌は透けるように白く誰に聞いてもイメージカラーは『白』と答えるような美少女。


 もう片方はカメラに背を向けしゃがんでいる、白衣を着た男とも女とも取れる中性的な体型をしていたり、黒い髪が肩口よりも少し上でバッサリと切られていたりと、かなり普通で平凡なイメージの人間だ。


 そんな不釣り合いな二人は真っ白な部屋で静かに座っていた。


やがて、白い少女が口を開く。


Q:ねぇ、『罪』って、何なの?_|



 白衣は少女に目をやり少し驚いたように返答を返す。


A:唐突ですね、どうしました?_|



Q:さぁ?、なんだろう…?ただそんな感じがしたからかな?


ねぇ、『罪』って何?_|



 少女の曖昧な返答に白衣は困りながらも言葉を紡ぐ。


A:そうですね、それは誰もが抱える欲望の産物なのではないかと思います。_|



Q:欲望?_|



 少女は首を傾げる


A:えぇ、欲望です。

英語でDesireだったかな?

 欲望は人の心理に芽生え、根を下ろし育育って行きます。

 ですが、この地点ではまだ『罪』とは呼べないでしょう。_|



Q:どうして?_|



A:その時点では何があろうと誰も気が付かないからです、苗床である本人ですらね。

ですが、育った欲望はいずれ開花します、まるで花開く蕾の如く。


そこで初めて欲望から『罪』が産まれるのです。_|



 少女は白衣の言っている事をいまいち理解できないようで、不機嫌そうに眉を顰める。



Q:どういう事?_|



A:つまり、欲望を抑えきれずにその衝動に身を委ね行動をしてしまう事です。行動の内容は物理的、精神的、色々ありますがその結果が、例え成功であれ失敗であれ『罪』になるのです。_|



Q:ふーん…_|



A:つまらなそうですね?_|



Q:うん、『罪』って思ったほどでもないね。_|



 少女は拗ねてしまったのか、そっぽを向きそっけない返事を返す



A:そうでも無いですよ?


人が抱える『罪』は十人十色、ありとあらゆる『罪』が渦巻いているのです。_|



Q:……………。_|



A:どうしました?_|



Q:つまんない。_|



A:そうですか……。

でしたらちょっとしたゲームをしませんか?_|



Q:ゲーム…って何?_|


 少し興味を引いたのか、白い少女は白衣の方を向く



A:簡単な遊びの事です。


この『罪』を 使ってね。_|



Q:ほぇ~…。_|



A:『罪』には『裁き』を与えなければなりません。


ですがあまりに『罪』が多すぎるので『裁き』を与えるには余りにも疲れてしまいます。_|



Q:疲れるのは嫌。_|



A:でしょう?ですから『罪』を持つ者達に『罪』の『裁き』合いをさせるのです。

それでも、単純にやるのはつまらない『裁き』を受けた者には『罰』を与えなければなりません。ですから、『罪』を持つ者達に『罰』を与えさせるのです。_|



Q:へぇ~…。_|



A:それで私達は最後まで『罰』を逃れる者を予想するのです。_|



Q:当てっこかぁ~。_|


A:そうです、その人をお話相手として差し上げましょう。_|



Q:お話できるのはうれしいな~…。_|



A:それではどうします?_|



 少女は少し考える素振りを見せた後



Q:面白かったらなんでもいいよ。_|



A:そうですか。では、私は準備をしますよ。_|



白衣は立ち上がり部屋の出口へと歩き出す



Q:ねぇ。_|



A:はい?_|



Q:その『罪』って何?_|



 監視カメラの映像はそこで途絶えた。




???? ??月??日 ??:?? とある会話記録  -了-

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